「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

奇襲ベタベタ攻撃



粘着内装に気をつけろ(2013.4)

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 クルマと言うのは新車の時点では何もわからないということをこれまでの記事で書いてきたつもりだ。5年なり10年なりを経過してみて本当の弱点、思っても見なかった欠点が露見するものである。新車を買って初回車検前に買い換えてしまうようなリッチな御仁には関係ないだろうが、多くの日本国民は今中古車である。故にクルマがどうヤレていくかは重要なことだと思う。


 今回は内装の話をしよう。内装は厄介だ。クルマの構成要素の中で過酷な条件に晒されながらデリケートな部分であり、かつ常に乗員の目に触れ肌に触れている。内装のヤレは、やはりもしかするとその中古車の命運を決めてしまう可能性は無いとはいえない。クルマの内装と言うのは、まずは熱、紫外線、湿気、ホコリ、手垢、汗、これらに晒される。走行関係の機関における過酷さとは異なる過酷さがあるといっていい。そしてその条件下、劣化の仕方はここ数年のコストダウンのおかげで昔よりもハゲしいものになっているという印象を受ける。


 鉄むき出しからハードプラスチックになり、軟質なウレタンに素材は変わってきた。そしてそのウレタンの上から特殊塗装を施してさらに見栄えと手触りを「リッチ」なものにしようという試みも散見される。こいつが非常に厄介だ。なんといっても早期にヤレが始まる。


 ウレタンなりプラスチックなりの上に、シットリとした「タッチ」のビニール系と思しき塗装を施してある。これが新車のうちはいいが早ければ2年もすると劣化してベタベタにあい成る。ベトベトになって削れてくるだけならいいが、指紋が残ったり最悪手にこびりついてきたりと、まるで溶け出したブチルのようになる。はっきりいってサイアクだ。称して「ベタベタ攻撃」。プラスチックの無愛想なタッチをなんとか「高級」なものにしようと考え出されたものだが、こんなことなら無愛想なままでいい。


 で、こいつの修復が面倒だ。施された場所が手に触れるドアレバーだったり灰皿やコンソールの表面だったりと入り組んでいる。そう、修復はできる。溶剤なりアルコールなりで剥がして再塗装することになるのだが、そいつをいったい誰がやるのか。まず自分ではやらないほうがいい。かといって外装の鈑金屋がやるかというとそれも難しいだろう。というわけで専門の業者が最近はお目見えしているようだがメジャーでない。治したくてもその業者にたどり着けるか、見つけても近所にあるのかどうか。ベトベト攻撃に敗れてそのクルマを諦めようという中古車オーナーがいてもおかしくない。ツブしやしないだろうが中古車としての価値は大幅に下がることになる。


 筆者がこのベトベト攻撃を仕掛けてくる車種として現在認識しているのは以下の通り。


・ゴルフ4以降のフォルクスワーゲンほぼ全車
・90年代のフェラーリ(00年代以降のフェラーリは触ったことがないのでワカラナイ)
・BMWのE46型3シリーズ、E39型5シリーズ
・アルファロメオ147、156
・フィアットの初代、二代目プント、クーペフィアット
・R34スカイラインやA33セフィーロのコンソール
・車種は特定できないが、アメ車系も要注意
・・・他にもあるかも



 彼らは耐久性も省みず安易なビニール塗装を内装に施した、まぁA級かどうかはわからんが、戦犯である。これらを検討している諸氏におかれては充分に注意の上、特に現車確認のうえ契約に及ぶことをお勧めする。最近の中古車は現車確認なしのネット販売もある。そんな時、ガックリしないように、お気をつけあそばせ。


 因みに申し上げておくが、このベタベタ攻撃、必ずなるというわけではないからね。そこはひとえに前オーナーの保管や使い方の心がけひとつにかかっていると言っていい。


 あと、トヨタのTCR型、つまり初代エスティマの内装のプラ部分も大部分が塗装。ベタベタ君ではないが、とくにドアの取っ手の部分はこれがハゲやすいから要注意。しかもベタベタ君とちがってリペアがしづらいらしいからもっと要注意。


 このベタベタ攻撃とか内装の問題(他にもあるからそれはまた別の機会に書きますね)は現車確認を入念に行なえば気がつけることである。ただし、自分が狙っていた車種を諦めねば成らないことになる可能性も高いのも事実。しかし快適な中古車ライフを獲得するにはそんな葛藤とも隣り合わせなのだとここに申し上げておこう。








前田恵祐




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