「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

人気のマルチ!!・・・に踊らされるな

イカれるとイタい、マルチビジョン...(2013.3)
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 個人的になんで人気なのかわからない装備のひとつに、「マルチ」というのがある。マルチ。マルチビジョン、マルチAV。マルチというからには多機能を意味していて、画面一つでTVが見られたりナビになったり、オーディオの操作ができたりエアコンもまたしかり。モノによってはドライブコンピュータの機能を持ったものもある。いくつかの操作系統が一つの「画面」に集約されるからスイッチ類が整理されるというメリットはあるにはあるが、あとは見た目の問題。つまりこれが付いていると贅沢、豪華に見える、それだけのことだ。


 私のような中古車ウォッチャーの視点から言わせてもらえば、こんなナンセンスな装備はない。複数の機能、操作が一つの「画面」に集約されていると言うことは、その「画面」がイカれてしまったらもうそれらは操作不能ということになる。ナビやTV、オーディオだけならまだしも、エアコンが操作できないとなると、四季ある日本においてヘタをすると死活問題である。真夏、灼熱の中で壊れてみなさい、その結果は火を見るより明らかではあるまいか。


 そしてこれがよく壊れる。ま、こわれないこともあるが、壊れるとかなりイタいことにはちがいない。修理なんて生やさしいものではなく、画面やその周辺の部品を総とっかえになるから20万円の出費ではたして足りるかどうか。例えば50万円で買った中古車のマルチがイカれて20万や30万の修理費を払うかどうか。そもそも部品が出るのかどうか。


 宣告が下る瞬間だ。


 マルチ付きの中古車には手を出さない。私なら、と言っておこうか。マルチじゃなくて、画面はナビTVのみで、エアコンやその他は別の操作系統を持っているならまだしも。私に言わせれば、そもそもナビなんぞ事前にネット地図で下調べすれば必要ないし、クルマのなかでTVを見るなど危険極まりない(本来走行中は見れない仕組みになっているが、だいたいが改造して見ている)。エアコンの操作など、風量、温度、噴出し口の三つのダイアルが付いていればそれでよく、むしろブラインド操作がしやすく安全だ。


 「人気のマルチ!!」に踊らされてはいけない。人気があるからと言って必ずしも有益な装備とは限らないということを知ったほうがいい。マルチの故障一つでツブすかどうかの岐路に立たされるのだとするなら、そいつは避けた方が、誰が考えても利口というものだ。


 クルマというのは重力や遠心力に抗いながら目的地へ高速に移動するツールである。そこにはあらゆるリスクや危険が伴っていることを知るべきだ。まるで居間で寝そべるようにエンターテイメントを楽しむことが相応しい場では、少なくともない。その原点に立ち返ればこそ、マルチビジョンのようなものがいかに子供騙しであるかがわかろうというものだ。







前田恵祐



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