「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

内装はがれ病

内張りや天井の剥がれ、浮き...(2013.5)



 90年代以降、自動車の内装デザインはどんどん曲線を多用するようになった。プラスチックを成型する技術が発達したこと、またデザインがそれを要求してきた側面もあるだろう。丸みを帯びたデザインとすることで、万が一の時乗員が内装部材に身体をぶつけた時のダメージ軽減にも繋がる。格好いいからだけではない、内装デザインの必然というものもあるのだ。



 しかし、この曲線、曲面部分に、布を貼り付けるというのは難しい。素人考えでも、布は伸縮性があまりないから平たいところになら簡単に貼れる。ところが優しい曲線曲面に布が貼ってあったらもっと優しい雰囲気にはなる。だから作る側としてはそれに挑戦するわけだ。特にドア内張り。身体のあたる部分に布を貼る。布の裏打ちには柔らかいウレタンを仕込んで。しかしこのウレタンが曲者だった。内装に湿気と高温は付き物。布は生き残ってもこの裏打ちウレタンがイカれる。するとどうなるか。ババアの腰巻のように情けなく布が垂れ下がってくるわけである。じつに見苦しい。ちなみに「張り天井」というタイプも貼り付ける方式は内張りと同じで、かつコチラは重力との戦いもあるのでさらに過酷。


 これはコストダウンのせいだとか色々言う人が居るが、なるクルマとならないクルマは厳然としてある。まず外車。お約束のガイシャね。筆者のお気に入りE36型BMW3シリーズセダン、クーペの内張りで、剥がれていない個体にめぐり合えたら宝くじに当たったようなもの。ちなみにレザー内装の場合は剥がれにくいです。その前にE36はもはや絶滅しつつありますね。E38型7シリーズ、E39型5シリーズ、E46型3シリーズでも天井剥がれの事例を筆者は確認しています。


 他、ワーゲン、アウディの内張りと天井。ジャガーの天井もかなり弱いです。特にXJは車体形状が薄っぺらなので天井部品はリアガラスを剥がして取り出すので、そりゃもうタイヘン。国産車ではV35系スカイラインの内張りは、レザーにも関わらず浮きます。


 で、そう、これらを直すとなると、一般的にはディーラーに行って内張りなり天井の交換を依頼することになりますわね。しかしてその見積もりはというと、中古車一台買えてしまうくらいの目ん玉飛び出る金額だったりするもんだからさあ大変。じゃあ打ちかえるか、張り替えるか、そんな業者どこにいる、と探して探してやっと見つけても実は張替えにもそれなりにコストがかかる。布以外の部分を再利用するからといって安くなるわけじゃない。さあ困った、いっそのことクルマ買い換えるか・・・と、まぁなりますわね。


 これらの剥がれ、浮きの症状は早いと車齢5年で出てきます。モノを知らない中古車業者がスチーム洗浄機なんか当てちゃったりしたアカツキにはもうテキメン。即剥がれ。やっぱり湿気はダメなんですね。一見綺麗になっているのなんかけっこう怪しい。洗剤つけてゴシゴシしすぎている可能性あるから。納車から一週間で見事に剥がれ始めるなんて冗談抜きでありえます。


 じゃあクルマの内張りの布の手入れはどうしたらいいのか。まず「汚さないこと」に尽きますね。タバコなんか論外。汗もかかないように空調もしっかり効かせましょう。理想は毎日乗って空気の入れ替えして、ちゃんと除湿すること。直射日光を避けるのも大事なので忘れないように。で、もし汚れたら硬く絞った雑巾であまりゴシゴシせずに優しくこするに留めましょう。それで落ちなかったら諦めましょう。汚した自分を反省しましょう。


 あと単純に、見た目、ムリして貼り付けてんなーと思う、見える、そういう形状のものは避けること。今は正常でも将来のことは判らないでしょう。目利き中古車乗りを目指すならそういうリスクヘッジも必要ということね。もちろん新車でも同じ。


 内装は乗っている間ずっと目に触れ肌に触れる部分なので、一点でも綻びがあると気になって仕方のないもの。で、モチアゲるわけじゃないけれど、トヨタ車で浮き剥がれ事案はあまり、というかほぼ見ないんですね。ダッシュボード変形とかモケットの過剰な擦れとかはあっても。







前田恵祐



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