「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

Monthly Talk 201104


01 Apr 2011



3月は忙しい。
年度末ゆえにどの職場においても繁忙のことだろう。
そしてそれはクルマ屋さんにとっても同じこと。
決算と重なり需要が伸びる時期なんですね。
だから、このような時期に私のような者がクルマ屋を訪れては、
新車試乗を依頼することなどできない、できようはずもないわけです。
その証拠に先月は1台も試乗できませんでした。
まぁその前からのストックもなかったし。
そういう月もある。


3月11日に起きた東日本大震災。
神奈川にいる自分には正直殆ど影響は及んでこなかった。
ちょうどあの時期は電車通勤しなくてもいい身であったし、
幸いにというか、自分が住んでいる区は停電対象でもない。
ガソリンは震災直前にフルタンクだったし、次の給油は騒動がひと段落してからだった。
食料も、まぁ買い溜めというか、元々一人暮らし用に日持ちのするストックがあったのと、
足りなければ遠くはない実家まで歩いて(節約ね)食いにも行った。
だからまったくもって傍観者。
ましてや震災後に新しい仕事まで決まった。


ラッキーとしかいいようがなかった。


震災から3週間。


ぼくとつでも気持ちの澄んだ北の人飲み込み、流され、
都会は文明の利器失い、
生かされし者、渦となり、かき乱され、向き合い、天を見上げた。


「それでも天を恨まず」


避難所に身を寄せるある被災者の言葉だと聞いている。
この高潔な言葉を持つ人のもとへ、
何戒める必要があって天はあの高波を遣したというのか。
いくすじも頬伝い、明かりの戻った街に心融かされ、
炊き出しの湯気の暖かさが電波に乗って伝わってきた。
仕事で被災者と電話で話した。
「家、流されちゃいました、でも大丈夫です!」
声の明るさが胸に深く染み入た。


なにが大丈夫なのか。
「生きている」から、大丈夫なのだ。
訛っていて、透き通っていて、そしてなんと力強い言葉だろう。


自分さえよければそれでいい、という状況ではない。
多くの人が救われ、助けられ、生きられる道を模索しているのが今の世の中だ。
それはもしかすると、現代人にもっとも欠乏していたことではなかったか。
ある老人は「津波に我欲を洗い流してもらえばいい」とマイクの前で述べたが、
自分はそのとおりだと思った。
身近でない目に見えない誰かであっても、
自分以外の人のことに想い至らしめながら生きる。
日本人が品格や品位を取り戻す、良いきっかけとなるのではないだろうか。
そうして変われないというなら、
あの黒く冷たい悪魔の水に飲まれ流された人々が浮かばれない。








前田恵祐


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