「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

Monthly Talk 201110


01 Oct 2011



 ついこのあいだ、駅の改札を出たところでその日が母の誕生日だったことを思い出した。しかし最近は駅ナカという便利なものがあって、こうしてフト思い出しても即対応可能だったりする。


 ぼくは目に入ったケーキ屋さんのショーケースの前に立った。


 駅ナカ、であるからして品数は豊富ではないし、あまり凝った商品は置かれていない。ましてやパティシエ常駐なわけもない。でも、アルバイトの店員さんはみんなお揃いのパティシエ風の制服である。


 ぼくは無難に950円のロールケーキにした。


 応対してくれたお姉さんはサッとアイコンタクトして、後ろにいた「もっと」お姉さんは手早く包装してくれた。


「何分くらい?」


 持ち帰りまでの時間を聞いてきた”もっと”お姉さんの声はかなり威勢がいい。ケーキ屋さんとしては。ここで初めて気がつくのは、この「もっと」お姉さんと彼女が着用しているかわいらしい制服がじつにミスマッチなことである。よーく見ると髪型こそまぁ若作りだが、そう、あきらかに若作りなんであって、顔はかなりの「年輪」を刻んでいる。


 しかし、ケーキの包装の早さときたら、これはもうプロである。あきらかにその道の百戦錬磨だ。でも、包みを袋に入れ手渡す時の、


「はいヨ、おまちどう!」


・・・は、マズい。ケーキ屋さん的じゃなさすぎる。というか、彼女はもしかしたら八百屋のおかみさんだったのかも知れない。うん、きっとそうなんだ。商売の何たるかを知り尽くし、そして実は店長っぽい「現役」お姉さんが彼女の八百屋口調に口出しできずにいる風なのも、そうと仮定すれば、年輪、威勢が良すぎる声、ひどい手荒れ、ええ・・・全てに納得がいきます(杉下右京)。


 今、仕事にありつくのは、じつに大変なことだ。10年前、いや、3年前と比べても、確実に仕事は選べない。ま、40前のぼくだからかもしれないが、でも、「おまちどう」とケーキを手渡してくれたおばちゃんなら、きっともっと情勢は厳しかったはずだ。あるいは、どんな面接があり、きっと八百屋の経験を買われて・・・そう思い至ればこそ、不似合いなかわいらしい制服姿にも、さらに納得がいく。


 八百屋さん、不景気で潰れたのかな…おとうちゃんはなにしてるんだろう…


 ええ。細かいことまで気になるのが、ボクの悪いクセ。おばちゃんから買ったロールケーキを58歳になってもなお現役で働く母の、やっぱり手荒れの手に渡す、いまだに親を養えないボクなのであった。












前田恵祐


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