「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

Monthly Talk 201207


01 Jul 2012



 ブ男であればあるほど自分の見た目は気になってしようがないものである。そもそも自分はブ男だと気がつけている時点で相当に見た目に気を使っている証拠である。気がつけるくらいに鏡を見まくっている、ということでもある。そう、実はブ男という人種はコンプレックスと裏腹のナルシズムなのである。ブ男を40年近くやってきた結論だ。


 髪の毛が多すぎる。


 20年前の、なんて贅沢な悩みなんだろう。そう、あの頃はそういう悩みを抱いていたのだ。髪の毛のボリウム、というよりは、そう、額が狭く見えすぎてそれが自分をブサイクにしている、そう思いこんでいた。だから鋏で生え際を後退させる(!!)という行為まで自分で行なっていたほどだ。セルフ剃り込みである。なんて馬鹿なんだ。しかしあるとき生え際のやや頭髪側に小さなホクロがあることに気がついた。


 ま、ホクロだからね。ハゲ爺さんの頭にホクロやイボがあるのを見たことがあるから、まぁ人間の頭皮にはホクロくらいあっておかしくはないんだ、と、その部分においては妙に冷静にコトを受け入れていた気がする。でもこのホクロは露出しない方がいいな、とも思った。鋏によるセルフ剃り込みはそのホクロを一つの目安にするようになった。


 僕の髪型は昔からベリーショート(と、当時は言わなかった)だったりスポーツ刈りだったり、最近ではソフトモヒカンと呼ばれるスタイルになっているらしい。基本的には短い。故にホクロの位置は常に確認できる。ブサイクなのに、長髪にして油ベッタリにしてカッコつけようにも、やりようがない。むしろもっとブサイクが進行すると思っていたからだ。ブサイクなりに潔く髪形のお洒落は無粋というものだというのが僕のささやかなる美学なのでもある。


 セルフ剃り込みをしなくなってどれくらい経っただろう。世間の荒波に多少は揉まれ、年齢も人生の曲がり角にさしかかった。僕の頭髪の量は、というか、生え際の後退具合は、じつはけっこう進行している。それが客観的に証明できてしまうのが僕なのである。なんせ僕には生え際にホクロがある。


 20年前、完全に頭髪で隠れていたホクロは、今はどうなっているかといえば隠れるどころか露出して、現在の生え際より2センチは額側に位置しているのだ。しかも生え際からどんどん離れていく傾向にある。


 僕の日々の日課はこのホクロと生え際の距離の観察である。駅で電車を待っている少しの時間にも携帯の装飾のミラーになっている部分で確認し、トイレで手を洗えば生え際を持ち上げて確認する。寝る前には指先から一つ目の関節を超えていないことを確認し、安心してから床に就く。


 稲垣吾郎が頻繁に鏡を見ると言う話はよくネタになるが、僕のようなブ男が鏡をあまりたくさん覗くというのは、それ自体恐ろしく格好悪いことだ。鏡を見て直したところで大して変わりゃあしねえよ、と、僕もブサイク男が鏡を見入っていたらそう言いたくなるだろう。でも僕の場合はちゃんと理由があるのだ。生え際とホクロの距離を測るという、重大な目的が、である。







前田恵祐


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