「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

Monthly Talk 201209


01 Sep 2012



 少し前、既に引退している小学校時代の恩師と僕を含んだ教え子数名で食事会をした。ちょうど誕生日だったかクリスマスだったかで、なにかプレゼントをしようということになって、迷わず僕は「ユニクロで買おう」と提案した。僕は貧乏でそんなに金が出せないという問題も、それはまぁあったんだけれど、「ユニクロ」の製品が相応しいと僕は思った。


 小柄なおばあちゃんが着用して似合うものを、彼女の半分くらいしか生きていない僕らが選ぶのは結構悩む作業だったが、結局ほぼ僕の一存で、薄ピンクのダウンジャケットとそれにコーディネートした小物を数点選んだ。直感的にこの色、この品がいいと思った。


 「ユニクロ」で買った「ピンク色のダウンジャケット」、である。「もう歳のことは忘れちゃったわ」と仰る恩師にプレゼントするにはちょっと大胆だったが、僕はシミジミしてしまうものよりも、もらって気持ちが華やぐような品のほうが、まず感謝の気持ちを表現するのに相応しいと思ったし、何より意外性に富んでいて、袋から出したとたんに驚いてもらえるようなものの方が、サプライズプレゼントとして効果的だと思った。そしてその結果は想像したとおりになった。


 シミジミしてしまうような、老人に対して当たり前の品を渡すのは、失礼だと思った。「どうぞ老け込んでください」といっているようなものじゃないか。いつまでも若々しく、少なくとも若々しい気持ちで、お元気で、という気持ちを込めたもののほうが、心意気としてはずっと気が効いていると思いませんか。


 僕の父もそろそろ七十歳になんなんという人なんだけれど、それを前に選んだクルマは真っ赤なゴルフプラスだ。もちろん僕の推薦。ゴルフプラスは珍しくて、人と同じものを嫌う親父にはぴったりだと思っていた。何台か中古車の候補を出したところ、紺とかシルバーがほとんど。ま、それも悪くなかったのだけれど、その中で一際目立っていたのはソリッドの真っ赤。


 うちの親父はそう簡単に老け込むようなタイプではなく、昔から好きなジャズやハワイアンを流してはmixiやfacebookをたしなみ、夏はアロハシャツという人だから、ちょっと地味なクルマでもよかったのだが、僕は迷わず、「この赤にしなさい」と言った。すると、本人はあいかわらず軽薄な老人なのだが、何が変わったかというと、弟の息子、つまり孫がこのクルマに乗りたがるようになった。「赤いワーゲン」で彼らは楽しく出かけて歩いているようだ。


 人は常に若々しくはつらつとしていたほうがいい。歳をとると「もうなんでもいいわ」になってしまうが、そこをそうさせないのが若人の一つの務めであると思う。ちょっと考えないような色、ファッション、ちょっと若すぎないかしらというくらいのモードを勧めたほうがいい。これは僕の感覚、センス。身なりを気にかける、清潔にする、洗練する。老人にとって大事なことなんじゃないだろうか。


 カローラアクシオやノートメダリストで人生の秋、というのも悪くはないかもしれないが、ここはひとつパステルカラーのデミオやフィットで、まだまだ春爛漫と行くのもまた人生。それを臆することなく提案していくのもこれからの老人社会には必要なことだと僕は思う。










前田恵祐


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