「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

Monthly Talk 201303


01 Mar 2013

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 新入社員がうざったい時が往々にしてある。それもまったきの新人ではなく、中途で入ってきたようなキャリア採用のようなタイプだ。むろん会社も彼もしくは彼女のキャリアを見込んで即戦力として雇ったわけである。しかしどうにも空回り。受け入れる側も「面倒なのがやってきたな」と煙たがるわ、それを察知した本人はさらに頑張ろうとアクセルを踏むからタイアはズリズリでまともにグリップしていまい。


 そう、本人はいたって頑張ろうとしている。負けちゃいけない、自分がデキることをここで証明しなければと、貪欲である。そして自負がある。これまでやってきた、培ってきたものを活かして、会社に、職場に貢献していこう、行ける、という自負である。その自負でグイグイくる。しかしこいつがいたってうざったい。「もうわかったよ」といいたくなる。そのズレ、気持ちの落差のようなものに中途新入社員は苛まれていく。僕も今までこうした例に幾度となく遭遇してきた。


 キャリアが長ければ長いほど自負のほどというのは強い。あるいは大きい。積み重ねてきたものの大きさは、それは自分にとってきわめて重要な人格形成の要素だから、その大きな積み重ねによる成果物にどんどん拠って立つことになる。そしてこの会社に入れたのもその成果物があってこそ、というのが自負の根拠だからさらに拠って立つ。もっといえばまわりからうざったがられていても自分には成果物があるからやっていける、と、さらに拠って立つ。こいつが中途新入社員の嵌るドツボだ。


 言い方を変えれば、中途新入社員は「オレ様」なのでもある。オレ様の職業人生、オレ様の実績、オレ様の実力・・・この独り善がりな下意識が厄介なのだ。これは職場の人間関係が解決してくれる問題ではないし、孤立しコミュニケーションが極端に少なく偏りがちな中途新入社員にとって「気がつく」のはたいへん至難の業だ。


 企業の中で組織立って仕事をしていく上でいかに自意識を殺して"ガラガラポン"に"シャンシャン"と仕事をしていくかは重要なファクターだ。ただでさえそうなのに、さらに厄介な「下意識」に翻弄されている人間がまわりとうまくやっていくまでにかかるエネルギーや時間の浪費は極めて大きな損失といわざるを得ない。最悪、この問題を解決できずに短い時間で職場を去る中途新入社員も少なくないことをいくつかの事例で僕は知っている。


 企業からキャリアや実力を認められ中途採用されることはたいへん光栄なことだ。しかしその喜びのようなものは、採用通知を受け取ったらすぐに丸めて投げ捨てるくらいの気持ちでないと中途採用は、本当の意味で生きていけない。と同時に、雇う側もそのこと、その構造、仕組みをよくわかっていないとなかなか成功には結びつかない。しかし「オレ様」を簡単に服従させるのもまた至難の業である。


 転職というのはかくも「至難の業」なのだ。職探しもそうなら、職が決まってからも試練が待ち構えている。しかしその構造、仕組みさえよく飲み込めてしまえば面白いように人生が開けてくる。この「開き」こそが、本当のキャリアアップというものではなかろうか。





前田恵祐


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