「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

Monthly Talk/01 Mar 2015



 僕は子供の頃から悩みの尽きない人間だった。子供の頃からアレルギー持ちで、今で言う花粉症とはすでに四十年近い付き合いになる。たとえばこの花粉症も当時はそんな呼ばれ方はしていなくて、毎年春に訪れる目のかゆみ、鼻水、くしゃみ、しかもひどいことに顔が腫れ上がることだってあったから、外に出たくもなくなり鬱々とした日々を送ることになる。今は本当にいい薬も出来たし対策グッズもあって昔よりはるかに花粉症と付き合いやすい。


 中学に上がると今で言う不登校になった。当時は登校拒否と呼ばれたけれど、今なんかよりずっと「少数派」で学校に一人いるかいないか、というレベルだったと思う。僕は著しく人見知りだったから、新しい環境にはなかなか慣れることが難しい。だからストレスが溜まって学校に行きたくなくなったんだと思う、今にして思う。むろん今はその極度だった人見知りな自分を理解把握しているからずっと生きやすくなった。


 しかし、花粉症だった幼少期、不登校になった思春期、ともになにがしんどかったかといえば、やはり悩みを抱え塞ぎ込むことであって、それはつまり「孤独感」だったと思う。同じ悩みで苦しんでいる人が世の中、他にもたくさんいるんだ、と思えることがささやかな生きる勇気になる。しかしそれが成ったのも情報化社会、インターネット社会になったごく最近のことだ。具体的にはお悩み相談サイトや、知恵袋某などにアクセスすると膨大な「悩み事」に遭遇することができる。


 あるいは、この情報化インターネット社会にあっても、自分の悩みは自分固有のものだと思い込んでいる人がたくさんいるということである。ときに自分もそうかもしれない。悩んでいると、落ち込んでいると、不思議と周りにいる人や社会世間の皆が皆悩みとは無縁で明るくイキイキと生きているように思えてくる。他人の悩み事が、まったくもって他人事になってしまう。心が硬直し何かを受け入れる能力が失われるのだろう。だからアドバイスも効かない。


 ごく最近僕は肩甲骨の内側の筋肉がモーレツに痛むという症状に襲われた。ときに右腕の神経にも響いてくる。たぶん寝違えたのが原因なのだが、自分でナニをやっても痛みの元に届かない。それくらい内側にある。こうなるとどうにも考えが内向き内向きになっていって、もしかしたら内蔵が悪いのかもしれないとか思い込んでしまう。ネットにもそんなことが書いてあったし、まあリスクヘッジとしてそれくらいのことは考えておいたほうがいざって時に冷静ではいられるわけだけれど。


 簡単に言えば、考えていないで病院や整体にかかればいい話だ。医者に診てもらって痛み、というか、悩みの正体をハッキリさせれば済むことである。しかしそれをするまでに5日を要した。この5日間、痛みをなんとかしようと無知なストレッチを試みたり、それこそネットで調べたり、しかもこの痛みが首の角度腕の角度、それぞれ決まった角度で出てこず神出鬼没なため、余計にヒステリックにもなった。こういう時の心境はじつにもって暗中模索、トンネルの中。悩みとはそういうものではあるまいか。


 で、近所に出来た小奇麗な整骨院に赴く。斯く斯く然々、症状を伝えると、整体師はこう言った。「ああ、寝違えでしょう?腕にもビンビンきちゃうヤツですよね?ちゃんと治りますから。皆さんそれで来院されますよ」。施術前、痛みは解決していなかったが、悩みは解決して、それだけでラクになった。トンネルの出口が見えた気がした。施術を受け、その一回では治りませんよと言われて内心(再診をいたずらにあおっているな)とも思ったが、それはそれで受け入れることにし、次回の予約を取った。


 悩みを抱えるとその悩みが「一生続くんじゃないか、ずっとこのままなんじゃないか」と思い込んでしまうのもいけないところだ。この肩甲骨の痛みも、このままずっと持病になって一生続くんじゃないかと暗澹とした気分に、なんというか、自分を導いてしまうようなところがあったようにも思う。悩みを深めるのは、行動を起こさずグズグズと考えてばかりで燻っていることだ。文字通り今回は医者が解決してくれた。


 むろん簡単には解決しない悩みや病気もそれはあることだろう。しかし、人類何万年だか何億年だか知らないが、歴史を重ねてきて、たかだか人間の病気や悩みの種類なんて知れたもの、それくらいに思っていたほうがいいんじゃないだろうか。それなのに「自分だけ」とか「孤独」とか思い込もうとしてしまうのって何なんだろうね。悩みごとは尽きないし、なんども繰り返すのになんで気が付けないんだろう。



 僕だけなのかな。





前田恵祐
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