「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。

【映画評】さらばあぶない刑事



総合評価:☆☆☆☆(1/5)


 かつてのあぶない刑事のよさは、何も考えずに、くだらないけど面白くて格好良い、そんなところにあったと思う。だから、刑事ドラマ、刑事映画というよりギャグドラマ、ギャグ映画で十分にそれでよかったし、それ以上のものを求めたらまた違う物になってしまうことがわかっていたから求めたりもしない、そういう作品、そういう商品だったと思う。クルマで言うならただのカッコツケ、カリーナEDかせめていすゞピアッツァくらいのものだと思っていいだろう。汗みどろになってソアラを追求した日産レパードでは、断じてない。


 前作あたりからあぶない刑事は「加齢」を言い訳というか、ネタにしすぎるキライがあると個人的には感じている。身体が動くなら素直に動かせばいいし、劇中「きっつ(ぃ)」と柴田恭兵は発してはいたものの、番宣でプライベートで草野球をやっている一件をバラしてしまっているし、事実上そんなにきつそうには思えない。素直に「還暦過ぎなのにスゲえなあ」これでいいんだと思う。そこに加齢の問題をもちだしてしまうと、なんだかハナシがヤヤコシくなってしまう気がするのだがいかがか。


 舘ひろしが賢い動物(?)になりすぎてツマラない。舘はセリフも覚えないしシチュエーションも理解せずに芝居をする大根役者だったから、それを覆い隠すためにハードボイルドな不器用さをウリにできるというある意味「ウマみ」のある役どころだったのに、柴田のアドリブにも難なく応ずることなんかができちゃったりして、あの、柴田の突然の変化球に内心バクバクしている舘を楽しみにしていたオールドファン(?)の楽しみは半減したといっていい。舘=タカはハナにつく成長をしてしまった。


 ハナにつくといえば浅野温子だろう。むかしからあんなにウザい役どころだっただろうか。もっと内面の繊細さを秘めたミステリアスさもあったし、素直にもっと「イイ女」だった。それで十分だったのにあのコスプレ、あのこじらせっぷり。ストーリーとして舘や柴田(あるいは製作陣)が原点回帰をスローガンとしていたのに、カオルだけがなんだか浮いていたような気がする。イイ女なのにはっちゃけてる、のがいいのかもしれないが、もはや単なる中高年じゃないか。


 イイ女の現代版とも言うべき、タカの恋人役としての菜々緒はなかなか良かったと思う。あっけなく殺されてしまってタカに対して最後まで良い余韻や彩りを与えきれなかった、そういう使い方ができていなかったところは非常に残念。役者、タレントとしては、個人的に菜々緒のポテンシャルは高いと思っているので、菜々緒の「ダシの取り方」には大いに不満あり。


 本来、F31レパードを再登板させるくらいならもっとドラマの本筋に関わる重要なポジションに据えるとか、せめて「いい女」菜々緒とコラボさせるとか、やりようはあっただろうに、ここも、ただ「筆者の試乗コース(笑)」をただ走っている姿を捉えてそのまま垂れ流すだけという使い方に留まるなど「使いきれていない」感タップリ。せっかく持ち出すレパードならもっとキレイに撮るとか、存在感を際立たせるとか。柴田のセリフの中に「レパードまで用意して・・・」と初めて「レパード」という固有名詞を登場させる程度では到底物足りない。


 吉川晃司の悪役に関しては、普通にワルそうに映っていたし、ホンニンもその役を難なくこなしている感があったのでとくにコメントなし。


 製作陣はいろいろ考えてつくったのだろうが、あの頃の名作に負けじと考えすぎてあらゆるところに「言い訳」が見え隠れして、ストレートな面白さが感じられない。キモチ良くない。そこがあぶない刑事らしくなくて本当にもったいなかったと思う。役者も備品(パトカーとか)もいいものをちゃんと揃えられたしその意味では視聴者の期待に応じようとした成果もあるといえばあるが、映画というのは理屈ではない。むしろその理屈を感じさせない後味の良さこそがあぶない刑事のような娯楽映画のあるべき姿なのではなかっただろうか。



日産グローバル本社ギャラリーにて。(以下同)












恭サマと間接握手!w















2015.2.3(記)
前田恵祐

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