「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

#002 起爆剤

ホンダ・インサイト~試乗インプレッション(2009.6)

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~ 試乗記の読み方 ~

 この試乗記は筆者による個人的な印象記に過ぎず、ここに記された内容は必ずしも読者が実車から抱く感想と一致しない場合があります。人間にはそうした個人差、個体差があるものなのです。それが俗に言う個性であり多様性と言い換えてもいい。故にこの試乗記を鵜呑みにしてはいけません。車両購入の際には必ず購入者自ら実車に触れて検証と確認を怠らず、購入者が主体性を持って車種選定の判断を行うことが原則です。したがって・・・

買うときには自分で試乗して確かめる
筆者の言うことに左右されない
自分がいいと思ったものを購入する

・・・これらのことは最低限です。当たり前のことですが、それができない人が多いようです。この試乗記は指示書でも教科書でもバイヤーズガイドでもなく、購入者に試乗の手間を省かせる目的のものではありません。だとしたら何者であるかというと、クルマを「検証する手法」の提示をしているに過ぎません。しかし、その検証の手法、いわゆるモノサシというものがかなりブレているのが今の世の中、今のユーザーのように筆者には見受けられます。そこで、「私ならこのように確かめる」という意味合いでこのような記事の掲出を行っているもの、とご認識いただきたいと思う次第です。


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 2009年、トヨタをホンキにさせた張本人。ハイブリッドカーというキーワードにおいてプリウスと同じカテゴリにあることに違いはないが、実のところサイズが違うし搭載されるエンジンの排気量も違う。そもそもハイブリッドシステムへの考え方自体が違う。そう考えると本当のところ好敵手といえるのかどうか疑問がないではない。



 概観

 実寸はフィットよりほんの少し大きいという程度。以前のシビックと同じくらいと思えばいい。日本ではこのサイズが圧倒的に使いやすい。道の広さからなにから、基準は5ナンバーという気がする。


 5ドアハッチスタイルは「あっち」と同じであり、実際にもイメージが似通っている。空力的処理の観点からこれが今のところベストということなのだろうが、もうひと工夫、ふた工夫あってもいい。とおりいっぺん。



 インテリア

 軒並み枠越えする昨今の新型車の中にあってはっきり狭いという印象だが、これで十分といえば十分。むしろ手に収まりやすいことの方を、長く付き合えばありがたく思えるはずだ。


 安っぽいという声もあるがこれはこれでいいと思う。色使いもちょっと欧州的。安っぽい素材を敢えて隠そうとしていないところも欧州的。フィアットあたりがやりそうなインテリアだ。




 ピラーもいたずらに太くなく前方視界は明るいがボンネットは当然スラントしていて見えない。実寸の絶対値がさほど大きくなければそれも気にすることではないかなと思う。後方視界は、テールガラスの折れ目に入っている横棒が目障り。新旧プリウスも同じだが、インサイトのほうがややマシ。後続車のパッシングやウインカーなどの意思表示を見落としそうな気がする。




 運転席はがっしりとサポートし、山岳路でも不足を感じなかった。固めのクッションと腰のサポートがとりわけすぐれていて、長く座ると良さを感じられるタイプ。ここも欧州的。フレームは他車からの流用かな。リアシートは窓の下端も高く子供には閉塞的であろうし、大人には天井が低くスタイル空力の犠牲となる。スペースそのものは過不足を感じないが。




 ごらんの後方視界。トランクは寝かされたリアウインドウのおかげで高さも稼げており、またバッテリーもかなり薄くなっているからその影響も皆無。ましてや床板を一枚落とせば深さを稼げる。



動力性能

 操作系もごく一般的なガソリンエンジン車と同じに設えてあるし、走りも、基本的には同じ。1.3リッターエンジンを積む小型車として常識的な走り。後述する山岳路でもストレスなく回り、パワフルでこそないが良く走る。違和感が少ない。プリウスは低中速時のもたつきが気になる。


 インサイトで気になるのはアイドルストップ。もともと電気だけでは走らないシステムだけに、エンジンが止まると走り出すにはエンジンの再スタートが当然必要であり、時としてその反復、繰り返しが煩わしいシーンもある。ゴー&ストップの渋滞時などだ。たしかに再スタートのレスポンスも限りなく早めてあるのだが、明らかにラグはある。加えてヒルストップを備えないため傾斜地での発進ではサイドブレーキを併用したくなる。しかしこれはヒルストップを備えれば一気に改善できること。


 100km/h時の室内騒音は66デシベル。無音ではないが充分に静か。


 高速3割、一般路(渋滞含む)4割、山岳路3割を普通に踏んで走っての満タン法燃費は20.1km/L。ECONモード不使用。




 峠を走った後。優秀でしょ?
 このときのメーター内燃費計は22km/L。



足回り

 おそらくやそれ相応に燃費重視のアライメントやタイアをチョイスしているであろう足だが、やや硬めではあるもののおおむねフラットで個人的にはそんなに悪くないと思った。


 ステアリングは軽く、山岳路をスポーティに行くには手ごたえはもっとほしいところだが、そう感じさせるほど軽快に駆け回ることができる。ロールはするが接地感もあり経済性重視のタイアが懸命に食いついている様子がわかる。この種のものとしては充分以上。ストレスのない身のこなしは長距離ドライブの資質を上げる。



まとめ

 1.3リッターエンジンをつむ今時の小型乗用車として考えると、ややデザインがさびしく、リアシートの天井が低く、発進時のエンジン再スタートが気になり、山道では意外に軽快で、静かで、シートもいいから長距離も難なくこなせる。そして燃費もいいからさらに航続距離は伸びると。


 そう考えると悪くない。調度も、そらプリウスを引き合いに出せば負けるがこれはこれでシンプルだしクルマとしての出来もまあまあだから質実剛健と取ることも出来る。


 問題は中型乗用車として出てきた新型プリウスに対し、こちらは小型乗用車でありながら、実は値段がモロにカブっているということか。でも、新型プリウスが個人的にはけっこう期待はずれだった筆者にとっては敢えてこちらを採るのも一興かなと思える。



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ご留意ください
この試乗記は貴方の試乗を代行するものではありません。
感じ方や考え方には個人差があります。
また、製品は予告なく改良される場合があり、
文中にある評価がそのまま当てはまらない場合もあります。
購入前にはぜひご自分で試乗をしてよくお確かめください。









前田恵祐


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