「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

#005 海外での評判が気になる

日産キューブ 試乗インプレッション(2008.12試乗、2009.6再上梓)

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~ 試乗記の読み方 ~

 この試乗記は筆者による個人的な印象記に過ぎず、ここに記された内容は必ずしも読者が実車から抱く感想と一致しない場合があります。人間にはそうした個人差、個体差があるものなのです。それが俗に言う個性であり多様性と言い換えてもいい。故にこの試乗記を鵜呑みにしてはいけません。車両購入の際には必ず購入者自ら実車に触れて検証と確認を怠らず、購入者が主体性を持って車種選定の判断を行うことが原則です。したがって・・・

買うときには自分で試乗して確かめる
筆者の言うことに左右されない
自分がいいと思ったものを購入する

・・・これらのことは最低限です。当たり前のことですが、それができない人が多いようです。この試乗記は指示書でも教科書でもバイヤーズガイドでもなく、購入者に試乗の手間を省かせる目的のものではありません。だとしたら何者であるかというと、クルマを「検証する手法」の提示をしているに過ぎません。しかし、その検証の手法、いわゆるモノサシというものがかなりブレているのが今の世の中、今のユーザーのように筆者には見受けられます。そこで、「私ならこのように確かめる」という意味合いでこのような記事の掲出を行っているもの、とご認識いただきたいと思う次第です。


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 日産の屋台骨を支える魅力的な小型車のひとつ。台数が多く見逃されているようなところがあるが、じつは単体で見るとこのキューブというクルマ、なかなか見所の多いクルマだと思う。これだけバラ撒かれても少しも厭味がなくそれでいて独自の立ち位置を見出せていることは、じつはとても得がたい。



 概観



 先代から左右非対称デザインを採用し、スクエアでキュービックなデザイン。先代はつぶらな丸目がキュートだったが今回はサイズも大きくなり大人びた。それはターゲットとする年齢層を拡大する思惑も秘められているのだろう。この点はスタイリングだけに留まらない。また、海外への輸出もこのモデルから始まっており、そのことも影響しているようだ。日本で使うにはこのサイズまでがベスト。



インテリア

 ビームスあたりをイメージさせる先代のインテリアは個人的にとても好きだった。色使いもクルマの内装然としておらず図抜けていた。初期のこげ茶のニットや中期以降の赤、あるいはグリーンを取り込んだものなど本当に良かった。そこからするとやや平凡な現行型ではあるが、やはりこの点でも層を広げているという感じであり、そしてちょっとリッチですらある。




 スペースに関しては書くまでもないだろう。外から見たまんまの広さがある。期待は裏切らない。


 シートのすわり心地のよさは先代からの継承物で、とてもいい。ふんわかしているが芯がしっかりとしていて型崩れしないし沈みすぎない。もっちりとしていてちょっとルノーのようだ。




 こういうところもちょっとリッチ。



動力性能

 HR15は先代中期以降に採用され、ほかにもノートやティーダにも使用されている汎用機。特別パワフルでも滑らかでもないが、CVTとの協調も良く、静かに、目立たず、それでいてなんの痛痒もなく黒子に徹した仕事振りは目立たないがじつは評価すべきこと。低速からフラットに発揮されるトルク特性もいい。



足回り

 以前からこのスタイルのわりに機敏な動きが出来たキューブだが、今回はさらなるアップデートが見られる。まず騒音や振動がかなり抑えられている。価格が多少なりとも上昇しているから気を遣うべきところであっただろう。静かであり、フラット、そしてまろやか。加えて言うならしなやかでもある。


 足が素直に凹凸に対応し、時としてばねのしたたかさも感じる。無用にロールを感じさせない。それはロール剛性を強めるのではなく、ロールセンターや重心位置を充分に検討した結果、ロールはするがグラリとは来ないように設えているのであり、そのため足を無用に突っ張らなくても軽い身のこなしを可能とした。同時にすぐれた乗り心地を実現したのでもある。


 これはちょっと高等なセッティングで、シートと並んでルノーを思い起こさせる。


 加えてステアリングは比較的正確さをもっており、やや軽すぎる嫌いはあるがパワーステアリングも自然なほうだ。そして昨今の日産車に共通する美点はこのクルマにも当てはまり、それはブレーキの効き味がダイレクトでペダルの踏み応えもしっかりとしていて安心感が高いことだ。


 総じて、この種のものとして、走りに関する設えにはかなり手をかけているなと感じられた。



まとめ

 ありていだが、小型車だからといって我慢を強要されるところがない。シーマと同じとは言わないが、これに乗り換えたからといって「みみっちいな」と思わされることは少ないだろう。その理由はすぐれたデザインにあると思うし、身に着けたクォリティでもあるだろうし、また質の高い走りや乗り心地にも拠っているだろう。


 小型量産車を作るにあたってメーカーは出来るだけコストダウンしようと努力するわけだが、このクルマにはその痕跡があまり見えない。どの部分を切り取っても「手抜きをしていないな」と感じさせるかなりの力作だと思う。そうした点においてもどこかヨーロッパ車的な仕上がりなのだ。


 このクルマが海外でどんな評価を受けるのか楽しみだ。



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ご留意ください
この試乗記は貴方の試乗を代行するものではありません。
感じ方や考え方には個人差があります。
また、製品は予告なく改良される場合があり、
文中にある評価がそのまま当てはまらない場合もあります。
購入前にはぜひご自分で試乗をしてよくお確かめください。









前田恵祐


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