「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

#007 コンパクトBMW

BMW 116 i 試乗インプレッション(2008試乗、2009.6再上梓)

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~ 試乗記の読み方 ~

 この試乗記は筆者による個人的な印象記に過ぎず、ここに記された内容は必ずしも読者が実車から抱く感想と一致しない場合があります。人間にはそうした個人差、個体差があるものなのです。それが俗に言う個性であり多様性と言い換えてもいい。故にこの試乗記を鵜呑みにしてはいけません。車両購入の際には必ず購入者自ら実車に触れて検証と確認を怠らず、購入者が主体性を持って車種選定の判断を行うことが原則です。したがって・・・

買うときには自分で試乗して確かめる
筆者の言うことに左右されない
自分がいいと思ったものを購入する

・・・これらのことは最低限です。当たり前のことですが、それができない人が多いようです。この試乗記は指示書でも教科書でもバイヤーズガイドでもなく、購入者に試乗の手間を省かせる目的のものではありません。だとしたら何者であるかというと、クルマを「検証する手法」の提示をしているに過ぎません。しかし、その検証の手法、いわゆるモノサシというものがかなりブレているのが今の世の中、今のユーザーのように筆者には見受けられます。そこで、「私ならこのように確かめる」という意味合いでこのような記事の掲出を行っているもの、とご認識いただきたいと思う次第です。


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 今更の感もある1シリーズにやっと乗ることが出来た(しかも2008年12月です)。BMWとしてはアルファ147にぶつけるためのモデルという旨だが、こちらの強みは後輪駆動であるということだ。コンパクトなサイズ(いまや幅1.7メートル超だが)でFRというだけで貴重である。



 概観

 旧Z4クーペにも通じる丸いラインが特徴だが少々筋肉質か。残念なのはBMらしい上品さやスマートさが失われた代わりの”何か”が見えにくいことだ。キュートにしすぎてしまうとMINIとかぶってしまうし、難しい。




 サイズは全長4240mm×全幅1750mm×全高1430mm、ホイールベース2660mm(ハッチバック)。


 あと一回り小さければ、というのは個人的な感想であり、好み。それでも今の3シリーズに比べても充分小さく、手に余らず身体に馴染むという重要な事柄を満たしている。



インテリア

 スペースは充分。横方向はちょうどE46型3シリーズあたりと同じくらいの余裕と感じた。ウエストラインが高く、子供や背の低い人にとってはやや閉塞感を感じるかもしれない。天井は丸く高く、座高の高い筆者にとっても余裕のスペースだ。




 広すぎないことで身体に適度に馴染むスポーツウェアのような感覚があり、それはクルマの大きさを掌握しやすく、同時に機敏な走りの助けにもなる。助手席側のミラーが近い。遠いほうがいい車もあるが、このクルマにとっては近いことがメリットだ。


 試乗車116iの調度はいつものBMの内装といった雰囲気。オプションで革シートや本木目仕上げのフィニッシャなども用意されているが選択は比較的自由でオーナーの好みを反映できる。ただしその場合納車まで半年かかることもざらのようだ。




 トランクが比較的深くスクエアに掘られていて比較的広いと感じた。



動力性能

 1.6リッターのオートマチックで1.4t級の車体を引っ張ると考えればおのずと動力性能に過度な期待はできなくなるが、実際に乗って見ればそれが杞憂とわかる。


 むしろこの1.6リッターは軽快に回ると同時にボトムから平均的に充分以上のトルクを提供し続け、しかもトップエンドまで淀みなく上り詰めてみせる。振動も少ない。たいへん柔軟性に富んでおりどの領域からも軽やかに立ち上がる。同時にスムーズで回す楽しみさえも達成している。これは本当に素晴らしいと思った。


 同時にこのエンジンを助けて余りあるのは6段ATで、これのレスポンスが過度でなく鈍でもなく、適切というほかない。


 車体は充分に重いがそれをミニマムのキャパシティしか持ち得ないエンジンを効率的に回して軽快に気持ちよく走らせるというスタイルはいかにもBMWだ。MT好きの筆者からすれば、このエンジンにマニュアルギアボックスを設定してほしい。しかしそうでなくても充分以上に楽しめ、同時にどんなシーンでも快適であり続けるだろう。スムーズで思い通りに回るエンジンでのドライブは疲労も最小限なのだ。


最大出力/トルク:115PS/15.3kgm
車両重量:1370kg




 フロントミッドマウントの1.6リッター。いい仕事をする。




 トランク床下のバッテリー。



足回り

 太いグリップのステアリングホイールにはグイグイと路面からのフィードバックが伝わる。そのステアリングギアレシオはクイックで街中の交差点をコーナーリングするだけで充分に楽しい。ダイレクトでありステアリングの保舵力は重めだがそれはそれだけの遠心力を受けながら曲がっているのだとするメッセージだ。個人的にはもう少し軽いほうが好み。




 足は充分なしなやかさとしたたかさを両立しており、同時に車体の重さは恐らくフラットな姿勢を作り出すことに好作用していると思われる。無用な姿勢変化は排され、味気ないくらいに「いい仕事」をしてくれるが、しかしそれがドイツ車というものだろう。ただし、ロードノイズをもう少し抑えたほうが長距離での疲労は軽くなりそうだ。タイアはRFT。



まとめ

 デザインや内装の星が少なめなのは、あくまでも好みの問題。寸法や走りの機能、質感の面で言えばひとつの理想形であり完成系だ。


 足回りの良さは言うの及ばず、とくにエンジンとトランスミッションの完成度が極めて高い。内外装の好みが合致しなくても、このエンジン・トランスミッションの良さだけで選んでもいいかなと思わせるものがある。ましてやサイズも手ごろで手肌に馴染む。助手席のずっと向こうでタイアがゴトゴト言っている現行3シリーズの存在がちょっと霞んでしまいそうだ。


 ただひとつ気になる点があるとするなら、もう一歩環境面への配慮が明確に見えるとさらに魅力が増すだろう。



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ご留意ください
この試乗記は貴方の試乗を代行するものではありません。
感じ方や考え方には個人差があります。
また、製品は予告なく改良される場合があり、
文中にある評価がそのまま当てはまらない場合もあります。
購入前にはぜひご自分で試乗をしてよくお確かめください。









前田恵祐


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