「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

#011 お勧めはエレガンス

メルセデス・ベンツ C200コンプレッサー (2008試乗、2009.7再上梓)

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~ 試乗記の読み方 ~

 この試乗記は筆者による個人的な印象記に過ぎず、ここに記された内容は必ずしも読者が実車から抱く感想と一致しない場合があります。人間にはそうした個人差、個体差があるものなのです。それが俗に言う個性であり多様性と言い換えてもいい。故にこの試乗記を鵜呑みにしてはいけません。車両購入の際には必ず購入者自ら実車に触れて検証と確認を怠らず、購入者が主体性を持って車種選定の判断を行うことが原則です。したがって・・・

買うときには自分で試乗して確かめる
筆者の言うことに左右されない
自分がいいと思ったものを購入する

・・・これらのことは最低限です。当たり前のことですが、それができない人が多いようです。この試乗記は指示書でも教科書でもバイヤーズガイドでもなく、購入者に試乗の手間を省かせる目的のものではありません。だとしたら何者であるかというと、クルマを「検証する手法」の提示をしているに過ぎません。しかし、その検証の手法、いわゆるモノサシというものがかなりブレているのが今の世の中、今のユーザーのように筆者には見受けられます。そこで、「私ならこのように確かめる」という意味合いでこのような記事の掲出を行っているもの、とご認識いただきたいと思う次第です。


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 かつての190Eからの系譜をバックグラウンドにもつサルーン。Cクラスとなって今回で3代目。3ボックス(ステーションワゴン)のこの車型は今難しい。クルマの王道であった地位は過去のもの。モノスペースやクロスオーバーにその座を奪われようとしている。


 2008年9月にC200ワゴン・コンプレッサー・アバンギャルドに一日試乗。
 同時期にC200セダン・コンプレッサー・エレガンスに短時間試乗したものの再録です。



 概観



 ライバルのBMW3シリーズの全幅が1800ミリを大きく上回ることに対して、こちらは1770ミリでまとめてきているのは良識的と映る。しかしそれでも充分にデカい。かつての格調や品格を取り戻そうとしているのか、先代の若々しさはやや後退した。



インテリア

 プラスチック素材の安っぽさが気になった。いちおうメルセデスの文法に沿ったデザインや仕立て、ロジックを持つが、ナビの操作ロジックには1日の試乗中、ついに最後まで馴染めなかった。




 シートのつくりは依然として信頼感のあるもので、疲労は最小限だし表面素材も滑りにくくかといって引っかかることもない機能性重視。アジャスト幅も大きくどんな体型にも対応しようというあたりはあいかわらずだ。




 ステーションワゴンの荷室は広さと外観の見た目からの要求を折半した印象で、広大ではないが狭くもない、しかし大型犬には窮屈だろうというもの。




 不躾棒のようなものは気にしないでください。




 セダンにはトランクスルーも備わる。



動力性能



 1.8リッター4気筒+スーパーチャージャーで184馬力ある。その数値よりどの領域でも素直に反応し余裕を持った動力性能で後押ししてくれる安心感がいい。5速オートマチックはいまや枚数が少なめではあるものの、作りなれた手練さがあり、しかもこの過給エンジン特有の息の長い滑らかな加速をうまく引き出していて、その立ち振る舞いはエレガントですらある。



燃費

 1日290キロ弱の走行距離の中で高速4、山岳3、一般道3の割合で走り、高速は流れに乗り、山岳ではやや負荷をかけ、一般道では普通に休日渋滞にはまったという内容だったが、満タン法で1リッターあたり11.2キロ走っていたのは、重量1.5t、184馬力の過給エンジンとしては立派だと思う。(ワゴン・アバンギャルド)


騒音

 東名高速を時速100キロで走行したときの平均的な値として67デシベルをいう数字を得ているが、ロードノイズをコントロールし切れていないし細かな振動も残している。まして後席では荷室のこもり音が耳に障る。改善の余地がありそうだ(以上ワゴン・アバンギャルド)。ちなみにセダン・エレガンスはタイアも細く静かであり、この分野でより良い結果を得たかもしれない。



足回り

 先の振動騒音においても感じたことだが、ワゴン・アバンギャルドは改善の余地があると感じた。一言で言うとダンパーの動作精度が大味すぎてフラットさに欠けるし、ステアリングの入力に対するリニアなレスポンスも得られていない。切る、一拍遅れる、ハイグリップタイアのため反応し始めると予想以上にシャープ、という三つの段階を踏む。とても快適ではないし、山岳路も積極的に楽しもうという気にはなれなかった。タイアとのマッチングも改善したほうがいい。


 これに対してセダン・エレガンスの足回りはとても素直で馴染みやすい。ステアリングレスポンスもリニアで自然だしアシもしなやかでフラット、きわめて快適。無論、疲労も格段に少ないはずだ。スポーティでこそないがこれぞメルセデスという仕上がりになっている。


 最近のメルセデスはBMWのあの機敏さに憧れているようなところがあるが、不得意というコンプレックスはさっさと捨てたほうがいい。得意分野で堂々と勝負すべきだ。




 知っている人は知っているでしょう。初代「いつもの山坂道」です。



まとめ

 どれも平均点でそこそこそつなく出来ているのはアバンギャルド以外のモデル。もしかするとアバンギャルドも年次改良で人知れず改善されている可能性はあるが、だとしたら「欧州車は登場からある程度時間がたって(熟成がすすんで)から買ったほうがいい」という定説はまだ生きていると思ったほうがいいだろう。

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ご留意ください
この試乗記は貴方の試乗を代行するものではありません。
感じ方や考え方には個人差があります。
また、製品は予告なく改良される場合があり、
文中にある評価がそのまま当てはまらない場合もあります。
購入前にはぜひご自分で試乗をしてよくお確かめください。








前田恵祐


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