「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

#029 耐久性に感服



トヨタ・スプリンター E-AE100 中古車インプレッション(2009.10)

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 愛車MR2のスタビブッシュ、リンクの交換を依頼した時に工場から出してもらった代車がこのスプリンター。平成4年製、10万キロ走行でクタクタになっているかと思いきや・・・



 概観

 当時のカローラと完全にデザインが異なるのにこうも印象に違いがないというのも・・・当時の販売政策上の問題ではあったが、カネがかかっていたことはたしか。





 視界がいいこと、ミラーが見やすいこと、塗装のヤレがごく少ないこと。当たり前のようだが他ブランドを知っていればいかに貴重なことかが身にしみてわかる。実用車として大事なこと。


インテリア




 広いとか狭いとかいうより、普段着感覚というか、実家のリビングのような親しみやすい居心地。スプリンターはカローラよりちょっとルーフ低くてリアのヘッドルームがミニマム。


 コンソールのフタがなくてむき出し。代車っぽい風景。しかしそれを除くとコスト高であるソフトパットのダッシュボード表面はいまもって柔軟性を保っており、ありがちな変形やめくれもない。やはりここもヤレ最小限。ハンドルはさすがにツルツルになっているが、グリップの太さや断面形状はBMWのようによく考えられている。





 多少汚れているが座ってみれば新車のときと違わないんではないかな、というくらいしっかりとした坐り心地を維持している。この車で一番感心した部分だ。布の破れや剥がれもない。たっぷりとしたサイズでゆったり坐る。時代を感じさせる。





 プッシュ式ヒーターコントロールとダイアル式で無段階に限りなく近い(微妙にノッチがある)ブロアのコントロール。カネかかってるなぁと思わされる瞬間。むろん、いまもってエアコンの効きも一切問題なし。



エンジン・トランスミッション

 エンジンは1.5リッター、ハイメカツインカムEFIエンジン。年月ゆえのイヤなクセや振動、異音も出ていない。元来、特別に静かでも滑らかでもない普通のエンジンだが、といって人を不快にはさせない、米でいうなら標準価格米のようなもの。トランスミッションの反応やレスポンスも自然でイライラさせられることはない。当たり前のようなことだが、この価格の大量生産車でこれほど我慢の少ないクルマもない。大したメンテもされていないであろうに、よく働いている。



足回り

 多少ショックがへたっているかもしれないが、不安もストレスも感じさせない、つまりやっぱりヤレや年月を感じさせない身のこなし。車体の剛性も、そりゃ新車同然ではないが、極端に低下しておらず、おそらくやうまく車体にかかるストレスを受け止め逃がす術が用いられているのだろうと想像できる。振動や音が極端に大きくなっていないことからもわかる。このへんも長年のノウハウのなせる業であり、そしてライバルには埋めようもない大差。



まとめ

 つまりナニが言いたいかと言うと、大事なのはこの「ヤレ」の少なさ。クルマに対して拘りもない人にとってクルマに飽きたり乗り換えたりする要因の大部分はこのヤレだ。しかしこのクルマは目に見える部分だけにとどまらず、使い心地や走り、音、振動、ヤレを感じさせるであろうあらゆる要因における耐久性が極めて高い。年月を感じさせないのだ。しかもメンテナンスに大して金や手間をかけずしても、だ。外車や他の国産車ではちょっとこうはいかない。


 この、あまりスポットライトの当たらないもう一つの「性能」は本当に素晴らしい。トヨタにとって大きな財産であり、それは日本人にとっての誇るべき・・・と言い換えてもいい。


 買ったときには、実はわからない。10年なり15年、10万キロ、15万キロと使い続けてこそ、初めてトヨタ車の本来の実力を思い知れる。それはストップウォッチでは測れないし山道を爆走することでわかることでもない。だが、そこには間違いなく、平成4年当時の設計者や工場の工員さんたちの思いや願いが今もって宿り続けていることを確認することができるだろう。





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ご留意ください
この試乗記は貴方の試乗を代行するものではありません。
感じ方や考え方には個人差があります。
また、製品は予告なく改良される場合があり、
文中にある評価がそのまま当てはまらない場合もあります。
購入前にはぜひご自分で試乗をしてよくお確かめください。











前田恵祐


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