「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

#045 オーソドックスなSUVに

三菱 RVR 1.8G 試乗インプレッション(2010.3)
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~ 試乗記の読み方 ~

 この試乗記は筆者による個人的な印象記に過ぎず、ここに記された内容は必ずしも読者が実車から抱く感想と一致しない場合があります。人間にはそうした個人差、個体差があるものなのです。それが俗に言う個性であり多様性と言い換えてもいい。故にこの試乗記を鵜呑みにしてはいけません。車両購入の際には必ず購入者自ら実車に触れて検証と確認を怠らず、購入者が主体性を持って車種選定の判断を行うことが原則です。したがって・・・

買うときには自分で試乗して確かめる
筆者の言うことに左右されない
自分がいいと思ったものを購入する

・・・これらのことは最低限です。当たり前のことですが、それができない人が多いようです。この試乗記は指示書でも教科書でもバイヤーズガイドでもなく、購入者に試乗の手間を省かせる目的のものではありません。だとしたら何者であるかというと、クルマを「検証する手法」の提示をしているに過ぎません。しかし、その検証の手法、いわゆるモノサシというものがかなりブレているのが今の世の中、今のユーザーのように筆者には見受けられます。そこで、「私ならこのように確かめる」という意味合いでこのような記事の掲出を行っているもの、とご認識いただきたいと思う次第です。


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 最近は「昔の名前」で再登場するのが流行である。しかし、名前が同じだからといって必ずしも中身の性質やキャラクターが同じというわけではない。でも、時を経て、例えばあのままRVRがモデルチェンジを繰り返していればこうなっていたかもしれない。新しいRVRはそんなわけで、今の時代における流行やニーズに合わせたクルマとなって再登場した。



 エクステリア

 三菱お得意の「エボ顔」。オヤクソクの歩行者保護の観点からどのクルマもフロントエンドの形状における制約とのせめぎあいでデザインを施す中、この顔は一目で三菱と理解させるだけのものがあって、好みの問題はあるにせよ大事なアクセント。そもそもデザインというものには好みが存在するのであって、万人に好まれるものを作ろうとすると味気ないものになってしまう。




 歌舞伎役者系?


 ただ、その顔以外はどちらかというと平凡。短くつくるためにリアがチョキンと切り落とされているように見えなくもない。元来アウトランダーのコンポーネンツを利用して短縮されたクルマだから、短いわりに幅は広いし、メーカーがいうほどコンパクトという印象は、個人的には受けない。




 バンパーの上下分断するラインから下をガンメタなどに塗装すると、それはそれでRV感が出てイイかも。



視界・扱いやすさ

 今の時代にあってボンネットを視認できるのは褒めていいこと。狭い道に入っていくときや車線内の位置確認をしやすくするために大事なこと。ピラーの太さはあまり気にならず、視界もいい。おおむね運転しやすいクルマだ。




 ダッシュボードのデザインは平凡だが操作系は覚えやすくシンプル。おそらくやスイッチ類は他のモデルと共用しているはずだが、それが覚えやすさにつながるのはいうまでもなく、ここも乗り手にやさしいと感じさせる要因。メーカーオプションナビの使い勝手も整理されていてこれもいい。特別凝った部分や驚かされるような仕掛けはないが、当たり前にあるべき機能や使い勝手を整備している。そんなところに安心感を覚えるのだ。




 ラゲッジスペースには突起少なく極力彫ってもあり、工夫の跡あり。



インテリア



 黒一色の内装色はちょっと寂しい。聞けば他のモデルであとからベージュなどを追加しても、結局選ばれるのは黒の方なのだという。ま、汚れは目立たないしガラスへの写りこみも少ないからこちらのほうが実用的、という意味で採られるのかも知れない。




 前席のサイズはゆったりとしていて、いわゆるバケット形状ではないが、このクルマの走り方の範囲内で横方向の支えに不足はなく、型崩れも少ない。少し時間が経つとフィット感がうまれるというあたりはドイツ的。緊張させず、疲れさせず、自然体に坐らせる。こんなところもこのクルマへの「安心感」を高める一要素だ。




 後席は広々というわけではないが過不足なく、特につま先が入る前席下の空間が大きく採られており、窮屈間の軽減に一役買っている。小さな工夫だが効果は大きい。もう少しウエストライン(窓の下端)を下げられると見晴らしも良くなるのだが、このへんは衝突安全とのせめぎあい。後席のシートも硬めだが角度やサイズも不満ない。座面は多少彫ってあげるとお尻の収まりはより良くなるかな。



エンジン・トランスミッション

 1.8リッターマイベックエンジンにCVTに組み合わせ、車重は1360kgとライバルより50~100kg軽い。CVTは例によって低回転を維持するように設えてあるが、このエンジンはボトムエンドから充分なトルクを発生していて、例えばデュアリスの2リッターからさらに低い排気量のデメリットを殆んど感じない。




 さすがに山坂道を登ると回転が先に上がるというCVT特有の動きを見せるが、車速の追いつきも過不足なく、ほどほどの走り。余裕たっぷりとか目の覚めるような速さを求めるクルマではないからこれで充分。むしろイヤな騒音を伝えてこないことや滑らかさ、人の感覚に忠実であること、つまり平凡であることのありがたみを享受できる。しかしそれを成しえたのは、実は作る側の丁寧で注意深い仕上げや造りこみあってのもの。三菱には以前からそうした良さがある。



足廻り

 電動パワーステアリングの重さは適切で、伝わってくるものにも不足はない。17インチタイアは、今時にしてみれば当たり前に皆履いているサイズで、これもとくに大径タイア(ホイール)となっていることの弊害、つまりフリクションや騒音、乗り心地への悪影響は少ない。




 際立って機敏でこそないが、ゆったりとストロークする足が穏やかでしっとりとした、大人っぽい乗り味を生み出す。路面の感触を適度に伝えながら、マッタリとした雰囲気でドライブする。やはりいい仕事をしている。個人的には好み。中間グレード以下は16インチとなるが、これとの味の違いにも興味深い。



総評

 全体を通して得られた印象とは、「安心感」「大人っぽさ」「丁寧さ」。このクルマのターゲットはたぶんそれほど年齢層の高い人たちではないのかもしれないが、乗った印象がここまでのものなら、運転歴の長い、モノわかる大人が乗ってもその良さを重々理解してもらえるはずだ。事実、幅広い年齢層から引き合いがあるという。


 若い家族にとっての使い勝手の良いファミリーカーだったり、むろん単身者にとってアクティブな相棒にもなり、また、ミドル以上のドライバーにとっても丁寧に仕上げられた満足感や、時に、一目で察せられる使い勝手や視界の良さ、運転のしやすさを感じるかもしれない。それに、なんと言っても安い。


 姿かたちやスペックだけではわからない、乗って、付き合ってみて良さのわかるクルマ。つまりそれは速さや高級感や見栄のような浮ついた付加価値、あるいは"エサ"でユーザーを引き付けるような安易さとは対極にあるものだ。目の覚めるような驚きはないが、三菱らしさの発揮されたいいクルマの典型だ。






 ちなみに、試乗したのはFF車。26万2500円高/70kg増となる4WD車はD:5やアウトランダーとも共通する凝った4WDシステムをもち、少なからず重厚さの増す走り味になるようなので、念のため。



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試乗データ

試乗日:2010年3月19日
試乗車:三菱RVR 1.8G (車両本体価格:218.715万円)
型式:DBA-GA3W
駆動方式:FF
全長×全幅×全高:4295×1770×1615mm
ホイールベース:2670mm
車両重量:1360kg
トランスミッション:CVT
ボディタイプ:5ドアワゴン
ボディ色:カワセミブルーメタリック
内装色:ブラック/ファブリック
装着されていたオプション:
7インチワイドディスプレイHDDナビゲーション(MMCS)(以下+項目含む33.6万円)
 +AM・FMラジオ+CD・DVDプレーヤー
 +リアビューカメラ
 +地上デジタルTVチューナー(フルセグ)
 +音声・映像入力RCA端子
 +USB入力対応
 +オーディオリモコンスイッチ付きステアリングホイール



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メーカーサイト
http://www.mitsubishi-motors.co.jp/rvr/


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ご留意ください
この試乗記は貴方の試乗を代行するものではありません。
感じ方や考え方には個人差があります。
また、製品は予告なく改良される場合があり、
文中にある評価がそのまま当てはまらない場合もあります。
購入前にはぜひご自分で試乗をしてよくお確かめください。










前田恵祐


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