「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

#049 兆しはホンモノか?

スズキ キザシ 試乗インプレッション(2010.6)
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~ 試乗記の読み方 ~

 この試乗記は筆者による個人的な印象記に過ぎず、ここに記された内容は必ずしも読者が実車から抱く感想と一致しない場合があります。人間にはそうした個人差、個体差があるものなのです。それが俗に言う個性であり多様性と言い換えてもいい。故にこの試乗記を鵜呑みにしてはいけません。車両購入の際には必ず購入者自ら実車に触れて検証と確認を怠らず、購入者が主体性を持って車種選定の判断を行うことが原則です。したがって・・・

買うときには自分で試乗して確かめる
筆者の言うことに左右されない
自分がいいと思ったものを購入する

・・・これらのことは最低限です。当たり前のことですが、それができない人が多いようです。この試乗記は指示書でも教科書でもバイヤーズガイドでもなく、購入者に試乗の手間を省かせる目的のものではありません。だとしたら何者であるかというと、クルマを「検証する手法」の提示をしているに過ぎません。しかし、その検証の手法、いわゆるモノサシというものがかなりブレているのが今の世の中、今のユーザーのように筆者には見受けられます。そこで、「私ならこのように確かめる」という意味合いでこのような記事の掲出を行っているもの、とご認識いただきたいと思う次第です。


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 小型車専門メーカーだったスズキが初めて挑戦したミディアムサルーン。二代目スイフト以降の例に漏れずヨーロッパの道で鍛えたとされる足回りを持つスポーティな仕立て。ワングレードでFFか4WD、オプションのアクティブクルーズコントロールやプリクラッシュセーフティが付くかどうかが大きな選択項目。現在ほぼ受注生産という体制で販売されている。



 エクステリア



 特徴はワイドなトレッドに対して全長が短めなこと。凝縮感と力強さを表現しており、スポーティ。それはやはり二代目スイフトからの流れにあるといってよく、独自のスタンスを確立している。しかし冒険はしていない。個人的にはこのクラスらしいエレガンスがもうすこし加味されるといいな、とは感じた。ボディ色は黒、パールホワイト、シルバーの3色。




 短く緊密感とカタマリ感、軽快感。大径ホイールも効いている。ウインドウの下端に一本クロムのアクセントが入るけでも上述「このクラスらしい」雰囲気に寄与しそう。




 マフラーエンドはバンパー一体形状。



視界・扱いやすさ



 Aピラーは太いがもはや平均的。ノーズは短く丸いからボンネットを視認できずとも直感的に取り回しを会得できる。ダッシュボードのデザインはシンプルで無駄が無く、ありがちな装飾過多や圧迫感の強いものとは一線を画し、控えめでいて機能的。本来こうあるべき。質実剛健にして上品。パーキングブレーキは一般的なハンドレバー。



インテリア



 黒の本革内装一本のバリエーション。革はしなやかでよくなじむ。前席はたっぷりとしたサイズでありながら剛性感もあり、上質な着座感。クラスなりのものを得ている。パワーシートはメモリー機能付。基本的にはデザインに凝りすぎず控えめだが上質な雰囲気はこのクラスの大人のクルマとして好ましい。受注生産であるなら内外装色のバリエーションはもうすこし取り揃えていて欲しいところではある。




 運転席は筆者のポジション(ちょっと後ろめ)。広大でこそないが充分。リアシートもたっぷりサイズ。アルファ159より広い。リア用エアコン送風口も用意され、不足のない仕立て。




 6:4分割のトランクスルー。トランクスペースは効果的に彫ってあり、充分な広さ。



エンジン・トランスミッション



 2.4リッター4気筒エンジンはエスクードのものをベースとしているがチューンは異なり、こちらのほうがハイスペック。とりわけ静かでも滑らかでもないが、パーシャルスロットルに対する素直で気持ちの良い反応、そして爽やかなサウンドなど、なかなかの演出。高回転までビンビン回る必要はなく、これで充分。CVTの制御も自然で常識的。燃料はレギュラー。



足廻り



 235サイズの18インチタイアを頂く足廻り。多少靴の重さを感じないでもないが、過不足なく履きこなす剛性はありそう。フラットで引き締まった乗り心地はドイツ的で、ちょうど提携先にあたるワーゲンやアウディのそれを思わせる。振動も丁寧に取り除かれ長距離にも向く快適性。ハンドルに伝わる路面情報は国産随一といっていいくらい。がっしりとした手応えはスポーティだが、そうなると、もうすこしステアリングのギアレシオをクイックにしたくなる。とはいえ充分に軽快な身のこなし。短い全長もこれに寄与している。



総評

 よく出来た中型車。ドアの開閉音もバフッと引き締まっておおいに高級。初めて参入するクラスだからといって妙にリキんだところがなく、必要とされる要素を適切に満たし、スズキ独自のカラーやポリシーを貫いているあたりも堂々としている。ただ、これだけのものがポンと出来るのだったら、もう少し冒険をしても良かったのかなという気はする。エンジンもV6を用意するとか、ワゴンボディがあってもバチはあたらないだろう。




 ライバルはアルファ159やアウディA4、VWパサート、国内ではアテンザやレガシィ、カムリあたりになるか。国内では確実に「売れない」種類のクルマだが、各社各銘柄がそうであるように、このクルマも大いに個性的で、仕上がりもまずまず。アテンザやレガシィを検討している人がこのクルマも検討リストに加えてもなんら不思議はない。むしろ比較対象が一つ増え、悩みの種も一つ増えたといったところか。希少なクルマだからこそ、より個性を、他人が乗っていないクルマをと求める人にとって密かにニンマリできる一台だと思う。



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試乗データ

試乗日:2010年5月27日
試乗車:キザシ2.4ベースグレード(車両本体価格:2,787,750円)
型式:CBA-RE91S
駆動方式:FF
全長×全幅×全高:4650×1820×1480mm
ホイールベース:2700mm
車両重量:1490kg
トランスミッション:CVT(シーケンシャルモード・パドルシフト付)
ボディタイプ:4ドアセダン
ボディ色:スーパーブラックパール
内装色:黒本革
タイアサイズ・銘柄:235/45R18 94W・ダンロップSPスポーツMAXX



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メーカーサイト
http://www.suzuki.co.jp/car/kizashi/


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ご留意ください
この試乗記は貴方の試乗を代行するものではありません。
感じ方や考え方には個人差があります。
また、製品は予告なく改良される場合があり、
文中にある評価がそのまま当てはまらない場合もあります。
購入前にはぜひご自分で試乗をしてよくお確かめください。







前田恵祐


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