「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

#050 抜群にガイシャ

スズキ スプラッシュ 試乗インプレッション(2010.6)
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~ 試乗記の読み方 ~

 この試乗記は筆者による個人的な印象記に過ぎず、ここに記された内容は必ずしも読者が実車から抱く感想と一致しない場合があります。人間にはそうした個人差、個体差があるものなのです。それが俗に言う個性であり多様性と言い換えてもいい。故にこの試乗記を鵜呑みにしてはいけません。車両購入の際には必ず購入者自ら実車に触れて検証と確認を怠らず、購入者が主体性を持って車種選定の判断を行うことが原則です。したがって・・・

買うときには自分で試乗して確かめる
筆者の言うことに左右されない
自分がいいと思ったものを購入する

・・・これらのことは最低限です。当たり前のことですが、それができない人が多いようです。この試乗記は指示書でも教科書でもバイヤーズガイドでもなく、購入者に試乗の手間を省かせる目的のものではありません。だとしたら何者であるかというと、クルマを「検証する手法」の提示をしているに過ぎません。しかし、その検証の手法、いわゆるモノサシというものがかなりブレているのが今の世の中、今のユーザーのように筆者には見受けられます。そこで、「私ならこのように確かめる」という意味合いでこのような記事の掲出を行っているもの、とご認識いただきたいと思う次第です。


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 ハンガリーのマーシャルスズキ社で生産され主に欧州各国で販売されている小型車。国内仕様もハンガリーから輸入する。スイフトがベースで味付けや仕立ては完全な欧州基準。130万円前後で買える欧州車。その実力に期待を抱きつつ試乗した。



エクステリア



 スイフトはどちらかというと地を這うような安定感を表現しているが、こちらは大きなグラスエリア、明るく広い室内、居住性の高さをイメージさせるトールワゴン。フィアット・パンダよりひと回り大きなサイズだが性格は似通っている。媚びた所のないクリーンなデザイン。純ヨーロッパ調。




 寸詰まりで背が高くちょっとキュートなサイドプロポーション。




 テールレンズの配置や折れ角がやはり欧州車。



視界・扱いやすさ



 着座位置に対して窓の下端は低く、見晴らし良好。計器盤は基本的にスピードメーターのみで、この限定車にはタコメーターも取り付けられている。無駄なものがなく必要最低限の機能、それでいてすっきりとデザインされている。花より実、装飾より即読性。フィアットやプジョー、ルノーあたりのエントリーモデルの雰囲気をイメージさせる。



インテリア



 スズキはかつて安い代わりに我慢を強いるというインテリアも少なくなかったが、このクルマなどを見ると安いなりにセンス良くまとめる手腕も会得していることを知れる。この限定車はグレー基調だが、ベースモデルはボディ色に合わせてブルーやグリーンをセンス良く組み合わせている。そちらのほうはますますパンダのよう。前席はこのクラスとしてはサイズも充分でしっかりとしたかけ心地がこれまた欧州基準。ハイトコントロールは座面前端を軸にヒップポイントだけがせり上がるタイプだが、もっとも下にセットしても個人的に欲しい後傾角が得られず前のめりな印象があった。




 後席は広さを求めるべきクルマではないが、それでも充分。シートもしっかりしている。中央3点シートベルトが嬉しい。




 トランクルームも広大ではないが、後席せもたれはワンアクションで倒すことが出来、同時にフラットな荷室とすることができる。



エンジン・トランスミッション



 1.2リッター4気筒+日本製CVTの組み合わせは日本独自の仕様でスイフトにも採用されているもの。エンジン音は静かで振動が少ない。パワーはそこそこ。基本的にはストレスなく上まで回るからマニュアルで乗ってみたい。後述する走り味からいってもマニュアルが合う。CVTの印象は平均的。ポロのDSGを(TSIも一緒に)持って来れないものかな。メーターパネル内の平均燃費計は17km/L台を表示していた。



足廻り



 全体を通して骨太でソリッドな走行感覚。まさしく生まれた場所を印象付ける部分。ハンドルに伝わる路面の情報量とダイレクトな反応もすばらしく、元来の軽さや小ささを生かして機敏に行く。ジョリッと確かに食いつき、機敏でありながら重厚さもある。大いに質感高く、硬質、上質。重心は高いがロールセンタ高の設定が適切で不安はない。足廻りのよさだけでもこのクルマを選択する理由になるだろう。唯一気になったのはスポンジーなブレーキの踏み応え。



総評

 欧州車を知る人なら一度乗ってみることをお勧めしたい。エクステリアやインテリアの仕立てもたしかにヨーロッパ的ではあるが、走らせてみて初めて知る魅力がある。それは現地のライバルと並べても引けを取らない、一本筋の通った、硬派ですらある身のこなし、足さばき。価格はスイフトより割高だがこのクラスの他の国産コンパクトカーと比較しても充分に遜色ない設定。この価格で欧州車を堪能できるとするなら大いに魅力的。ガイシャのニオイもするし(笑。





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試乗データ

試乗日:2010年5月27日
試乗車:スプラッシュ特別仕様車"Limited"(車両本体価格1,344,000円)
型式:DBA-XB32S
駆動方式:FF
全長×全幅×全高:3715×1680×1590mm
ホイールベース:2360mm
車両重量:1050kg
トランスミッション:CVT
ボディタイプ:5ドアトールワゴン
ボディ色:コスミックブラックパール
内装色:ブラック・グレー/専用ファブリック
タイアサイズ・銘柄:185/60R15 84H・コンチネンタル プレミアムコンタクト2



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メーカーサイト
http://www.suzuki.co.jp/car/splash/



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ご留意ください
この試乗記は貴方の試乗を代行するものではありません。
感じ方や考え方には個人差があります。
また、製品は予告なく改良される場合があり、
文中にある評価がそのまま当てはまらない場合もあります。
購入前にはぜひご自分で試乗をしてよくお確かめください。







前田恵祐


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