「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

#058 パーソナル、プレミアムコミューター

スバルR1・S Premium Black Limited  試乗インプレッション(2010.9)
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~ 試乗記の読み方 ~

 この試乗記は筆者による個人的な印象記に過ぎず、ここに記された内容は必ずしも読者が実車から抱く感想と一致しない場合があります。人間にはそうした個人差、個体差があるものなのです。それが俗に言う個性であり多様性と言い換えてもいい。故にこの試乗記を鵜呑みにしてはいけません。車両購入の際には必ず購入者自ら実車に触れて検証と確認を怠らず、購入者が主体性を持って車種選定の判断を行うことが原則です。したがって・・・

買うときには自分で試乗して確かめる
筆者の言うことに左右されない
自分がいいと思ったものを購入する

・・・これらのことは最低限です。当たり前のことですが、それができない人が多いようです。この試乗記は指示書でも教科書でもバイヤーズガイドでもなく、購入者に試乗の手間を省かせる目的のものではありません。だとしたら何者であるかというと、クルマを「検証する手法」の提示をしているに過ぎません。しかし、その検証の手法、いわゆるモノサシというものがかなりブレているのが今の世の中、今のユーザーのように筆者には見受けられます。そこで、「私ならこのように確かめる」という意味合いでこのような記事の掲出を行っているもの、とご認識いただきたいと思う次第です。


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エクステリア

 現代版のてんとう虫としてR2と基本を共にしながら外鈑のほとんどを専用部品として仕立てられたR1。小さく親しみやすい、愛らしいデザインはそれだけで魅力あるものだが、単なる旧車へのオマージュに終わらせるのではなく、モダンで美しい処理がさらに独自性を高めている。フィアット500やニュービートルのように「あからさま」でないところがちょっと知的。そしていいデザインは古くならない。




 その後二転三転してしまったのは残念だったが、フロントのラジエターグリル付近の処理はスバルのアイデンティティを表現したもの。




 これはこれでてんとう虫。




 リアデザインは小動物のような愛らしさでもある。



視界・扱いやすさ

 この頃(2000年代中盤まで)のクルマの特徴として、Aピラーの太さが気になるのはもはやオヤクソクとして、基本的に軽自動車のサイズであり、クルマが身体の延長であることは強み。斜め後方視界はちょっと我慢。ハンドルの外径は大きめで、かつグリップが細い。ちょっとクラシックな感じ。





インテリア・ラゲッジ

 黒基調で、モデルライフ内の改良やグレード展開によっていくつかの異なる装飾をもつ。今回のサンプルは黒内装で革とスエード調ファブリックの仕様。ダッシュボードのトリムは”フロスティ・パール”。初期にあった赤のアクセントもよかった。因みにダッシュボード等のシボは小さな●▲■をかたどったものだそうな。




 オーナーによってレカロ製バケットシートが取り付けられている。サイズはギリギリ収まっている。トバすクルマではないがいたって快適。




 後席は3歳くらいまでの子供用。前席が奥さんと子供ならオトウサンも座れるそうです。




 後席を立てているとトランクスペースはこんな具合。




 もちろん倒すことも出来る。




 長モノもイケます。




 後席を倒すと座面との間に小さな空間が出来てここも収納として使うことが出来る。



エンジン・トランスミッション

 4気筒660ccエンジンを頑なに最後まで守ったスバル。部品点数が多くなり一気筒あたりの爆発エネルギーが小さい小排気量マルチシリンダーのハンディを感じさせず軽快、滑らかに回り、必要とあらばスーパーチャージャーが助太刀する。日本の交通事情下にあっては充分に機敏で余裕さえある。




 CVTの制御はちょっと時代を感じさせる。具体的には、今のCVTは努めて低回転を維持しようとするが、このCVTはある程度回転の上下を許し、自然で滑らかなフィーリングを重視している。これはこれで悪くないし、高速走行時にも適切に回転を抑えて軽自動車としては静粛に走る。



足廻り

 サンプル車にはテイン製車高調が備わっていてかなり締め上げられていたことをまず記しておこう。しかし、基本がしっかりとしていて硬いサスを組まれてもだらしなくシナったり振動に晒されることもなく、充分許容しているところからして素性のよさが見えてくる。ハネても暴れることはない。それはアーム長を大きく取られた4輪独立懸架のおかげ。タイトなコーナーを行っても内輪の追従も良くロードホールディングは高い。軽自動車らしからぬ器の大きさを感じた。




 ハンドルはそれなりに軽いが雲を掴むような軽さではなくダイレクトであり、しっかりとキックバックも返ってくる。このあたりの調整も丁寧。それはブレーキにも同じことが言えて、踏み応え、効き味ともしっかりしておりまったく不安がない。簡単に言うとこうした部分の基準が軽自動車というより乗用車なのである。



結論

 こうしてみるとクォリティの高い、デザイン、内装、4気筒エンジン、アシさばきと、各部贅沢に質感重視でつくられている、いわばプレミアムカーだ。ところが今やコストカット全盛であり、こうした考え方でクルマを作ることはしにくい。それがこのクルマがリストから落とされた原因の一つなのだろう。しかし、こうしたクルマは本来モデルチェンジスパンを長く取って、ゆっくりと時間をかけてペイしていく、また、買う側にとっても丁寧に時間をかけて改良を重ねられた製品を買うことのメリットを享受する、そうした作り方、売り方、買い方をしていくものだ。


 母体の経営が危ういなら仕方のないことだが、何でもかんでも目先のコストや利益だけでモノを作り、売って行くことは、人々にとってモノへの愛着を持ちづらくさせることにつながらないだろうか。このクルマがさらに長い目で見て丁寧に熟成させ続けていったとしたら、例えばさらにECO性能を高めていくような改良を行っていけば、今の時代にぴったりな、小粋でハイクォリティ、愛着を持って大事にしたくなるようなベストパーソナルカーになりえたと思うのだが。



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5段階評価:★★★★





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試乗データ

試乗日:2010年9月14日
試乗車:スバルR1・S Premium Black Limited
型式:ABA-RJ1
駆動方式:FF
全長×全幅×全高:3285×1475×1510mm
ホイールベース:2195mm
最小回転半径:4.5m
車両重量:840kg
トランスミッション:i-CVT
ボディタイプ:3ドアハッチバック
ボディ色:シルキーホワイトパール(41A)
内装色:ブラック
オーナーによるカスタマイズ:
  車高調:テイン ベーシックK
  マフラー:柿本 GTbox.bit ヴィヴィオ用
  Fリップ:コラゾン フロントアンダースポイラー(カーボン)
  シート:レカロSR3 ファルコン
  フットレスト:シムス スポーツフットレスト
  ブースト計:Defi Defi-Link Meter BFシリーズ ターボ計 
  ナビ:パナソニック CN-HW800D
  ETC:パナソニック CY-ET909KD
  Fスピーカー:アルパイン STE-102C
  マット:ZERO ユーロチェック(ブラック)
  ホーン:忘れたw
  ハンドル位置下方修正(加工)



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発売当時のメーカーリリース
http://www.fhi.co.jp/news/09_10_12/09_11_04.html


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ご留意ください
この試乗記は貴方の試乗を代行するものではありません。
感じ方や考え方には個人差があります。
また、製品は予告なく改良される場合があり、
文中にある評価がそのまま当てはまらない場合もあります。
購入前にはぜひご自分で試乗をしてよくお確かめください。







前田恵祐


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