「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

#059 いよいよヨーロッパが見えてきたか

スズキ スイフト 1.2 XG 試乗インプレッション(2010.10)
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~ 試乗記の読み方 ~

 この試乗記は筆者による個人的な印象記に過ぎず、ここに記された内容は必ずしも読者が実車から抱く感想と一致しない場合があります。人間にはそうした個人差、個体差があるものなのです。それが俗に言う個性であり多様性と言い換えてもいい。故にこの試乗記を鵜呑みにしてはいけません。車両購入の際には必ず購入者自ら実車に触れて検証と確認を怠らず、購入者が主体性を持って車種選定の判断を行うことが原則です。したがって・・・

買うときには自分で試乗して確かめる
筆者の言うことに左右されない
自分がいいと思ったものを購入する

・・・これらのことは最低限です。当たり前のことですが、それができない人が多いようです。この試乗記は指示書でも教科書でもバイヤーズガイドでもなく、購入者に試乗の手間を省かせる目的のものではありません。だとしたら何者であるかというと、クルマを「検証する手法」の提示をしているに過ぎません。しかし、その検証の手法、いわゆるモノサシというものがかなりブレているのが今の世の中、今のユーザーのように筆者には見受けられます。そこで、「私ならこのように確かめる」という意味合いでこのような記事の掲出を行っているもの、とご認識いただきたいと思う次第です。


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エクステリア

 従来型のイメージを色濃く残すが、サイズアップしており主に全長では車体前半部分の長さに充てられているという。良く見るとAピラー角度の後ろ傾きが強くなり、ボンネットも長くなった。これは衝突安全性と歩行者事故時の歩行者保護を観点とした構造を採用した結果だろう。しかしかの地でライバルに埋もれないだけの個性は健在。




 少し伸びやかになって大人っぽくなった。




 後部のデザインも美しい。すこしふっくら。




 スズキのクルマはこの部分のデザインが特徴的。



視界・扱いやすさ

 フロントガラスの下端が以前より先に移動して少し見切り性には不利か。広さは増したが以前のように身体にピタリとフィットするような空間性ではないので、旧型のそうしたところが気に入っていた人がどう感じるかな。


 ダッシュボードのデザインは、キザシに始まったY字をモチーフとしたもので、機能や操作系も合理的。ベースグレードでもオートエアコン。




 文字盤もキザシ式。スピードメーターは200km/hまで。平均燃費計は13.4km/L。



インテリア・ラゲッジ

 上述のとおりスペースには余裕が生まれた。前席では目前の広がり感が向上した。左右方向にも余裕があり、腕がゆったりする。デザインも洗練されていて上質。子供っぽさや安っぽさとも無縁。シフトレバーにはレザーのブーツまで。物分かる大人が乗る小型車としても適任。




 前席のサイズは充分。座面の当たりが柔らかく同時に決して底づきすることはない。”優れた乗り心地”の一端をこのシートが担う。ルノーやシトロエンのよう。常にお尻が安心している。ハイトコントロールの調整幅も大きめ。後傾角をしっかり確保でき、シートバックの剛性も高くがっちり支える。色柄は地味だが摩擦係数が適切な素材選択は良心的=身体が拘束されすぎたり滑ったりしない、ちょうどいいチョイス。




 後席スペース、座面が高く見晴らし良好。旧型は決して広々とはしていなかったが、前席の後部の形状を再検討し膝前スペースの確保とつま先をシート下に収められるよう工夫がなされたとの説明を受けた。それよりルーフが高くなったり、シートの厚みが増したりと、ひと回り立派になったところがこの部分からも見えてくる。ただし中央のシートベルトは2点式でヘッドレストも省略。




 トランクルームはごらんのとおり。




 サブトランクの天板はごらんのように立てかけられる。



エンジン・トランスミッション

 1.2リッターエンジンそのもののパフォーマンスはごく普通。しかし滑らかで振動が少なく、何より静かでガサガサしたところが解消、まろやか。洗練されている。遮音優秀。エンジンは少し遠くで軽くハミング。まるで2クラスは上のクルマ。しかしこれが今のスタンダードなのだろう。




 CVTは昨今流行りの副変速機付。これはスイフトに限ったことではなく、他の同形式CVTを採用するモデルに共通した感想なのだが、個人的には変速動作が一元的でなく、また制御も今ひとつ洗練しきっていないように思う。もっと滑らかに、副変速機の存在を意識させないような仕上がりを期待したい。



足廻り

 柔らかいが芯があり、フラットである。細かい周期で左右交互に訪れる波状路面に遭遇しても怯むことなくシレッといく。追従がよくストロークがあり接地性が高い。16インチ装着車を試してはいないが、個人的には今回試乗させていただいたベースグレードの15インチのほうがこのクルマ本来の乗り心地だと思う。標準装着タイアの銘柄はヨコハマのdB。上述シートクッションのつくりがよく、効率的にショックを吸収してくれて日本車離れした乗り味の一端を担う。いちど長距離ドライブでお手合わせ願いたいクルマだ。




 ハンドルは軽く、ヨーロッパ味と呼ぶにはもう一歩路面からの情報が欲しいが、そのあたりは今後出てくる”スイスポ”が何とかしてくるだろう。ベースが良い分期待が出来る。とはいえ生来の運動性能の高さから充分に軽快で積極的にハンドルを握りたい人向け。キザシでも感じたことだが、スズキのデザインは真上から見たときの縦横比のバランスで、どちらかというと正方形に近い(短い全長にワイドなトレッド)。これが潜在的運動能力の高さを生んでいるように思う。



結論

 洗練され完成度高く、キザシの小型版といったふぜい。機能部分も本質を突いた設えとなっており良心的。上位クラスからのダウンサイジングもありえる。これに敢えて文句をつける部分があるとするなら内装色が黒一色しか用意されていないこと(今後特別仕様などは期待できる)、アイドリングストップくらい備えていてもよさそうなこと(現在ワゴンRにはあるから、これも今後期待できる)。特に後者が与えられていたなら、ポロに真っ向からぶつけられる日本代表であったはずだ。ポロと並べてどちらがいいかと訊かれたら現状でも本気で迷うだろう。定石どおりのFMC、それでいて当たり前に上出来。それが今のスズキの実力である。






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5段階評価:★★★★★




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試乗データ

試乗日:2010年10月5日
試乗車:スズキ スイフト XG(車両本体価格:1,265,250円、OP含まず)
型式:DBA-ZC72S
駆動方式:FF
全長×全幅×全高:3850×1695×1510mm
ホイールベース:2430mm
最小回転半径:4.8m
車両重量:990kg
トランスミッション:CVT
ボディタイプ:5ドアハッチバック
ボディ色:スーパーブラックパール(ZMV)
内装色:ブラック/布
装着されていたオプション:FM/AMラジオ&CDプレーヤー(メーカーOP:21,000円)



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メーカーサイト
http://www.suzuki.co.jp/car/swift/


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ご留意ください
この試乗記は貴方の試乗を代行するものではありません。
感じ方や考え方には個人差があります。
また、製品は予告なく改良される場合があり、
文中にある評価がそのまま当てはまらない場合もあります。
購入前にはぜひご自分で試乗をしてよくお確かめください。









前田恵祐


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