「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

#065 中核車種の気負い

ダイハツ ムーヴ 試乗インプレッション(2011.1)
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~ 試乗記の読み方 ~

 この試乗記は筆者による個人的な印象記に過ぎず、ここに記された内容は必ずしも読者が実車から抱く感想と一致しない場合があります。人間にはそうした個人差、個体差があるものなのです。それが俗に言う個性であり多様性と言い換えてもいい。故にこの試乗記を鵜呑みにしてはいけません。車両購入の際には必ず購入者自ら実車に触れて検証と確認を怠らず、購入者が主体性を持って車種選定の判断を行うことが原則です。したがって・・・

買うときには自分で試乗して確かめる
筆者の言うことに左右されない
自分がいいと思ったものを購入する

・・・これらのことは最低限です。当たり前のことですが、それができない人が多いようです。この試乗記は指示書でも教科書でもバイヤーズガイドでもなく、購入者に試乗の手間を省かせる目的のものではありません。だとしたら何者であるかというと、クルマを「検証する手法」の提示をしているに過ぎません。しかし、その検証の手法、いわゆるモノサシというものがかなりブレているのが今の世の中、今のユーザーのように筆者には見受けられます。そこで、「私ならこのように確かめる」という意味合いでこのような記事の掲出を行っているもの、とご認識いただきたいと思う次第です。


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エクステリア

 3代目以降、ほぼ同じ印象でまとめられているエクステリア。先代より若干角を立てて室内空間の有効確保を目論んでいるようだ。




 もはやどの風景にも溶け込む定番商品となった。スッキリとして厭味がない。姿かたちは全く異なるがまるでかつてのカローラのような立ち位置だ。ちなみにホイールベースは35mm縮小。主にボンネットやオーバーハングの寸法に譲った形だが、それはエンジンルーム内の空気の流れを良くしたり、歩行者衝突時における受傷を極力避けるための”形状”をつくるため。




 同じセグメントに、ダイハツ自身が様々な車種を投入しているから、ムーヴはムーヴでいればいい。これでいい。横開きバックドアもムーヴの特徴。



視界・扱いやすさ

 Aピラーからそのままの角度でバンパーまでストンと落ちていて、ノーズの長さは自然とつかめるタイプ。センターメーターは大きくて見やすいが筆者はハンドルの前にあるのが好き。ガラス面積が大きく開放感がありドライブしやすい。大写しになる海や山の景色も楽しめるだろう。




 室内幅もギリギリまで取られているから無駄に着膨れしておらずこれも車幅感覚を掴む助けになる。軽自動車はどう考えてもこれ以上大きくなりようがない(法律がかわらなければ)。このサイズの縛りがあり、排気量の縛りがある中で最大限やってくるのが軽自動車。考え方によっては普通乗用車より内容は濃かったりする。



インテリア・ラゲッジ

 ベージュ色のインテリアも特に奇をてらったところがなく親しみやすい・・・というかややジジムサい?




 シートサイズも大きめで安っぽい印象はないが、後述するハンドリングの部分から言っても、もうすこし、シートで身体を横方向にサポートしてくれた方がいい。




 その点は後席も同様。サイズもかけ心地もいいが、もう少しサポートが欲しい。




 いろいろ工夫されている荷室と後席可動機能。バックレスト背面のレバーでスライド可能。




 もちろんこれもワンタッチ。




 アンダーフロアスペースもこの深さ。



エンジン・トランスミッション

 振動の少ない、作りなれたおなじみの3気筒エンジンによく調整されたCVTトランスミッション。アイドルストップの再始動レスポンスは素早く、また停車/アイドルストップ中にもブレーキペダルの踏力を弱めることでエンジンをかける(ブレーキをかけつつ再始動スイッチを反応させる)という任意コントロールも可能。しかもこのクルマにはヒルスタートシステム(後退防止機能)が備わる。これはアイドルストップ車に必要な装備。他では備えないものが多い。ムーヴ、気が利いている。




 エンジンパワーは必要充分。数値は従前より下がっているようだが実用領域の使い勝手を重視してのことと聞いている。まさにそのとおりになっていて、街中を走ったり、国道のやや速い流れをリードしたり、この範囲で不足はない。



足廻り

 注文があるとするならこの分野だろう。硬い柔らかいでいうと柔らかい。それ自体は問題なく、凹凸の吸収や振動の抑制、フラットさも軽自動車として見るとか見ないとか以前に、乗用車としてこれで充分。




 しかし、高い重心に対して、コーナリング時のロール運動軸が低い位置にあり、簡単に言うと頭が振られるのだ。乗員にとっても「オットット」感があって、それゆえ上述のとおりシートのサポートがもう少し欲しい、という感想にも繋がる。これはサスペンションの取り付け位置などの調整でロール運動軸を高くすれば解消する。が、そう簡単なことではないだろう。スペースの制約があり、例えばサスペンションアーム長、ストローク長にも自由度が低いであろう軽自動車にそれを求めるのは難しいだろう。



結論

 アイドルストップだけではなく、目立たなくとも新技術の投入、またホイールベースを短縮しながら室内空間は軽自動車として最大級のレベルを維持しているなど、地味にチカラが入っているのが新型ムーヴである。乗ってみれば粛々と滑らかに、視界広く爽快に走る。この種のボディとしてはワゴンRが元祖だと認識されているが、最近のワゴンR、どうもこちらに寄ってきているように感じるのは筆者だけだろうか。ま、いずれにしても軽自動車のスタンダードとして安定感のある商品であると同時に、時代の流れにもソツなく対応。軽自動車であることに意味を見出せる、ムーヴは現代のカローラである。






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5段階評価/★★★★





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試乗データ

試乗日:2011年1月13日
試乗車:ムーヴ X "LIMITED"(車両本体価格:1,320,000円)
型式:DBA-LA100S
駆動方式:FF
全長×全幅×全高:3395×1475×1635mm
ホイールベース:2455mm
最小回転半径:4.4m
車両重量:810kg
トランスミッション:CVT
ボディタイプ:5ドアワゴン
ボディ色:ブライトシルバーメタリック<S28>
内装色:ベージュ/ファブリック



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メーカーサイト
http://www.daihatsu.co.jp/lineup/move/



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ご留意ください
この試乗記は貴方の試乗を代行するものではありません。
感じ方や考え方には個人差があります。
また、製品は予告なく改良される場合があり、
文中にある評価がそのまま当てはまらない場合もあります。
購入前にはぜひご自分で試乗をしてよくお確かめください。








前田恵祐


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