「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

#073 ホンダ流の上手な贅沢とは...

ホンダ フィットシャトル ハイブリッド 試乗インプレッション(2011.7)
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~ 試乗記の読み方 ~

 この試乗記は筆者による個人的な印象記に過ぎず、ここに記された内容は必ずしも読者が実車から抱く感想と一致しない場合があります。人間にはそうした個人差、個体差があるものなのです。それが俗に言う個性であり多様性と言い換えてもいい。故にこの試乗記を鵜呑みにしてはいけません。車両購入の際には必ず購入者自ら実車に触れて検証と確認を怠らず、購入者が主体性を持って車種選定の判断を行うことが原則です。したがって・・・

買うときには自分で試乗して確かめる
筆者の言うことに左右されない
自分がいいと思ったものを購入する

・・・これらのことは最低限です。当たり前のことですが、それができない人が多いようです。この試乗記は指示書でも教科書でもバイヤーズガイドでもなく、購入者に試乗の手間を省かせる目的のものではありません。だとしたら何者であるかというと、クルマを「検証する手法」の提示をしているに過ぎません。しかし、その検証の手法、いわゆるモノサシというものがかなりブレているのが今の世の中、今のユーザーのように筆者には見受けられます。そこで、「私ならこのように確かめる」という意味合いでこのような記事の掲出を行っているもの、とご認識いただきたいと思う次第です。


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 時代と共に贅沢の形は変わってきている。そのことに敏感に反応できる人はこういうクルマを買う、ということなのだろうか。はっきりといえることは、新しい贅沢とはどうやらインスパイアやレジェンドを買うことではなさそうだということだ。



エクステリア



 フィットのスタイルは若々しく爽やかさのあるものだったが、キャッチコピーにも「贅沢」が用いられているように、シャトルの狙いは少し年齢層を上げているようだ。




 第4ピラーがどことなくかつてのシビックシャトルを髣髴とさせる。シビックシャトルはコンセプトが明快で新しい生活観を体現するクルマだった。あの20年以上前にシビックシャトルが提唱したものと比べ、このフィットシャトルが大きく進歩しているかどうかは疑問の残るところ。必ずしも新しくはない。




 リアの処理が重くなりすぎていないところがいい。



視界・扱いやすさ



 運転席からの眺めは通常のフィットと同じ。ベランダのように明るいダッシュボードがあり、見晴らしもいい。個人的には機能部分のデザインはもっとシンプルに、さっぱりさせた方がいい。そのほうが「高い」年齢層にも優しいはずだ。



インテリア・ラゲッジ



 シートのかけ心地もフィットと共通。しかし表皮やカラリングは落ち着いたものが選ばれている。渋めのテキスタイルにレザー(このクルマは合皮)の組み合わせは少しありてい。従前の高級車が持っている趣味性をそのまま降ろしてきたものでしかない。色や素材の選択にはもう少し新しい感覚でデザインしても良かった。




 後席のスペースは事実上通常のフィットと同じ。ホイールベースも同じ。それで充分以上。後席中央3点式ベルト、ヘッドレストあり。




 "シャトル"の見所はここ。ゴルフバッグ4つ収納可能がウリ。この点からもターゲットとする年齢層が知れる。



エンジン・トランスミッション

 フィットハイブリッドやそれ以前の二代目インサイト、シビックハイブリッドから続くこのシステムだが、印象の上で目立ったアップデートは感じられない。例えばもっとスムーズにするとか、燃費をそのままに加速感をより伸びやかにするとか・・・




 もちろんエンジンとモーターを直列に繋ぐIMAはそれ自体システムが簡素でウエイトも比較的軽い。しかし今後エンジンはその主役の座から徐々に退いていく。そう考えればIMAはあくまで暫定的な仕組みであることがわかる。ホンダもきっとこの後に来るべきシステムを考えているはずだから、IMAだけに注力するわけにもいかないのだろう。今のように「ハイブリッド」というだけで売れるようなうちはいいが、より重要なのはそうではなくなった時のことだ。



足廻り

 フィットの美点はしなやかな足さばきで、それはこのシャトルにも受け継がれている。このモデルのデビュー当時から感じていたことだが、振動が少なく滑らかで静か、フラットな走りはクラスを超えている。改めて"シャトル"としてよりハイグレードなクルマを目指すのも不思議ではない。




 シャトルになって全長は長くなったがホイールベースは変わっていない。ホイールベースを伸ばすのはコストのかかることだが、それをやったなら走り味はさらにゆったりとしたものになったのではないだろうか。現状に不満はないけれど。



結論

 フィットは安いハイブリッドを目指し、シャトルはさらに少し贅沢な印象を与え、荷物も載せたかった。ハイブリッドカーは今、基本形が完成し、ハイブリッドを横展開していくという段階に入っている。しかしハイブリッドシステムそのものも同時進行で進化が必要であるし、それを用いた新しい価値観の乗用車を生み出していくという将来像も必要だろう。そうした段階だからこそ、ホンダらしい思い切った提案に期待する面も、あるのだが・・・









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5段階評価/★★★
☆☆
・いいクルマだが、常識的なところ(-1)
・パワートレーンの明確なアップデートがほしい(-1)



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試乗データ

試乗日:2011年7月21日
試乗車:フィット・シャトル HYBRID・スマート セレクション(車両本体価格:1,935,000円)
型式:DAA-GP2
エンジン:LDA-MF6
トランスミッション:ホンダマルチマチックS(CVT)
駆動方式:FF
全長×全幅×全高:4410×1695×1540mm
ホイールベース:2500mm
最小回転半径:5.1m
車両重量:1200kg
ボディタイプ:5ドアワゴン
ボディ色:アラバスターシルバー・メタリック
内装色:ブラック×ブラウン(合皮+布)
装着されていたオプション:
 Honda HDDインターナビ(279,300円)



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メーカーサイト
http://www.honda.co.jp/FITSHUTTLE/



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ご留意ください
この試乗記は貴方の試乗を代行するものではありません。
感じ方や考え方には個人差があります。
また、製品は予告なく改良される場合があり、
文中にある評価がそのまま当てはまらない場合もあります。
購入前にはぜひご自分で試乗をしてよくお確かめください。







前田恵祐


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