「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

#074 スカイアクティブ第一弾

マツダ デミオ 13-SKYACTIV 試乗インプレッション(2011.7)
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~ 試乗記の読み方 ~

 この試乗記は筆者による個人的な印象記に過ぎず、ここに記された内容は必ずしも読者が実車から抱く感想と一致しない場合があります。人間にはそうした個人差、個体差があるものなのです。それが俗に言う個性であり多様性と言い換えてもいい。故にこの試乗記を鵜呑みにしてはいけません。車両購入の際には必ず購入者自ら実車に触れて検証と確認を怠らず、購入者が主体性を持って車種選定の判断を行うことが原則です。したがって・・・

買うときには自分で試乗して確かめる
筆者の言うことに左右されない
自分がいいと思ったものを購入する

・・・これらのことは最低限です。当たり前のことですが、それができない人が多いようです。この試乗記は指示書でも教科書でもバイヤーズガイドでもなく、購入者に試乗の手間を省かせる目的のものではありません。だとしたら何者であるかというと、クルマを「検証する手法」の提示をしているに過ぎません。しかし、その検証の手法、いわゆるモノサシというものがかなりブレているのが今の世の中、今のユーザーのように筆者には見受けられます。そこで、「私ならこのように確かめる」という意味合いでこのような記事の掲出を行っているもの、とご認識いただきたいと思う次第です。


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 技術にはポリシーという裏打ちがあって初めて骨太な製品となる。考えが定まらずフラフラするようなものではダメである。あるいは主流となる技術に対して非主流は存在する。そうした非主流はよほどなポリシーがないと主流に対して主張ができない。マツダはハイブリッドを持たないメーカーだが、スカイアクティブのような技術を育ててきたのは彼らの反骨精神があったからに他ならない。



エクステリア



 今回初めてマイナーチェンジが施されたが、それでも一見旧型とは区別がつかないほどイメージは似通っている。それは旧型の評判が良かったということと、イジりようがなかった、その完成度の高さを意味している。依然として優れたデザイン。




 優れたデザインとは時を経ても変わらず愛されるものだ。



視界・扱いやすさ

 前方視界は悪くないし、室内も明るい。サイドのウエストラインが前に向かってなだらかに下っているため斜め前方の視界がすっきりとしている。ミラーは大きく、しかもその周辺のピラーなどの設計がうまくて、よく見える。




 ダッシュボードの操作性はシンプルで良いが、少し子供っぽいかな。エアコンの噴出し口はスポット的で、冷気が拡散しにくいような気がする。メーターパネルのデザインは少しおとなしくなり、見やすくなった。



インテリア・ラゲッジ



 シートのかけ心地は悪くはないが、昨今のライバルたちがよりしっとりとしなやかなかけ心地を持っていることを知ると、もう一つ特徴は欲しい。圧面はバランスよく分散され疲労も溜まりにくい。機能としては及第点以上だが。ただし、このSKYACTIVグレードのシートは専用で、内部構造に軽量化をほどこしたものらしい。言われなければわからない。そう考えると上出来と言えるだろう。内装色は黒一色かこのライトグレーを組み合わせたもの。ダーク系の車体にライトグレーの内装は濃淡がはっきりとしてちょっといいなと思う。




 後席はほどほどに座れる。大人の男でもどこか体が支えるわけでもない。これだけのものがあれば、このクルマのパーソナルカーとしての性格からして充分。このグレードではオプション選択によって後席3名分のヘッドレストと3点式シートベルトが揃う。




 ラゲッジスペースはごらんのとおり。分割可倒もするが、絶対的な広さを求めるなら別の車種をお求めください、ということである。



エンジン・トランスミッション

 直噴の高圧縮エンジンゆえに、先入観として振動が大きかったり、ノイズが聞こえたりするのではないかと思って走り出したが、期待は良い意味で裏切られ、実にふつうの1.3リッターエンジンである。走行1000キロに満たない試乗車はまだ本来の力を発揮していなかったようだが、それでも出足良く爽快にスピードに乗っていく。




 アイドリングストップと同時に後退防止ブレーキも備わっていて抜かりはない。CVTの制御も常識的で、この点でも違和感は全くないが、エンジンの透過音そのものは最近のこの種のクルマの基準よりやや大きい感じがする。いたずらに遮音材を仕込んで重くなるわけには行かないが、燃費に影響を及ぼさずにより静かに仕上げられていたなら評価をより高めたはずだ。



足廻り

 マツダ車のエンジン音はどこか乾いた感じがして、それがラテンを思わせるところがある。足回りも、芯はあるが姿勢変化はある程度許すという、やはりちょっとラテン、と取れなくもない設定。ならばもうすこしハンドルを締め上げて中立付近をもっと正確に、パワステももう少しどっしりとさせたなら本格的。




 足回りからの騒音や振動も、やはりはっきりとある。ベースグレードと比べるとややコワめ(硬め)のアシで、大入力を充分にいなしきれていないところもある。タイアの踏面もやや硬い。最新のライバルが持つしなやかさと比べられると分が悪いか。もうデビューから3年以上経過しているのだから、多くを求めては酷ではある。



結論

 求めやすい価格、台数の出る車種に新しい技術を搭載してきたのは、やはり自信をもっているからだろう。短時間の試乗では様々な使用状況下での使い心地や燃費を計測できない。しかし、額面どおり、あるいはそれに程近い燃費効率を多くの場面で実現できるならこれは大きな可能性となる。






 電気を用いて燃費効率を上げていくという、ひとつの定番ともいうべき技術に対し、そうではないアプローチで同様の成果を得るという新たな技術革新がここで起こったといえる。スカイアクティブは世論に程近い感覚で作られた技術とは異なり、様々な方向から検証を重ねることで、きわめて冷静に生み出された新技術である。日本の自動車会社の中にそうした目を持った技術者がいるということに私は安堵を覚えるし、同時にこれからも大いに成長を続けられる、その資質のある産業であることを再認識するのである。







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5段階評価/★★★★★
・スカイアクティブの考え方、アプローチの仕方(+1)
・車体自体のアップデートがあまり感じられなかった(-1)



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試乗データ

試乗日:2011年7月21日
試乗車:デミオ 13-SKYACTIV(車両本体価格:1,400,000円)
型式:DBA-DEJFS
エンジン:P3-VPS
トランスミッション:CVT
駆動方式:FF
全長×全幅×全高:3900×1695×1475mm
ホイールベース:2490mm
最小回転半径:4.7m
車両重量:1010kg
ボディタイプ:5ドアハッチバック
ボディ色:アクアティックブルーマイカ
内装色:ライトグレー
装着されていたオプション:SKYACTIVパッケージ1(50,000円)
   シートベルト リアシート ELR3点式×3
   リアシートヘッドレスト(左右席/中央席)上下可動式
   オートライトシステム
   レインセンサーワイパー(フロント)感度調整式
   撥水機能(フロントドアガラス/ドアミラー)
   ダークティンテッドガラス(リアドア/リアゲート)
   LEDドアミラーウインカー
   フロントシート運転席ラチェット式シートリフター
   リアシート6:4分割可倒シートバック



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メーカーサイト
http://www.demio.mazda.co.jp/



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ご留意ください
この試乗記は貴方の試乗を代行するものではありません。
感じ方や考え方には個人差があります。
また、製品は予告なく改良される場合があり、
文中にある評価がそのまま当てはまらない場合もあります。
購入前にはぜひご自分で試乗をしてよくお確かめください。







前田恵祐


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