「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

#078 実りあるマイナーチェンジ

マツダ アクセラ・スポーツ20S-SKYACTIV~試乗インプレッション(2011.12)
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~ 試乗記の読み方 ~

 この試乗記は筆者による個人的な印象記に過ぎず、ここに記された内容は必ずしも読者が実車から抱く感想と一致しない場合があります。人間にはそうした個人差、個体差があるものなのです。それが俗に言う個性であり多様性と言い換えてもいい。故にこの試乗記を鵜呑みにしてはいけません。車両購入の際には必ず購入者自ら実車に触れて検証と確認を怠らず、購入者が主体性を持って車種選定の判断を行うことが原則です。したがって・・・

買うときには自分で試乗して確かめる
筆者の言うことに左右されない
自分がいいと思ったものを購入する

・・・これらのことは最低限です。当たり前のことですが、それができない人が多いようです。この試乗記は指示書でも教科書でもバイヤーズガイドでもなく、購入者に試乗の手間を省かせる目的のものではありません。だとしたら何者であるかというと、クルマを「検証する手法」の提示をしているに過ぎません。しかし、その検証の手法、いわゆるモノサシというものがかなりブレているのが今の世の中、今のユーザーのように筆者には見受けられます。そこで、「私ならこのように確かめる」という意味合いでこのような記事の掲出を行っているもの、とご認識いただきたいと思う次第です。


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エクステリア

 
現行型アクセラのデザインは、初代アクセラのものを下敷きに各部をイメージチェンジしたものだ。その点では現行ゴルフとゴルフ5の関係にも似ている。




 衝突時の歩行者保護の観点からフロントマスクのデザインに制約は多い。そのなかでキャラクターを打ち出すことに各社苦労をしているわけだが、マツダのデザインはどちらかというとヨーロッパ的。プジョーに通じる印象もある。




 顔の変化に比べてサイドからは旧型の印象がすこし見て取れる。




 個人的にテールランプが白いのは、安全の観点から疑問。しかし全体のデザインはすっきりしている。



視界・扱いやすさ



 アクセラのダッシュボードデザインは独特。タコメーターやスピードメーターはいつもの位置にあり、補助のモニターはセンター側にまとめて配置している。これはとても整理された印象で視認性も高い。うまくデザインしていると思う。オーディオ用のスペースは2DINで確保。




 視界に閉塞感はないが、ナニゲにAピラーは太め。



インテリア・ラゲッジ



 前席はスポーツタイプでサポートもしっかりしている。それ以上に背中のラインにしっかりとせもたれがフィットするその安心感もいい。

前席頭上空間:こぶし1つ+α




 後席スペースは余裕たっぷりというわけではない。ちょっと残念。また天井も低いため着座点を高く出来ない。後席3名分の3点式シートベルトとヘッドレストを備える。

後席頭上空間:手のひら1枚
後席膝前空間:こぶし1.5個




 ラゲッジはこう。



エンジン・トランスミッション

 新しいスカイアクティブ直噴エンジンはトルクもあり扱いやすい。後述する6段ATが高めのギアを選択してもキックダウンせず粘りがある。といって回せば爽快に伸びる。そこはマツダエンジン。アイドリングストップも再始動のレスポンスはさらに早くなった。




 粘るエンジンがあるから新6段ATは極低速からロックアップ領域をもち、シフトアップも早め早めに行なわれる。トルコンだがほぼダイレクト。だから運転にはATのスベリがあると思ってスロットルは深めに踏まないこと。折角の燃費性能を生かせない。少ないスロットル開度でもスッと前に出る。手動シフト時の反応も早い。レスポンシブにしてスムース。にしてスポーティ。




 わたしのドライビングスコアは4.9。



足廻り

 新型アクセラでもっとも進歩を感じたのはこの部分。遮音や振動処理の手が入ったとの説明を受けたが、それはただ遮音材を詰め込んだだけではないようだ。前期モデルでは足回りや車体が振動を減衰しきれずクルマ全体が共振するようなシーンもあったが、今回のモデルはかなりそこが押さえ込まれている。洗練度が増した。





 ステアリングはクイックで初期応答の良さを「演出」しているような印象もなくはないが、追従も良い。恐らくや組み付け剛性なども見直されたのだろう。全体の味わいはドイツ的。同時に上述のとおり音、振動の処理がよくなったから、ちょっとしっとりした印象も得た。熟成改良とはこういうものだ。ただし試乗車のオプション装着17インチはやや乗り心地に不利。ハーシュネスも強め。標準の16インチや15インチのほうが釣り合いが取れているのではないだろうか。



結論

 電気全盛の国産エコカーにあって、ガソリンエンジン単体で成果を高めるアプローチは異質だが、一つの考え、ひとつの方法よりも、様々な観点から多角的に検証を重ねながら進化することのほうが、技術とノウハウに幅がでてくる。日本人はこれとなれば皆右に倣えで、それしかしなくなるが、そうした日本にあってマツダのような考え方は貴重だ。






 アクセラのマイナーチェンジはただ細部を適当にいじっただけでお茶を濁す小手先の改良ではなく、エンジン技術をはじめとして、クルマ全体の仕上がりも一段と磨きがかかった、実りあるマイナーチェンジといえる。この点でもマツダというメーカーの良心的な姿勢が見て取れるし、モノわかるファンの揺るがぬ支持の理由もわかる気がする。

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5段階評価/★★★★★
いい仕事をしている。価格も妥当。

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試乗データ

試乗日:2011年12月2日
試乗車:アクセラ・スポーツ20S-SKYACTIV(車両本体価格:2,150,000円)
型式:DBA-BLFFW
エンジン:PE-VPS
トランスミッション:6速AT/アクティブマチック
駆動方式:FF
全長×全幅×全高:4460×1755×1465mm
ホイールベース:2640mm
最小回転半径:5.1m
車両重量:1330kg
ボディタイプ:5ドアハッチバック
ボディ色:スカイブルーマイカ
内装色:ブラック/布
装着されていたオプション:
  ツーリングコンフォートI(90,000円)
  ・ディスチャージヘッドランプ(ブルーリング付)
  ・アダプティブ・フロントヘッドライティング・システム
  ・205/50R17 89Wタイア&17インチアルミホイール
  ツーリングコンフォートII(50,000円)
  ・クルーズコントロール
  ・リアビークルモニタリングシステム(RVM)
  ・自動防眩ルームミラー
  ・パーキングブレーキレバー 本革巻

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メーカーサイト
http://www.axela.mazda.co.jp/

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ご留意ください
この試乗記は貴方の試乗を代行するものではありません。
感じ方や考え方には個人差があります。
また、製品は予告なく改良される場合があり、
文中にある評価がそのまま当てはまらない場合もあります。
購入前にはぜひご自分で試乗をしてよくお確かめください。





前田恵祐


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