「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

#083 クルマの熟成を確かめる

日産 ラフェスタJOY~試乗インプレッション(2012.2)

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~ 試乗記の読み方 ~

 この試乗記は筆者による個人的な印象記に過ぎず、ここに記された内容は必ずしも読者が実車から抱く感想と一致しない場合があります。人間にはそうした個人差、個体差があるものなのです。それが俗に言う個性であり多様性と言い換えてもいい。故にこの試乗記を鵜呑みにしてはいけません。車両購入の際には必ず購入者自ら実車に触れて検証と確認を怠らず、購入者が主体性を持って車種選定の判断を行うことが原則です。したがって・・・

買うときには自分で試乗して確かめる
筆者の言うことに左右されない
自分がいいと思ったものを購入する

・・・これらのことは最低限です。当たり前のことですが、それができない人が多いようです。この試乗記は指示書でも教科書でもバイヤーズガイドでもなく、購入者に試乗の手間を省かせる目的のものではありません。だとしたら何者であるかというと、クルマを「検証する手法」の提示をしているに過ぎません。しかし、その検証の手法、いわゆるモノサシというものがかなりブレているのが今の世の中、今のユーザーのように筆者には見受けられます。そこで、「私ならこのように確かめる」という意味合いでこのような記事の掲出を行っているもの、とご認識いただきたいと思う次第です。


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 新車情報としてのクルマ記事は多く掲出されるし、多くの人にはそのときの情報で一台のクルマが周知されていく。しかしクルマは同一車型で最低4年。長くて7~8年製造され、その期間内にはマイナーチェンジとされる改良のみならず、目に見えない改善が施されることも少なくない。ま、中にはコストダウンで省略されてしまうことも無いではないが、それらの活動によりクルマは同一車型でも時を経るごとに熟成されていく。今回は日産ラフェスタJOYで、その様子を確認してきた。



エクステリア



 四角く長方形の基本スタイル。前期型はポップな印象の灯火類やボデーカラーで明るい印象だったが、後期型になってからは地味な印象に軌道修正された。個人的に、デザインだけなら前期の方が好みに合う。マツダから調達するハイウェイスターもある今、製造ラインも整理したいだろうに、オプションの大型ガラスルーフを残したのはエラい。




 乗用車とミニバンの間をとった大きさ。丁度いいと思うのだが、今の市場傾向はもっと大きく背の高いものへ行くか、あるいはもっと小さいものを安く買う、という方向だそうだ。5ナンバーサイズであることも大きな魅力。取り回しもいいし、なにより小さいというだけで、私は賢いと思ってしまう。デカければエラいというものではない。小さくこじんまりとまとまりながら、内容が詰まっている、という姿がいいのだ。




 四角く絞込みの少ないカタチをこじんまりと、うまくデザインしている。



視界・扱いやすさ



 ダッシュボードのデザインは簡潔で、今となっては素っ気無いものだが、後席へ届くように別箇に設定されたエアベンチレータなど、細かい配慮も見られる。メーター類のデザインはシンプルだが、あまり凝りすぎて情報を増やしすぎても煩わしいものだ。




 後方も含め視界良好。ピラーも邪魔でない。シートの高さもほどほどで見晴らし感も広い。運転環境は、特に凝っていないがストレスも無く、これでいい。充分。



インテリア・ラゲッジ



 インテリアカラーは黒に統一されてしまった。ま、汚れが目立たなくていい、と解釈する。シートは日産一連のクッションストロークのたっぷりした、それでいて腰や背中の押さえもしっかりしている優れもの。マツダ製では得られないポイントの一つ。じつに快適。シートがサスペンションの一部になっている。上述、運転環境と相まって、ドライブは快適でストレスが少ない。その点がこのクルマの大きな魅力だ。

前席頭上空間:こぶし縦に1つ半




 前期型はこの部分、布張りではなかった。




 後席は広々でこそ無いが車体のサイズを勘案すればこれで充分。ファミリーカーとして妥当なレベルだろう。シートの出来も前席同様これで充分快適。中央シートベルトが二点式でヘッドレストもないのは設計年次ゆえしかた無しか。

二列目頭上空間:こぶし1+α
二列目膝前空間:こぶし1+α


 三列目は常用すべきシートではないが、あるのと無いのとではやはり違う。その程度のものだし、それで充分。年に数回でも、「オレも乗せていってくれよ」というリクエストに応えられるだけで持ち主の親切度が上がるというものだ。




 ラゲッジも、やはり三列目を倒して初めてこのクルマらしく使える。このアングルでわかるが、車輌の断面形状から上下に絞り込まれていないのがわかる。頭上の周囲空間にゆとりを生み、圧迫感を抑えているから、この車輌サイズにしてそれ以上の広さを感じさせてくれるのだ。



エンジン・トランスミッション

 MR20に他に採用されているアイドリングストップが盛り込まれていないのが残念。やはりこのクルマはメインストリームにないのだな、と思わせる。




 しかし静かで滑らか。そこを強調したい理由は、初期のものは騒音や振動の処理がもっと粗忽だったから。マイナーチェンジを境に静粛性、スムースネスを身につけた。トルク型と敢えていうほどではないが、発生のし方がフラットで使いにくい谷間のようなところがなく、やはりストレスが無い。これは高速に乗っても同様。



足廻り

 最新の例えばセレナほどガッシリ感は無いが、それでも、サスペンション部品の取り付けがしっかりとしていて、アシがキレイに動いている感じが心地よい。柔らかく、鷹揚とした態度で路面の凹凸やうねりをやり過ごす。プラットフォームはルノーと共通で、やっぱり実際にもルノーっぽい味わい。また、上述のとおり、シートがその印象の良さに寄与する。長距離にも向く。




 このあたり、前期型との違いがハッキリ出ている。騒音、振動、突き上げに対する処理は後期型のほうがハッキリと手厚い。恐らくや剛性アップ、ダンパーやブッシュなどのチューニング、遮音材など、かなりの見直しがなされたはずだ。洗練という言葉が相応しい。



結論

 せっかく新車を買うならより新しいものの方がよいと思うだろう。しかしクルマは生鮮野菜ではない。見た目や新しさより、「実」を取るならラフェスタJOYは俄然輝きを増す。日産は恐らくマツダから調達した新ラフェスタを主力とし、このクルマをラインナップから落とす方向だろう。しかし、選べるのは今のうちだ。マツダ製を考えているならぜひこのクルマにも試乗してみて欲しい。長く丁寧に改良しながら作り続けられた製品だけがもつ、細部に配慮の行き届いた魅力を味わえたならそれは賢い選択を導くだろう。










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5段階評価/★★★★
アイドルストップが載れば・・・(-1)






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試乗データ

試乗日:2012年2月2日
試乗車:ラフェスタJOY/X(車両本体価格:1,793,400円)
型式:DBA-A30
エンジン:MR20DE
トランスミッション:エクストロニックCVT
駆動方式:FF
全長×全幅×全高:4530×1695×1600mm
ホイールベース:2700mm
最小回転半径:5.1m
車両重量:1410kg
ボディタイプ:5ドア3列シートミニバン
ボディ色:サファイアブルー(PM)<#B53>
内装色:ブラック<G>
装着されていたオプション:
  日産オリジナルナビゲーション(MP111-A)
  フロアカーペット






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メーカーサイト
http://www2.nissan.co.jp/LAFESTA/index.html








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ご留意ください
この試乗記は貴方の試乗を代行するものではありません。
感じ方や考え方には個人差があります。
また、製品は予告なく改良される場合があり、
文中にある評価がそのまま当てはまらない場合もあります。
購入前にはぜひご自分で試乗をしてよくお確かめください。






前田恵祐

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