「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

#091 魅力たっぷり新ディーゼル

マツダCX-5 XD ~ 試乗インプレッション(2012.4)
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~ 試乗記の読み方 ~

 この試乗記は筆者による個人的な印象記に過ぎず、ここに記された内容は必ずしも読者が実車から抱く感想と一致しない場合があります。人間にはそうした個人差、個体差があるものなのです。それが俗に言う個性であり多様性と言い換えてもいい。故にこの試乗記を鵜呑みにしてはいけません。車両購入の際には必ず購入者自ら実車に触れて検証と確認を怠らず、購入者が主体性を持って車種選定の判断を行うことが原則です。したがって・・・

買うときには自分で試乗して確かめる
筆者の言うことに左右されない
自分がいいと思ったものを購入する

・・・これらのことは最低限です。当たり前のことですが、それができない人が多いようです。この試乗記は指示書でも教科書でもバイヤーズガイドでもなく、購入者に試乗の手間を省かせる目的のものではありません。だとしたら何者であるかというと、クルマを「検証する手法」の提示をしているに過ぎません。しかし、その検証の手法、いわゆるモノサシというものがかなりブレているのが今の世の中、今のユーザーのように筆者には見受けられます。そこで、「私ならこのように確かめる」という意味合いでこのような記事の掲出を行っているもの、とご認識いただきたいと思う次第です。


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 エコカーは一つじゃない。マツダはそう言っているようだ。デミオ/アクセラで既に製品化されているスカイアクティブ技術。CX-5は車体、エンジン、トランスミッションと、全てにおいてスカイアクティブの新指針に基づいた設計が用いられている。なかでも新しいクリーンディーゼルエンジンは、エコ性能のみならず走りにおいてもかなりの自信をもっているようだ。各社開発を行なっているものの製品化し日本で売り出しているものはまだ少ない。その自信のほどを確かめて来た。



エクステリア



 アクセラをSUVにしたようなスタイル。特徴的な五角形グリル。しかしちょっと地味かな。このカテゴリには日産ジュークという強敵の存在もあるため、そう思えるのかもしれないが。




 幅はあるが、無駄に長くなることを避けているデザインだと感じた。小回りが利く。




 テールランプのデザインは、10年以上前のアルファ156あたりに端を発したトレンドだが、そろそろ新しいアイデアの提案も欲しい。



視界・扱いやすさ



 昨今の潮流として、フロントガラスをいたずらに寝かせすぎず、ダッシュボードも奥行きを採り過ぎない傾向があり、このクルマもそれに則っている。コクピットのデザインは、視線移動の観点からも充分な配慮があり、機能も整理させている。




 Aピラーはちょっと太め。




 バックカメラ、サイドブラインドカメラはここに写る。ナビを買わなくてもつくようになった。他、急激なアクセル操作を感知し誤発進を予防する装置、後方からの車輌接近を感知する装置、また、低速度で先行車との接近を感知する装置などもある。アイサイトほど大袈裟ではないしカタログでも大きく扱われていないが、日常の小さななミスによる事故を未然に防ぐ工夫と気配りがなされている。



インテリア・ラゲッジ



 座った第一印象が今までのマツダ車のシートと異なり、優しい。表層部分の素材だけを柔らかくしたのだと思うが、その証拠に沈み込んで腰が痛くなることは無い。形状はバケットに見えるがユッタリ坐れるタイプ。

前席ヘッドルーム:こぶし1つ半




 後席もほどほどのスペース。適度に視野が確保されている点が、実際の広さ以上に居心地に好作用として働いている。このサイズのファミリーカーとして充分だろう。

後席ヘッドルーム:こぶし1つ+アルファ/膝前:こぶし1つ




 ラゲッジスペースも広大でこそ無いが充分な広さ。ここでも感じる印象として、スペース配分に無駄や偏りが無く、前後席、ラゲッジと、それぞれに無駄なくスペースを充てている。




 カラクリフォールド。ラゲッジスペース側壁レバーで後席背もたれを倒すことも可能。背もたれは4:2:4の3分割可倒。




 トノカバーはラゲッジアンダーフロアに仕舞えるようになっている。



エンジン・トランスミッション

 
注目の2.2リッター、ターボディーゼルエンジン。以前より静かにはなったが、でもガソリンと同じではない。振動は押さえ込んでいるが特有のガラガラ音は時々する。しかしそんなことを気にしてはいけない。極めて広いロックアップ領域を持ち、まるで乾式ツインクラッチのようにダイレクトでいて、それよりも遥かにスムースに作動する6段ATとの組み合わせで、走り出しからキビキビと、力強く、しかもよく回り、今時珍しいくらいの豪快さで加速。どこからでも、どの領域からでも行ける。




 一言で言うと、かなりのハイパフォーマンスエンジン。とても速いクルマだ。また同時に排ガスがクリーンで燃費も良いというのだから文句のつけようもない。交換やメンテナンスの要らないDPFなど、クリーンディーゼルにおける特有のネックにも対処がなされている。i-STOPも備わり、再始動レスポンスもガソリンエンジンにほぼ遜色ない。しかし、どうやら短距離ばかりの走行がかさなると按配がよろしくないという傾向は他社のものと同じようだ。ま、せっかく燃費も走りも良いのだから、バンバン走ってあげよう。




 デミオやアクセラのものより採点が厳しくなったとされるi-DM(インテリジェント・ドライブ・マスター)、それでも筆者は4.9を獲得。馬力があるからといってアクセルを踏み込みすぎるとこうはならない。



足廻り



 どちらかというと車体を水平に保っておきたいと思っている足廻りである点は他のマツダ車と同じ。しかし重心、着座位置も高いこのクルマだからか程好くダンピング方向に振られていて、ピシッと引き締まった中に優しくしなやかな身のこなしを見せる。ハンドルはこの種のクルマにしてはクイックだが、ロール剛性とのバランス良く、人の五感に忠実、自然な印象。試乗グレードはベースとなるXDでホイールは17インチ、上級のLパッケージになると19インチになる。17インチ仕様でも路面が悪いと振動を減衰しきれないところもあるから、19インチになるとスタイリングとの引き換えになるものが増えそうだ。



結論

 一見地味なクルマだが、技術指針全体においてマツダの骨太な哲学に貫かれた、爽やかな印象のクルマである。とくに新ディーゼルエンジンはキャラクターのあるいいエンジンだ。時々ガラガラいうが、筆者はむしろそのノイズは消さない方がいいとさえ思う。それもキャラクターの一部だ。そればかりか、随所に細かな気配りが施されていて、実際に乗って触れてみてわかる親切さのようなものもある。この内容で、例えばディーゼル搭載の最上級グレードでも車輌本体価格で300万円内外、そうでなくともベースグレードで一通りの装備は備わるから、個人的にはとてもお買い得だと思う。






 試乗中、写真撮影に止まるとその注目度の高さにも驚かされた。足を止めしげしげと観察する人、「これ新しいディーゼルでしょ?」と話しかけてくる人。何度も言って申し訳ないが、スタイルは地味なのにこの注目度。ちなみにもっと派手で目立ちそうなBRZではこのようなことはなかった。それだけこの新しい技術に対する感心と期待が高いのだと思わされる出来事だった。







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5段階評価/★★★★★
・地味なスタイル(-1)
・馬力とキャラクターのあるディーゼルエンジン(+1)



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試乗データ

試乗日:2012年4月10日
試乗車:マツダCX-5 XD(クロスディー、車両本体価格:2,580,000円)
型式:LDA-KE2FW
エンジン:SH-VPTS
トランスミッション:6段オートマチック
駆動方式:FF
全長×全幅×全高:4540×1840×1705mm
ホイールベース:2700mm
最小回転半径:5.5m
車両重量:1510kg
ボディタイプ:ステーションワゴン
ボディ色:ジールレッドマイカ #A3
内装色:ブラック/アクティブクロス
装着されていたオプション:
 ディスチャージパッケージ(80,000円)
  ディスチャージヘッドライト
  (ハイ/ロービーム:オートレベリング[光軸調整]機構付/バイキセノン)
  アダプティブ・フロントライティング・システム(AFS)
  オートライトシステム
  レインセンサーワイパー(フロント)感度調節式
 セーフティークルーズパッケージ(78,750円)
  リア・ビークル・モニタリングシステム(RVM)
  クルーズコントロール
  スマート・シティ・ブレーキサポート(SCBS)&AT誤発進抑制制御



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メーカーサイト
http://www.cx-5.mazda.co.jp/



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ご留意ください
この試乗記は貴方の試乗を代行するものではありません。
感じ方や考え方には個人差があります。
また、製品は予告なく改良される場合があり、
文中にある評価がそのまま当てはまらない場合もあります。
購入前にはぜひご自分で試乗をしてよくお確かめください。






前田恵祐


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