「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

#093 変わらぬ哲学に秘めた変化

BMW 328i(F30) ~ 試乗インプレッション (2012.5)
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~ 試乗記の読み方 ~

 この試乗記は筆者による個人的な印象記に過ぎず、ここに記された内容は必ずしも読者が実車から抱く感想と一致しない場合があります。人間にはそうした個人差、個体差があるものなのです。それが俗に言う個性であり多様性と言い換えてもいい。故にこの試乗記を鵜呑みにしてはいけません。車両購入の際には必ず購入者自ら実車に触れて検証と確認を怠らず、購入者が主体性を持って車種選定の判断を行うことが原則です。したがって・・・

買うときには自分で試乗して確かめる
筆者の言うことに左右されない
自分がいいと思ったものを購入する

・・・これらのことは最低限です。当たり前のことですが、それができない人が多いようです。この試乗記は指示書でも教科書でもバイヤーズガイドでもなく、購入者に試乗の手間を省かせる目的のものではありません。だとしたら何者であるかというと、クルマを「検証する手法」の提示をしているに過ぎません。しかし、その検証の手法、いわゆるモノサシというものがかなりブレているのが今の世の中、今のユーザーのように筆者には見受けられます。そこで、「私ならこのように確かめる」という意味合いでこのような記事の掲出を行っているもの、とご認識いただきたいと思う次第です。


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 BMWは文法を変えない。変えようとしてどうしてもFFが作りたいと思った時にはMINIという別ブランドを興す。FRレイアウトのスポーティにしてプレミアムなサルーンの定型を崩さないBMWの6代目3シリーズがどんな仕上がりか、確かめてきた。



エクステリア



 ここ数年のBMWは若返りの傾向だったが、そもそも根本的な部分で保守的なメーカー、車種だから大きくイメージは変えていない。




 オヤクソクのFRプロポーション。




 もはや5シリーズなんだか3シリーズなんだか・・・BMWであることは間違いない。3シリーズが大型化する理由は上位シリーズからのダウンサイジングを受け入れやすくする目的があり、かつ、今までの小ささがウリのBMWは1シリーズで受け止める。



視界・扱いやすさ



 操作系に関しても文法を簡単に崩さないのがいいところ。無用な加飾を控えたコンビネーションメーターにポリシーを見る。




 Aピラー付近はこんな感じ。ミラー基部付近など、すっきりとした視界への配慮はもう少しやれる余地がありそう。E36はピラー断面積とスッキリした視野を確保するためにピラーそのものを捻ったような形状にしてあったのに、そういう工夫はやめちゃったんですね。



インテリア・ラゲッジ



 タバコ色の洒落たカラリング。革シートはしっとりと身体に馴染み、優しいかけ心地。低反発の表層、しっかりとした芯部。この部分からして今までと違う。

前席ヘッドルーム:手のひら2枚(スライディングルーフ装着)




 後席含め、絶対的な広さは先代から大きく変化はないが、そもそも充分以上のスペース。

後席ヘッドルーム:手のひら1枚/膝前:こぶし1つ+アルファ




 トランクリッドはキー端末を所持していればバンパー下のセンサーに足を感知させ開かせることが可能。両手がふさがっている時に便利。ゴルフバッグは3つ収納可能との由。後席シートバックは4:2:4分割可倒。



エンジン・トランスミッション

 328だがエンジンは2リッター4気筒のターボ仕様。ダウンサイジングエンジン。大排気量の6気筒が持つ重厚感をかなぐり捨て、そのかわりに質量の軽いエンジンにターボ過給による蜜のようなコッテリとしたトルクを得た。静かでありBMWにしては異例なほどエンジンの存在感が小さい。充分にスムーズで振動も抑えられている。機械としての完成度は当然のように高い。




 アイドリングストップは、国産のそれを知っていればなんら動作ロジックに違和感を感じるところはないだろう。再始動レスポンスも早い。エンジンがかかるときに、ちょっとだけブルンとするあたりが唯一4気筒的。8速オートマは思ったよりクロスレシオでなく、各ギアの守備範囲は広く、オーバーラップしている感じ。適宜エンジンと負荷のバランスを見ながら素早くスムースにギアチェンジが行なわれている。エンジンの特性からして、敢えてマニュアルギアボックスで乗りたいとは思わせない、その点では珍しいBMWである。



足廻り

 現行5シリーズあたりから足回りのセッティングを変えてきているBMW。御多分に漏れずこのクルマの足回りもマイルドである。むろん、BMWのウリであるハンドルの正確さや俊敏さはそのまま。しかしいつまでもゴリゴリとアスファルトを擦り続けるような、時に過剰ともいえる手応えは引っ込めた。結果、なめらかさと適度な鋭さを両得していて、大人っぽい味付けだと思った。




 語弊を恐れずに言うなら、E36を飛び越してE30の頃のバランスのよさを思い出す。重力や遠心力を自然にいなしながら気持ちよく走る。



結論

 例えばドアの開閉音、開閉感を取っても、ここ二十年来のゴツさは姿を潜め、マイルドでしなやかな素振り、仕草を持つ。私はBMWのストイックなまでの「正確さ」の追及は嫌いではなかったが、時に度が過ぎてウザいと感じることがないでもなかった。簡単に言うと、仕事で疲れているときにまでハンドルにゴリゴリされたくない、ということである。そのあたりのニーズがあったのかなかったのか、昨今はうまくバランスが取れるようになってきたと思う。円熟味がある、それは今まで5シリーズオーナーだった人のダウンサイジングを受け持つ、という目的とも無関係ではないだろう。


 しかし328のエンジンがこうしてハイスペックとはいえ2リッター4気筒ターボになったとしても、価格はあまりダウンサイジングでない、そのあたりをユーザーはどう見るのだろうか。後発の320がチューン違いとはいえ同形式エンジン、ましてやさらに燃費良く価格も安い(約100万円差)となれば、パワーより燃費、今のユーザー指向、答えは簡単に出てしまうような気がする。







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5段階評価/★★★★
・価格体系への疑問(-1)

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試乗データ
試乗日:2012年5月8日
試乗車:BMW 328i LUXURY LINE(車両本体価格:5,860,000円)
型式:DBA-3B20
エンジン:N20B20B
トランスミッション:8段オートマチック
駆動方式:FR
全長×全幅×全高:4625×1800×1440mm
ホイールベース:2810mm
最小回転半径:5.4m
車両重量:1540kg
ボディタイプ:4ドアセダン
ボディ色:インペリアルブルー・ブリリアントエフェクト(A89)
内装色:サドル・タン(ダコタ・レザー/LCLX)
装着されていたオプション:
  インペリアルブルー・ブリリアントエフェクト(80,000円)
  ダコタレザーインテリア+フロントシートヒーティング(284,000円)
  電動ガラスサンルーフ (170,000円)

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メーカーサイト
http://www.bmw.co.jp/jp/ja/newvehicles/3series/sedan/2011/showroom/index.html

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ご留意ください
この試乗記は貴方の試乗を代行するものではありません。
感じ方や考え方には個人差があります。
また、製品は予告なく改良される場合があり、
文中にある評価がそのまま当てはまらない場合もあります。
購入前にはぜひご自分で試乗をしてよくお確かめください。




前田恵祐


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