「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

#094 ニューエイジは意外と大人

メルセデスベンツ B180 BlueEFFICIENCY ~ 試乗インプレッション(2012.5)
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~ 試乗記の読み方 ~

 この試乗記は筆者による個人的な印象記に過ぎず、ここに記された内容は必ずしも読者が実車から抱く感想と一致しない場合があります。人間にはそうした個人差、個体差があるものなのです。それが俗に言う個性であり多様性と言い換えてもいい。故にこの試乗記を鵜呑みにしてはいけません。車両購入の際には必ず購入者自ら実車に触れて検証と確認を怠らず、購入者が主体性を持って車種選定の判断を行うことが原則です。したがって・・・

買うときには自分で試乗して確かめる
筆者の言うことに左右されない
自分がいいと思ったものを購入する

・・・これらのことは最低限です。当たり前のことですが、それができない人が多いようです。この試乗記は指示書でも教科書でもバイヤーズガイドでもなく、購入者に試乗の手間を省かせる目的のものではありません。だとしたら何者であるかというと、クルマを「検証する手法」の提示をしているに過ぎません。しかし、その検証の手法、いわゆるモノサシというものがかなりブレているのが今の世の中、今のユーザーのように筆者には見受けられます。そこで、「私ならこのように確かめる」という意味合いでこのような記事の掲出を行っているもの、とご認識いただきたいと思う次第です。


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 メルセデスが前輪駆動にチャレンジするのは、なにも合理的なパッケージングをうたうためだけではない。先々のこと、つまり燃料電池車の展開を視野に入れているからに他ならない。しかしその副産物として合理的なレイアウト、コンパクトで使い勝手のいい小型車が出来上がった。今のところは小型高機能乗用車としての立ち位置ではあるが、年々その完成度は高まっている。FRサルーンではない、ニューエイジな(?)メルセデスの最新モデルに触れてきた。



エクステリア



 メルセデスのFFモデルとしてエポックだったのは初代Aクラス。そのデザインラインを下敷きにしてはいるものの、初代Aクラスのような先鋭的な印象は後退し、従来のメルセデスユーザーにも受け入れられやすい上品さも兼ね備えている。




 全長4365mm、全高1540mm。全幅の1785mmは日本のためにもう少し狭いほうがいいようにも思うが、コンパクトサイズのワゴンである。立体駐車場対応サイズ。




 リアのデザインは先代の印象を残す。



視界・扱いやすさ



 ステアリングホイールは外径小さめ、握りが太めでスポーティ。エアベンチレーターをはじめ、ダッシュボードの加飾はちょっと過剰かなとも思うが雰囲気は悪くない。シフトレバーはステアリングコラム右側。レバーというよりコマンダーといったおもむき。上級車種と似た仕組み。マニュアルシフトの操作はパドルでおこなう。前車との距離が狭まると警告を発するシステム標準装備。オプションでブレーキ制御を含むクルーズコントロールあり。




 Aピラー付近はこんな感じ。



インテリア・ラゲッジ



 決してたっぷりとしたサイズでこそないが、ストレスなく安心して身を預けられる「いつもの」あの感じ。メルセデスで感心するのはシートクロス。滑りにくさや通気などの機能性が高く、シートは硬さ柔らかさだけではないのだなと気がつかされる。

前席ヘッドルーム:こぶし1つ半




 後席の広さはCクラスを飛び越してEクラス級。床が低く自然な姿勢が採れるだけでなく、前席下につま先がすっぽり入るスペースがあるのもいい。いたって快適。

後席ヘッドルーム:こぶし1つ+アルファ/膝前:こぶし1つ+アルファ




 後席バックレストは6:4分割でフラットフロアになる。側面にはセキュリティの観点からか、カバーが取り付けられた収納スペースとされているが、このあたり潔く掘れるだけ掘ってくれればさらに実用本位なのに、と思う。



 室内全体のスペースはセニックやゴルフプラスあたりを知っていればそれに似ていると思ってもらえばいい。広くて視界よく、使い勝手に優れた室内、同時にドアアームレストにはソフトパッドが張り込まれる。望めばエレガントなカラリングの革張りシートや木目仕上げのフィニッシャーも用意され「メルセデス」な世界観の演出にも抜かりはない。



エンジン・トランスミッション

 1.6リッター4気筒ターボエンジン。環境性能に配慮したダウンサイジングエンジンであることはいうまでもないが、ターボエンジンの良さはしっとりとした回転感と息の長い加速感、同時に静粛性にもある。横置きエンジンに日が浅いメルセデス、これまでは振動や騒音について不慣れな面もあったが、このクルマに乗った限りではもう気にはならないだろう。アイドルストップは頻繁に作動し、再始動も機敏である。




 これまでのCVTから7段湿式DCTに置き換えられたトランスミッション。やはりCVTのネガ(=耐久信頼性、ファジーな運転感覚)を嫌っての措置だろう。より確実性の高い方式に改められたのは個人的に歓迎。メルセデスらしいと思う。レスポンスや変速マナーなどはぬかりなく躾けてある。高い完成度。



足廻り



 個人的にはFR系とは味付けの思想が違うのかなと思う。横置きFFだからというわけでもないだろうが、ドイツ車らしいピシッピシッとしたところと、反面メルセデス特有のややスローなハンドルの組み合わせが、決して悪いわけではないが調和がもう一歩という気がする。FR系のあの鷹揚とした乗り味をこのレイアウトでも実現できたらいいのにな、と思う反面、それをやってしまったらFR系の立場が危うくなることは確かでもある。



結論

 旧来のスタイル、レイアウトに拘らないなら、私はCクラスよりBクラスをお勧めする。ドライブトレインの完成度が高まり、インテリアの質感もまったく上位車種に見劣りしない。スペース効率高く、やはり新しい世代、ニューエイジ・メルセデスだ。






 価格もぐっと身近。フォルクスワーゲンやアウディなどの激戦区に自ら降りてきた巨人メルセデス。そのチャレンジも新Bクラスの完成度の高さを持って、しっかり実を結んでいるように思う。







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5段階評価/★★★★
・もう少し落ち着かせたい足回りのセッティング(-1)



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試乗データ

試乗日:2012年5月11日
試乗車:メルセデスベンツ B180 BlueEFFICIENCY(車両本体価格:2,990,000円)
型式:DBA-246242
エンジン:270
トランスミッション:7段オートマチック(7G-DCT)
駆動方式:FF
全長×全幅×全高:4365×1785×1540mm
ホイールベース:2700mm
最小回転半径:5.2m
車両重量:1480kg(試乗車)
ボディタイプ:5ドアワゴン
ボディ色:ロータスブルー(240)
内装色:ブラック/ファブリック(011)+インテリアトリム:マトリックスブラック
装着されていたオプション:
 セーフティパッケージ(150,000円)
  ・ディストロニック・プラス
  ・PRE-SAFE
 バリューパッケージ(250,000円)
  ・バイキセノンヘッドライト&ヘッドライトウォッシャー
  ・LEDポジショニングライト
  ・同ウインカー
  ・同ドライビングライト
  ・同リアコンビネーションランプ
  ・同ライセンスライト[リア]
  ・本革巻ステアリング
  ・パークトロニック
  ・メディアインターフェイス(iPod/AUX/USB)
  ・EASY-VARIO PLUS
   バックレスト折りたたみ角度調整
   後席シートスライド機構
   ラゲッジフロアボード調整
  ・アームレスト[後席]
  ・カップホルダー[後席]
  ・シートアンダーボックス[前席]
  ・シートバックポケット
  ・サングラスケース
  ・ネットポケット[助手席]
  ・12V電源ソケット[ラゲッジルーム]
  ・折りたたみ式収納ボックス
 メタリックペイント(63,000円)
 COMANDシステムナビETCパック(172,200円)
 フロアマット(39,900円)



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メーカーサイト

http://www.mercedes-benz.co.jp/special/B-Class/Play/



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ご留意ください
この試乗記は貴方の試乗を代行するものではありません。
感じ方や考え方には個人差があります。
また、製品は予告なく改良される場合があり、
文中にある評価がそのまま当てはまらない場合もあります。
購入前にはぜひご自分で試乗をしてよくお確かめください。






前田恵祐


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