「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

#104 乗って驚くなよ

トヨタ オーリス 1.8RS Sパッケージ ~ 試乗インプレッション(2012.9)
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~ 試乗記の読み方 ~

 この試乗記は筆者による個人的な印象記に過ぎず、ここに記された内容は必ずしも読者が実車から抱く感想と一致しない場合があります。人間にはそうした個人差、個体差があるものなのです。それが俗に言う個性であり多様性と言い換えてもいい。故にこの試乗記を鵜呑みにしてはいけません。車両購入の際には必ず購入者自ら実車に触れて検証と確認を怠らず、購入者が主体性を持って車種選定の判断を行うことが原則です。したがって・・・

買うときには自分で試乗して確かめる
筆者の言うことに左右されない
自分がいいと思ったものを購入する

・・・これらのことは最低限です。当たり前のことですが、それができない人が多いようです。この試乗記は指示書でも教科書でもバイヤーズガイドでもなく、購入者に試乗の手間を省かせる目的のものではありません。だとしたら何者であるかというと、クルマを「検証する手法」の提示をしているに過ぎません。しかし、その検証の手法、いわゆるモノサシというものがかなりブレているのが今の世の中、今のユーザーのように筆者には見受けられます。そこで、「私ならこのように確かめる」という意味合いでこのような記事の掲出を行っているもの、とご認識いただきたいと思う次第です。


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 主戦場ヨーロッパでは数多のライバルを敵に回すが、国内市場でこのクラスの国産はあまり活気があるわけでなはなく主流にあらず。ザンネン。しかしだからといってネボケたクルマを投入するとそこはそれ、数少なくとも見ている人はウルサガタだから、手を抜くわけには、それはいかないわけで。出す以上はそれなりのモノになっていなければならない、難しいカテゴリーである。



エクステリア



 フロントはなにやらHマークが付いていてもおかしくなさそうなデザイン。




 サイドはもう10年も前にオリジナルが出たアクセラみたい。




 テールはアルファのジュリエッタである。こうしたことは恥ずかしいと思ってほしい。トヨタのオリジナリティはほぼ皆無。常識に背を向けるだ何だというまえに、トヨタほどの大メーカーが恥ずかしげも無く他所様のデザインを真似る(少なくともそう見える)ような非常識をやめるべきだ。



視界・扱いやすさ



 ダッシュボードが高く迫る印象あり。メーターパネルの文字盤に特徴があるが、見づらい。トヨタはこういう文字盤を使用することを「遊び心」だといつまでも大カンチガイしている。全ドアワンタッチパワーウインドウ。運転席の上下アジャストはラチェット式でせもたれも同時にシート一体で高さが変わる。




 Aピラーは存在感あり。カローラ・アクシオよりスリムでない。ドアミラーを肉薄化するだけでも有効な視界が稼げるはずだ。



インテリア・ラゲッジ



 前席は掘りの深いバケット。着座位置も低めでスポーティ。拘束感はあるがゴツくはなくて、優しいかけ心地。プジョー207GTiのシートを思い出した。

前席頭上空間/こぶし1つ半




 後席。センタートンネルが殆どないフラットなフロアはそれだけで視覚的効果もあるし、事実広い。着座点は高いがシートはやや堅め。

後席頭上空間/こぶし横にして1つ
後席膝前空間/こぶし2つ




 ラゲッジ。奥行きアリ。



エンジン・トランスミッション



 1.8リッター、バルブマチックをマニュアルギアボックスで駆るのは初めて。トルクは全域で豊か。良いエンジン。6段あるマニュアルでもズボラに3rdで交差点を回ることさえワケない。たしかにメーカーのいうようにギアレシオをクロスさせているのだろうし、軽いタッチでスムーズに小気味良く決まるシフトレバーもプラス加点項目だが、全体の印象で言うと意外なほど大人っぽくて、なにより滑らかで静か。高級感があるといってもいいすぎではないと思う。だから元気いっぱいのホットハッチをイメージして乗ると肩透かしを食らうだろう。すべてが洗練されていて、これはこれで綺麗に調律の取れたパワーユニットだと思う。後述足廻りも同様。



足廻り

 リアにダブルウィッシュボーンを奢った足廻り。RSの名から想像するよりずっとしなやかで滑らか。バネ堅くタイアをアスファルトにこすり付けるような日本人が思い込んでいるスポーティさではなく、綺麗にストロークし車体をフラットに保つことで安定性と寛容さ(マージン)を兼ね備えているといった印象。懐が深い。このシリーズのフロアパネルが持っていた振動対策はもはや万全。剛性も取れているのだろう、芯の太さも感じる。ハンドルやブレーキのタッチも軽く優しい。しかし作動は確実でレスポンスもいい。




 やはりライバルは欧州勢。「どうぞプジョーと比べてください」と言っているようでさえある。じつに洗練されており、いい走り。成熟度高し。



結論

 どこかで見た事のある意匠をかき集めたようなデザインはともかくとし、パッケージングも真面目だし、走りは本場ヨーロッパ車に比類するだけのものはありそうだ。エンジン、トランスミッション、足廻りがスムーズで、なめらかに、綺麗にマニュアル車を運転操作できるのが嬉しい。そんなあたりの第一印象からしてとても大人っぽくて洗練されている走りを持ったクルマ。またそこがヨーロッパ車的でもある。RSの名から想像するともっとガチガチに堅いものをイメージしがちだが、そういうものにはなっていないし、また作った側、セッティングした側にもそういう客は相手にしないという意思を感じる。いうなれば玄人好み。モノわかる大人が手軽に乗れるスポーティカーとして適当なところにある一台だろう。






10項目採点評価

ポリシー >>>  7
スタイル/インテリア >>>  6
エンジン/トランスミッション >>>  8
NVH >>>  9
ドライバビリティ >>>  9
スペース >>>  8
先見性 >>>  7
社会性 >>>  7
良識度 >>>  8
バリューフォーマネー >>>  8


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試乗データ

試乗日:2012年9月5日
試乗車:オーリスRS Sパッケージ(車両本体価格:2,250,000円)
型式:DBA-ZRE186H
エンジン:2ZR-FAE
トランスミッション:3ペダル6段マニュアル
駆動方式:FF
全長×全幅×全高:4275×1760×1460mm
ホイールベース:2600mm
最小回転半径:5.2m
車両重量:1270kg
タイア:205/55R16(ミシュラン)
JC08モード:14.4km/L
使用燃料:無鉛プレミアム
ボディタイプ:5ドアハッチバック
ボディ色:ブラックマイカ <209>
内装色:ブラック/布(スポーツ)




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メーカーサイト
http://toyota.jp/auris/





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ご留意ください
この試乗記は貴方の試乗を代行するものではありません。
感じ方や考え方には個人差があります。
また、製品は予告なく改良される場合があり、
文中にある評価がそのまま当てはまらない場合もあります。
購入前にはぜひご自分で試乗をしてよくお確かめください。







前田恵祐


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