「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

#113 順当な近代化

トヨタ・クラウン ハイブリッド アスリートS ~ 試乗インプレッション(2013.2)
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~ 試乗記の読み方 ~

 この試乗記は筆者による個人的な印象記に過ぎず、ここに記された内容は必ずしも読者が実車から抱く感想と一致しない場合があります。人間にはそうした個人差、個体差があるものなのです。それが俗に言う個性であり多様性と言い換えてもいい。故にこの試乗記を鵜呑みにしてはいけません。車両購入の際には必ず購入者自ら実車に触れて検証と確認を怠らず、購入者が主体性を持って車種選定の判断を行うことが原則です。したがって・・・

買うときには自分で試乗して確かめる
筆者の言うことに左右されない
自分がいいと思ったものを購入する

・・・これらのことは最低限です。当たり前のことですが、それができない人が多いようです。この試乗記は指示書でも教科書でもバイヤーズガイドでもなく、購入者に試乗の手間を省かせる目的のものではありません。だとしたら何者であるかというと、クルマを「検証する手法」の提示をしているに過ぎません。しかし、その検証の手法、いわゆるモノサシというものがかなりブレているのが今の世の中、今のユーザーのように筆者には見受けられます。そこで、「私ならこのように確かめる」という意味合いでこのような記事の掲出を行っているもの、とご認識いただきたいと思う次第です。


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 クラウンのようなクルマを新しくするのは大変な仕事だ。なにせ看板がデカい。きっとそのプレッシャーたるや並々ならぬものがあったはずだ。そしてその表れがピンク色に塗ったデモンストレーションだったり、ちょっとハデな形を描いたフロントグリルだったのだと思う。そう肩に力をお入れなさんなというほうが無理な話だったのかもしれない。



エクステリア



 デビューから二ヶ月。もうこのフロントグリルを見慣れてしまった。見慣れてしまってもうどうでもよくなってしまった。そう思わせるあたり、ある意味「さすが」と言わざるを得まい。しかも当初の違和感をこの短時間で消化させた。それもデザイン力というものだろう。




 一見してイメージは先代と同じサイドプロポーション。しかし改めて見ると短いノーズ、オーバーハング、シェイプされたテールはまるで欧州車。軽快さ、スポーティーさを印象付ける。





 テールランプはクラウンと一目でわかる。



 視界・扱いやすさ



 ドライバーズシートからはボンネットを視認できる。こうしたあたりクラウンというブランドがもつ顧客層を考慮しているふしが見受けられる。そのわりにダッシュボードのデザインや操作性は、見た目にやや煩雑。実際には点在していたスイッチ類をエアコンの操作系統ともどもスマートな操作感のタッチパネルに集約するなど工夫は見られる。駐車ブレーキがペダル式なのは不変だが、今回から解除ロジックは二度踏みとなった。




 車体の剛性、安全性確保と視界確保はひとつのせめぎあい。そのなかでできるだけ「見せよう」という意思が感じられるクラウンの運転視界。Aピラーも細め。




 ミラーのみならず斜め後方目視時も視野がすっきりしている。ピラー内張りの厚みなど、よく考えられている。



インテリア・ラゲッジ



 前席はクラウンらしからずソリッドな印象の坐り心地でガッシリ身体をサポートしてくれるスポーティなもの。サイズは充分、大きな不満はなさそうだ。

前席頭上空間/こぶし1つ




 後席はせもたれの角度も適切でクッションも沈み込まずサイズも充分、とても楽チン。足元は広々とはしていないが不足はない。ま、この点クラウンは歴代絶対的な広さは追求してこなかったから狭いと文句を言われることもあるまい。

後席頭上空間/手のひら一枚
後席膝前空間/こぶし1つ+アルファ




 いよいよゴルフバッグ4つ収納を謳えるようになった。ダブルヒンジ採用。



エンジン・トランスミッション

 2.5リッターの「4気筒」を思い切って採用してきたハイブリッドシステム。旧3.5V6+モーター時代はどちらかというとパワーを重視した設えで望外に速く価格も上位に設定されたクルマだったが、今回のシステム出力は3リッター自然吸気エンジンに相当するとされ、価格帯も今回のモデルの中で中心的なレンジに設定されている。いよいよもってハイブリッドが真ん中にやってきたというわけだ。




 ハイブリッド車特有の走行感覚に対する違和感の払拭は毎度の課題だったが、今回はそこいらあたりのスムーズネスや静粛性を相当磨いてきたようで、出足良く粛々とトルキーに走る。4気筒エンジンの音はするが振動は少なく個人的には気にならない。気にする人もいるようだが、そこはそれ、「欧州車もダウンサイジングで4気筒を採用するのが最新技術です」のセールストークもバッチリ。市街地走行ばかりの試乗車だが燃費計は試乗終了時で12.0Km/Lを示した。



足廻り



 試乗車はオプションの18インチタイアを装着。トトン・・・とタイアが路面を叩く感覚を伝えてくるがそれは遥か足先での出来事。強めのバネに対して気持ち弱めのダンピングという組み合わせは、例によって所作に余韻を残すクラウンの乗り心地。ハンドルがクイックに感じるのはラック&ピニオンのギア比というより4気筒採用で舳先が軽くなったからだろうか。心地よい軽快感を味わえる。重厚感が後退したなどと無粋なことはいうまい。



結論

 新しいクラウンはイマ風に軽快な印象のクルマになったと思う。それはおそらくや時代の要請によるもののはずだ。これまで13回ものモデルチェンジがあり、それぞれの時代に沿ったクラウン像というものがあった。今回のモデルも、現代のクラウンとして収まりの良い仕上がりになっていると思う。




 やや気になるのはマークXとの位置関係。マークXの出来が現時点でクラウンに相当接近しているのも事実で、マークXにはHVは無いものの割安である。恐らく、トヨタは早晩マークXを仕立て直し、場合によってはマークXをFF化してくるだろう。そうなるとマークXはカムリとバッティングすることが予想され、あるいはマークXとカムリは統合、合理化されるのやも知れぬ。そうしてクラウンは「唯一FR」であるというプレミアを保ち、王位の象徴としてくるのではなかろうか。





10項目採点評価

ポリシー >>> 7
スタイル/インテリア >>> 7
エンジン/トランスミッション >>> 9
NVH >>> 9
ドライバビリティ >>>10
スペース >>> 7
先見性 >>> 8
社会性 >>> 8
良識度 >>> 7
バリューフォーマネー >>> 7
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試乗データ

試乗日:2013年2月13日
試乗車:クラウン ハイブリッド アスリートS(車両本体価格:4,690,000円)
型式:DAA-AWS210
エンジン:2AR-FSE+1KM
トランスミッション:CVT
駆動方式:FR
全長×全幅×全高:4895×1800×1450mm
ホイールベース:2850mm
最小回転半径:5.2m
車両重量:1660kg
タイア:225/45R18 91W
JC08モード:23.2Km/L
ボディタイプ:4ドアセダン
ボディ色:プレシャスブラックパール<219>
内装色:ブラック/本革
装着されていたオプション:
     プレシャスブラックパール色(52,500円)
     スペアタイア(10,500円)
     225/45R18 91Wタイア+18インチアルミホイール(132,300円)
     レザーシートパッケージ(231,000円)
     フロアマット・エクセレント(78,750円)




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メーカーサイト

http://toyota.jp/crownathlete/index.html





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ご留意ください
この試乗記は貴方の試乗を代行するものではありません。
感じ方や考え方には個人差があります。
また、製品は予告なく改良される場合があり、
文中にある評価がそのまま当てはまらない場合もあります。
購入前にはぜひご自分で試乗をしてよくお確かめください







前田恵祐


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