「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

#115 迷える森の住人

スバル フォレスター 2.0XT EyeSight ~ 試乗インプレッション(2013.3)
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~ 試乗記の読み方 ~

 この試乗記は筆者による個人的な印象記に過ぎず、ここに記された内容は必ずしも読者が実車から抱く感想と一致しない場合があります。人間にはそうした個人差、個体差があるものなのです。それが俗に言う個性であり多様性と言い換えてもいい。故にこの試乗記を鵜呑みにしてはいけません。車両購入の際には必ず購入者自ら実車に触れて検証と確認を怠らず、購入者が主体性を持って車種選定の判断を行うことが原則です。したがって・・・

買うときには自分で試乗して確かめる
筆者の言うことに左右されない
自分がいいと思ったものを購入する

・・・これらのことは最低限です。当たり前のことですが、それができない人が多いようです。この試乗記は指示書でも教科書でもバイヤーズガイドでもなく、購入者に試乗の手間を省かせる目的のものではありません。だとしたら何者であるかというと、クルマを「検証する手法」の提示をしているに過ぎません。しかし、その検証の手法、いわゆるモノサシというものがかなりブレているのが今の世の中、今のユーザーのように筆者には見受けられます。そこで、「私ならこのように確かめる」という意味合いでこのような記事の掲出を行っているもの、とご認識いただきたいと思う次第です。


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 SUVながら足腰をオンロード向けにも鍛え、ハイパワーエンジンでグイグイ走るという、狙いからして肉食系のクルマ。そのコンセプトは歴代貫かれている。代を重ねるごとに大型化するのは世の常として、この小山のような大きさの"街乗りSUV"は窮屈な都市部で使用するにはちょっと億劫だ。初代はコンパクトでいい按配だったのに。



エクステリア



 元々が無骨で洗練とかお洒落という言葉とは対極にある。レオーネバンのようなクルマをルーツに持つと考えれば合点の行くデザイン。




 18インチタイアさえ小さく見える。




 イメージは歴代を継承。



視界・扱いやすさ



 ドライバーズシートからはボンネットを視認出来る。悪路や狭い道ではとても有効。ダッシュボードのデザインは乗用車的でインプレッサなどと共通のイメージ。中央上部にあるマルチディスプレイは図形を用いるなどして瞬読性が高い。




 Aピラー付近の視界はすっきりしている。スバルはこの辺の気配りが上手い。




 斜め後方はこんな具合。リアゲートガラスの下端が低めで、心理的に閉塞感がやわらぐ。



インテリア・ラゲッジ



 大きめの前席。表面は柔らかく、優しい印象で身体を支える。サイドサポートも充分。少な目のロールがそう思わせている節もある。後述足廻りが思いのほかゴツゴツしていることに対し、それをシートが吸収する。

前席頭上空間/こぶし1つ半




 前席ごしの前方視界も開けて居心地の良い後席。足元も広く、つま先は前席下に収まる。ライバルのエクストレイルと違ってロングツーリングにも適した客室空間になっている。

後席頭上空間/こぶし1つ
後席膝前空間/こぶし2つ




 ラゲッジも余裕たっぷり。



エンジン・トランスミッション



 2リッターフラット4を直噴化し、ターボ過給する。狙いとしては完全な環境対応のダウンサイジングというより、パワーとの両得であるとの説明。スムーズで振動も少なく、低速域から充分なトルクを持ち街中では余裕を持って走る。"I"モードで走る限りでは、例えば高速ランプ合流時などにはもう少し伸びてくれてもいいかなという気がする。むろん"S"なり"S#"ではさらに伸びもいいが、いちいち切り替えるのは面倒だ。全体の雰囲気としては2.5リッター自然吸気という印象。リニアトロニックのマナーは良いが、このクルマの性格からしてCVTという選択が適切かどうか疑問。悪路や低ミュー路ではレシオが固定された方がコントロールしやすい面もあるからだ。



足廻り



 重心は高いがロールは極少。かなり硬められたアシ。その引き換えに常にゴツゴツと上下動に晒され、シートによる吸収やタイアの特性から角は丸まっているもののどうにも落ち着かない。それは高速でも同じだから長時間これが続くと思うとちょっと憂鬱。ハンドルはクイックだが情報は不足気味。クイックでなくてもいいが、ガッシリとした手応えが欲しい。どこかチグハグ。



結論

 まず、このクルマを何に使うのかが浮かんでこない。都市生活者がスキーエクスプレスとして使うには無骨で乗り心地が悪く決定的に大きすぎる。悪路を行くにもCVTがそれに適しているとは思えない(自然吸気版には6段MTあり)。雪深い地域では、ロードクリアランスがある分レガシィ等より多少はマシだろうといったところか。




 いまやこうしたクルマをファッションで敢えて着ても格好がつく時代ではないし、スキー場は駐車場付近まできちんと除雪され、乗用車でも充分に乗り入れられる。ここまでゴツくなくても、アウトバックやXVあたりで充分ではないだろうか。CM等でさかんにヘビーデューティー性能を謳っているが、このクルマに与えられるべき魅力がそれだけでは通用すまい。メーカー側がこのクルマをどうしたいのか見えてこない。そしてその定まらないココロがクルマの出来を通じてわかってしまう。





10項目採点評価

ポリシー >>> 5
スタイル/インテリア >>> 7
エンジン/トランスミッション >>> 7
NVH >>> 5
ドライバビリティ >>> 6
スペース >>> 8
先見性 >>> 5
社会性 >>> 6
良識度 >>> 6
バリューフォーマネー >>> 7



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試乗データ
試乗日:2013年3月5日
試乗車:スバル フォレスター2.0XT EyeSight(車両本体価格:2,936,850円)
型式:DBA-SJG
エンジン:FA20
トランスミッション:CVT/6段MTモード付
駆動方式:AWD
全長×全幅×全高:4595×1795×1695mm
ホイールベース:2640mm
最小回転半径:5.3m
車両重量:1590kg
タイア:225/55R18
JC08モード:13.2km/L
ボディタイプ:5ドア ステーションワゴン
ボディ色:アイスシルバーメタリック
内装色:ブラック/布+合皮



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メーカーサイト

http://www.subaru.jp/forester/forester/



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ご留意ください
この試乗記は貴方の試乗を代行するものではありません。
感じ方や考え方には個人差があります。
また、製品は予告なく改良される場合があり、
文中にある評価がそのまま当てはまらない場合もあります。
購入前にはぜひご自分で試乗をしてよくお確かめください。





前田恵祐






旧ブログにいただいたコメント

si [2013年3月7日 21:39]
2代目のフォレスターに10年乗りました。今回の4代目を購入するつもりで1年間リリースを待ちました。
3回、NAの2.0i-Lに試乗をしました。騒音もなくなり、乗り心地も良くなりました。
でも幅も高さも大きくなり、何故か?欲しくなりません。
年齢と共に体が硬くなり後方や周囲のブラインド領域が気になります。
トラヴィックで自分の基準にした車高1600mm、ホイールベース2700mmの箱型の視界がよい車を探していました。
以前から気になっていた販売終了後のラフェスタJOY-Xを探して購入しました。
世間の評価やディーラーの冷たい応対に・・・。
購入後に、前田さんのラフェスタJOY-X評価を読み、溜飲が下がりました。
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641/2 [2013年3月7日 22:38]
siさん
こんばんは、前田です。コメントありがとうございます。
世の中「グローバル化」とやらでクルマのサイズがどんどん大きくなっていくことに歯止めが利きませんね。10年前から思い続けています。安全性重視の引き換えでブラインド領域が増えていいのか、という疑問もあります。
ラフェスタJOYは手ごろなサイズ、充分なユーティリティ、フラットな乗り味と、目立たずとも賢い一台という印象を持ちました。
> 前田さんのラフェスタJOY-X評価を読み、溜飲が下がりました
なによりです。




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