「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

#118 アメリカンマッチョがお好きなら

クライスラー300 ~ 試乗インプレッション(2013.5)
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~ 試乗記の読み方 ~

 この試乗記は筆者による個人的な印象記に過ぎず、ここに記された内容は必ずしも読者が実車から抱く感想と一致しない場合があります。人間にはそうした個人差、個体差があるものなのです。それが俗に言う個性であり多様性と言い換えてもいい。故にこの試乗記を鵜呑みにしてはいけません。車両購入の際には必ず購入者自ら実車に触れて検証と確認を怠らず、購入者が主体性を持って車種選定の判断を行うことが原則です。したがって・・・

買うときには自分で試乗して確かめる
筆者の言うことに左右されない
自分がいいと思ったものを購入する

・・・これらのことは最低限です。当たり前のことですが、それができない人が多いようです。この試乗記は指示書でも教科書でもバイヤーズガイドでもなく、購入者に試乗の手間を省かせる目的のものではありません。だとしたら何者であるかというと、クルマを「検証する手法」の提示をしているに過ぎません。しかし、その検証の手法、いわゆるモノサシというものがかなりブレているのが今の世の中、今のユーザーのように筆者には見受けられます。そこで、「私ならこのように確かめる」という意味合いでこのような記事の掲出を行っているもの、とご認識いただきたいと思う次第です。


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 このクルマの所属は基本的にクライスラーだが、土台となる部分はメルセデス旧Eクラスと共用していたり、ヨーロッパではランチア・テーマとして売られていたり、とにかく名義貸しというか、車体貸しの横行である。その良し悪しは別としてクルマ本体の魅力はどんなところにあるのか確かめてきた。



エクステリア
 


 ホワイトパールの車体のためそうでもないが、黒だったりすると非常に押しの強い、マッチョなデザイン。




 ちょっと前に流行ったチョップドルーフのようにキャビンは小さく見えるが、むしろ車体寸法がデカイのだ。




 こういうデザインはいかにもアメリカっぽいが、それがあの繊細で気品の塊のようだったランチア・テーマとして売られているとは・・・、元テーマオーナーとしては涙もチョチョ切れるしだいだ。


視界・扱いやすさ



 外装に比べるとダッシュボードはありふれたデザインでナビがデーンと真ん中に来る(画像無し、すみません)。メーターパネルのイルミが個性的。でも夜はちょっと刺激的すぎるかな。運転席着座状態でボンネットは視認出来る。




 ピラーの作りなどから設計年次が見えてくる気がする。




 斜め後方視界。




 ライトコントロール。本来AUTOはこうした位置にあるべき。



インテリア・ラゲッジ



 試乗車はベースグレードでシート表皮は布。しかしこのクラスなら豪勢にレザーで乗りたい。実際座った印象もレザーのほうがしっくり来るように思う。布は張りが不足している。

前席頭上空間/こぶし1つ半




 後席も格別広くはないし、見晴らしもあまりよろしくない。機能よりもこのカタチ、この姿ありきなんだなと感じる。


後席頭上空間/手のひら1枚
後席膝前空間/こぶし1つ半




 トランクルームはご覧の通り広大。




 いちおう革内装のほうは本木目仕様で、つや消しの、かつてのランチア・テーマのような仕上げになっている。


エンジン・トランスミッション



 3.6リッターV6エンジン。回り方はいかにもアメ車で大雑把。ガサガサしていて滑らかなようで滑らかでなく、トルクがあるようでない。これに8段のオートマチックが組み合わされているが、それにしてもこのエンジンはいかにも旧い。最新のライバル達が皆ダウンサイジングに心血を注いでいることを知っていればこのエンジンチョイスは思いつかないだろう。




 8段オートマのシフターは短いレバーで操作感そのものは軽快かつイージー。



足廻り



 バネ系の硬いドイツ車の基本をそのまま忠実に受け継いでいる。それなりに当たりは柔らかく、スムースなところもあるが、思いのほか上下動もあるしアメリカ車として見て、いわゆる鷹揚とした大らかさに欠ける。そのわりに止まるたびにブワンと揺すられブッシュ系のコンプライアンスが過大なところも見て取れる。ハンドルはそこそこ正確でグイグイ曲がるが、そんなことよりしなやかな手応えだとか、高級車としての品格を磨いてもらいたい。



結論

 外観の印象も前のモデルを引き継いでいるし、事実中身もかなりの部分で共用している要素が多くありそうだ。いうなればビッグマイナーに近いモデルチェンジということかもしれない。やはり基本部分の旧さははっきりと出ているし、この車体、シャシでできることはもうあまりないのではないかと思う。せめてエンジンだけでも最新のダウンサイジングエンジンを与えるなどすればまだ2013年の最新の高級車としてアリかもしれないが、現在のところ、「このカタチ、キャラクターがお好きならどうぞ」という勧め方しか出来ない。



10項目採点評価

基本ポリシー >>> 5
スタイル/インテリア >>> 7
エンジン/トランスミッション >>> 4
NVH >>> 7
ドライバビリティ >>> 7
スペース >>> 6
気配り度 >>> 6
先見性 >>> 3
完成度 >>> 5
バリューフォーマネー >>> 5



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試乗データ

試乗日:2013年5月8日
試乗車:クライスラー300 リミテッド(車両本体価格:4,030,000円、OP塗装込み)
型式:ABA-LX36
エンジン:G
トランスミッション:8段オートマチック
駆動方式:FR
全長×全幅×全高:5070×1905×1495mm
ホイールベース:3050mm
最小回転半径:-
車両重量:1880kg
タイア:235/55R18
JC08モード:9.2Km/L
ボディタイプ:4ドアセダン
ボディ色:アイボリートライコートパール
内装色:ブラック/布



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メーカーサイト

http://www.chrysler.co.jp/300/



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ご留意ください
この試乗記は貴方の試乗を代行するものではありません。
感じ方や考え方には個人差があります。
また、製品は予告なく改良される場合があり、
文中にある評価がそのまま当てはまらない場合もあります。
購入前にはぜひご自分で試乗をしてよくお確かめください。







前田恵祐



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