「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

#128 小型車を意識している


ダイハツ ムーヴ X "SA" ~ 試乗インプレッション(2013.8)

~ 試乗記の読み方 ~

 この試乗記は筆者による個人的な印象記に過ぎず、ここに記された内容は必ずしも読者が実車から抱く感想と一致しない場合があります。人間にはそうした個人差、個体差があるものなのです。それが俗に言う個性であり多様性と言い換えてもいい。故にこの試乗記を鵜呑みにしてはいけません。車両購入の際には必ず購入者自ら実車に触れて検証と確認を怠らず、購入者が主体性を持って車種選定の判断を行うことが原則です。したがって・・・

買うときには自分で試乗して確かめる
筆者の言うことに左右されない
自分がいいと思ったものを購入する

・・・これらのことは最低限です。当たり前のことですが、それができない人が多いようです。この試乗記は指示書でも教科書でもバイヤーズガイドでもなく、購入者に試乗の手間を省かせる目的のものではありません。だとしたら何者であるかというと、クルマを「検証する手法」の提示をしているに過ぎません。しかし、その検証の手法、いわゆるモノサシというものがかなりブレているのが今の世の中、今のユーザーのように筆者には見受けられます。そこで、「私ならこのように確かめる」という意味合いでこのような記事の掲出を行っているもの、とご認識いただきたいと思う次第です。


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 ムーヴはダイハツの看板車種である。すべてにおいて標準的な仕立てのボリュームゾーン。故にダイハツとしては安い仕事は出来ないという認識のようで、並み居るライバルの中で商品力を保つべく大掛かりなマイナーチェンジをほどこしたのは2012年12月のことだった。



エクステリア



 改良前より落ち着いた雰囲気を持ったフロントマスク。カスタムとの棲み分けをはっきりさせるとともに、標準ムーヴの購買層にとって親しみやすいものを狙ったものだ。




 サイドビューに変更はなし。




 リアも変わりないように見えるが、ブレーキランプの球数が増やされるなど細かいところに手が入っている。



視界・扱いやすさ


 改良前のセンターメーターは一般的な運転席直前に移された。併せてダッシュボードの形状が新しくなっている。インパネシフトに足踏み式駐車ブレーキでこれは二度踏み解除。ハンドルはチルトのみ。上位グレードに標準、下位グレードにはオプションでラチェット式シートリフターを備える。むろん背もたれも連動。オートライトを備えるが、回転スイッチの一番奥がその位置。パワーウインドウは運転席のみオート。スマートアシストはレーダー式で、スバルなどのカメラ式と比べて障害物認識の精度がやや落ちる。




 左Aピラー方向。サイドミラーの厚みをもう少し削れるとさらに良し。




 左斜め後方。ウエストラインも低く、見渡せているほう。



インテリア・ラゲッジ



 ベージュ内装はよほど人気のようでこれ一色の用意。カスタムはブラック。色使いは良いとして、シート生地がいまひとつサエない。ムーヴも起毛モケットだが最近の主流は毛足を極端に短くしたスエード調である。無難なチョイスだがセンスがいいとは思えない。中庸。前席シートサイズは、ベンチシートだけに充分で、サイドサポートを持たないがこれで充分というかけ心地。
前席頭上空間/こぶし2つ




 後席は見晴らし良く、明るい雰囲気。シートサイズもこのテのものとしては充分で我慢という言葉からは決別できる。前後スライド量も大きく確保されており、色々な使い方が考えられる。最前の位置にすることで後席の子供に手が届くと、奥様族には重宝がられるようだ。
後席頭上空間/こぶし1つ
後席膝前空間/こぶし2つ(スライド位置ほぼ中間にて)




 ラゲッジはご覧の通り。ムーヴの伝統で扉は横開き式。



エンジン・トランスミッション

 イーステクノロジーを用いて29.0km/Lの燃費をうたう。昨今の大きな潮流として燃費偏重の傾向はしかたないとして、カタログ値だけに左右されるというのは感心しない。ただカタログ値を追求する為だけにドライバビリティを犠牲にしているクルマを何台も見ている。ダイハツの中にもそうしたクルマはある。買うときにはぜひ自分で確かめて欲しい。しかし、このムーヴはスロットルも自然だし、加速フィーリングもなめらか。改善の跡がはっきりと見られた。




  ドライバビリティだけでなく、騒音や振動も綺麗に抑制されていて、耳障りな音が進入してこないし、ハンドルがブルブル震えるようなことも無い。よほど気を配って、ひとつひとつ潰していったのだろう。こうしたあたりに「マイナーチェンジ」の気合の入り方というものが現れる。



足廻り

 改良前のものはロールのチェックが行き届いていないと、試乗記にも書いた。この点も今回の改良の対象とみなされたようで、まず2WD車のサスペンションには前後にスタビライザーが与えられた。ロールはするがロールスピードがゆっくりなので不安が少なくなった。また、ピッチングやノーズダイブのチェックも一段上手で、簡単に言うとフラット感が大きく向上した。ホイールストロークの量こそ大きく変わりは無いようだが、ストロークそのものの精度が上がって綺麗に凹凸に追従していることもわかる。




 また、ハンドルは適度な重さとダイレクトさを持っていて、直進性も良く、これなら高速長時間移動にも耐えうるだけのものはあるだろう。従来、軽自動車のハンドルはただただ軽いだけで、高速に入るとチョロチョロしやすい。ムーヴは多少ハンドルは重くなってもそこをきっちり調整してきたというわけだ。こうした細々とした改良の跡を見るにつけ、出来る範囲で出来る限りをやったな、と感じる。ただしブレーキの踏み応えだけはいぜんスポンジーで頼りない。



結論

 一言で言って、「小型乗用車を意識しているな」と感じた。芸の細かい、数々の改良、快適性や操縦性、あるいは所有した時の安心感のような部分に至るまで一貫したテーマは「上の車格に見劣りしないクォリティ」にあるように思う。いまや世の中軽自動車である。小型乗用車より高価でも、軽自動車であるというだけで売れていくという時代だ。そこで、充分比較の対象となる小型乗用車、あるいは上級車からのダウンサイジングとして選択されることを考えた場合、軽自動車として持っていたネガをきちんきちんと潰してきたのだ、ということがよくわかる。真面目なポリシーで実りある改良が施されたと言えるだろう。






10項目採点評価

基本ポリシー >>> 8
スタイル/インテリア >>> 7
エンジン/トランスミッション >>> 7
NVH >>> 8
ドライバビリティ >>> 7
スペース >>> 9
気配り度 >>> 8
先見性 >>> 8
完成度 >>> 8
バリューフォーマネー >>> 7



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試乗データ
試乗日:2013年8月5日
試乗車:ダイハツ ムーヴX "SA"(車両本体価格:1,250,000円)
型式:DBA-LA100S
エンジン:KF型
トランスミッション:CVT
駆動方式:FF
全長×全幅×全高:3395×1475×1620mm
ホイールベース:2455mm
最小回転半径:4.4m
車両重量:810kg
タイア:155/65R14 75S
JC08モード:29.0km/L
ボディタイプ:5ドアハッチバック
ボディ色:ライトローズマイカメタリック<T22>
内装色:ベージュ/ファブリック



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メーカーサイト

http://www.daihatsu.co.jp/lineup/move/index.htm



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ご留意ください
この試乗記は貴方の試乗を代行するものではありません。
感じ方や考え方には個人差があります。
また、製品は予告なく改良される場合があり、
文中にある評価がそのまま当てはまらない場合もあります。
購入前にはぜひご自分で試乗をしてよくお確かめください。



前田恵祐




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