「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

#134 よくできたパロディ


マツダ フレアクロスオーバーXS 試乗インプレッション (2014.2)



~ 試乗記の読み方 ~

 この試乗記は筆者による個人的な印象記に過ぎず、ここに記された内容は必ずしも読者が実車から抱く感想と一致しない場合があります。人間にはそうした個人差、個体差があるものなのです。それが俗に言う個性であり多様性と言い換えてもいい。故にこの試乗記を鵜呑みにしてはいけません。車両購入の際には必ず購入者自ら実車に触れて検証と確認を怠らず、購入者が主体性を持って車種選定の判断を行うことが原則です。したがって・・・

買うときには自分で試乗して確かめる
筆者の言うことに左右されない
自分がいいと思ったものを購入する

・・・これらのことは最低限です。当たり前のことですが、それができない人が多いようです。この試乗記は指示書でも教科書でもバイヤーズガイドでもなく、購入者に試乗の手間を省かせる目的のものではありません。だとしたら何者であるかというと、クルマを「検証する手法」の提示をしているに過ぎません。しかし、その検証の手法、いわゆるモノサシというものがかなりブレているのが今の世の中、今のユーザーのように筆者には見受けられます。そこで、「私ならこのように確かめる」という意味合いでこのような記事の掲出を行っているもの、とご認識いただきたいと思う次第です。


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 今時の軽自動車は何でもあり。スポーツカーは少々途絶えているが復活のウワサは絶えないし、幅を効かせているミニミニバン、エコカーに普通のハッチバックもあれば1ボックスもある。そしてこのSUVだ。スズキ・ハスラーは人気らしい。目を惹くデザインに踏破性を予感させるロードクリアランス。スズキにはジムニーという本格SUVもあるが、こちらは乗用車を基本としたSUVもどき。さりとて4WD車にはヒルディセントコントロールを備え、悪条件への対応も見せる。このミニチュアSUVにはどんな魅力があるのだろうか。スズキ・ハスラーのマツダOEM版、フレアクロスオーバーを試してきた。


エクステリア



 一言で言うとFJクルーザーのミニチュア版。スズキ版のハスラーのテールエンブレムは大きな「H」をかたどってちょっとハマー風でもある。デザインのオリジナリティにはやや疑問も残るがなんといっても小さくて可愛いというのが売れている理由だろう。




 フロントウインドウの立ち方やCピラーの塗り分けラインなど、FJ、というか、昔のランクル風。フェンダーは樹脂で覆われていて、よくよく見ると、例えばワゴンRと比べて大袈裟にリフトアップしているわけではないこともわかる。




 オーバーハングは短くデパーチャーアングル46度、アプローチアングル28度。2014年2月関東に降った大雪のようなシチュエーションにはある程度の強さを発揮するだろう。しかしその程度の実力と思っていたほうがいい。本当の悪路をゴリゴリと走り込めるわけではない。そちらはジムニーで。



視界・扱いやすさ



 覗き込めばボンネットを視認可能。そもそも四角いデザインなので車幅感覚はモノにしやすい。ハンドルはチルトのみ。運転席にはラチェット式高さ調整。どうせ電子制御に出来るのだからシフトレバーはもっとスマートなものにすればいいのに。そうすれば省スペースにもなる。ハスラーにはスマホ対応ナビの設定があるが、フレアクロスオーバーにはカタログ上その案内はない。三角窓をこういうクルマなのだから少しでも開くようにすればいいのにと、某御大のように言ってみる。各ピラーは立っており必要以上に視野を妨げる印象はない。



インテリア・ラゲッジ



 前席はベンチシート。スクエアな空間で広々としている。デザインが行き届いておりザツな印象がない。インパネやドアパネルのカラーコンビネーションはオレンジのみボディカラー対応でそれ以外は白。ちょっと目にうるさい。




 軽自動車にしてはシートサイズはたっぷりしているが、かけ心地はどうも腰が落ち着かない。こうした点が改善されると軽自動車もいよいよ増税かなといったところか。

・前席頭上空間/こぶし1つ半




 後席は背もたれの高さが足りない。視覚的にももう少しサイズをたっぷり採ったほうが信頼感が増すと思う。これもまた改善されれば・・・の部分。広さは充分以上。

・後席頭上空間/こぶし1つ
・後席膝前空間/こぶし2つ




 ラゲッジスペースも軽自動車としては標準的。カーペットでなく樹脂で床を覆ってあるあたりはこだわり。後席はスライドと可倒し、広い荷室を作り出せる。



エンジン・トランスミッション



 660ccノンターボにCVTの組み合わせで800キログラム(FF)を引っ張る。パワフルではないが過不足もない。軽やかにストレスなく走らせることが可能。どこかの姑息な電子制御スロットルのようにアクセルを鈍くして燃費を稼ごうという小細工も無し。燃費への意識が高まっている昨今、10年前とは比べ物にならないくらい高速道路の流れは遅くなっている。その巡航速度低下と軽自動車の性能向上が今ちょうどマッチしている。つまり高速でもまったく問題はない。



足廻り



 一言に乗り心地良好。アシが綺麗にストロークしてくれてダンピングが効いている。路面のサーフェイスによってブルブルするのはタイアサイズによるところも少なくないだろう。これでもっとサスペンションパーツや組み付け剛性にタフさがあればなおよし。ハンドルはややスローだがこのクルマにはそれが合っていると思う。



結論

 大型の本格SUVは資源エネルギー負荷も大きく、所有するのに二の足を踏ませるような今の世の中だが、このクルマならその点うしろめたいところがない。そこが多くのユーザーの背中を押しているのだと思う。パロディであり、パクリだが、そのわりには芸が細かく行き届いている。つまるところ、盆栽に対するミニ盆栽。充分に剪定がされた小さな箱庭のような所有感を味わえるだろう。








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 10項目採点評価

基本ポリシー >>> 6
スタイル・インテリア >>> 8
エンジン・トランスミッション >>> 7
NVH >>> 8
ドライバビリティ >>> 7
スペース >>> 8
気配り度 >>> 7
先見性 >>> 8
完成度 >>> 8
バリューフォーマネー >>> 7





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試乗データ
試乗日:2014年2月21日
試乗車:フレアクロスオーバーXS<FF> (車輌本体価格:1,400,700円)
型式:マツダDBA-MS31S
エンジン:R06A(0.66リッター直列3気筒自然吸気)
トランスミッション:CVT
駆動方式:FF
全長×全幅×全高:3395×1475×1665mm
ホイールベース:2425mm
最小回転半径:4.6m
車輌重量:800kg
タイア:165/65R15 77H
JC08モード燃費:29.2km/L
ボディタイプ:5ドアハッチバック
ボディ色:フェニックスレッド2トーンカラー
内装色:ブラック布シート+ホワイトパイピング





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メーカーサイト

http://www.flair-crossover.mazda.co.jp/






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 協力店/マツダオートザム旭

http://www.mazda-autozamasahi.com/




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ご留意ください
この試乗記は貴方の試乗を代行するものではありません。
感じ方や考え方には個人差があります。
また、製品は予告なく改良される場合があり、
文中にある仕様や評価がそのまま当てはまらない場合もあります。
購入前にはぜひご自分で試乗をして、よくお確かめください。










前田恵祐



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