「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

#147 高性能とは、ときに贅沢だ


スバル WRX STi TypeS 6段マニュアル 試乗インプレッション (2014.9)



~ 試乗記の読み方 ~

 この試乗記は筆者による個人的な印象記に過ぎず、ここに記された内容は必ずしも読者が実車から抱く感想と一致しない場合があります。人間にはそうした個人差、個体差があるものなのです。それが俗に言う個性であり多様性と言い換えてもいい。故にこの試乗記を鵜呑みにしてはいけません。車両購入の際には必ず購入者自ら実車に触れて検証と確認を怠らず、購入者が主体性を持って車種選定の判断を行うことが原則です。したがって・・・

買うときには自分で試乗して確かめる
筆者の言うことに左右されない
自分がいいと思ったものを購入する

・・・これらのことは最低限です。当たり前のことですが、それができない人が多いようです。この試乗記は指示書でも教科書でもバイヤーズガイドでもなく、購入者に試乗の手間を省かせる目的のものではありません。だとしたら何者であるかというと、クルマを「検証する手法」の提示をしているに過ぎません。しかし、その検証の手法、いわゆるモノサシというものがかなりブレているのが今の世の中、今のユーザーのように筆者には見受けられます。そこで、「私ならこのように確かめる」という意味合いでこのような記事の掲出を行っているもの、とご認識いただきたいと思う次第です。


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 これまたインプレッサからの派生車種ではあるが、独立したネーミングを与えられた「WRX」の最新モデルである。むろんWRCでの経験が礎になっていることを示しているが、現在はラリーに出ているわけではなく、ニュルブルクリンク24時間レースに出ている。ランチアはもはやインテグラーレを出していないが、スバルはいつまでもラリーが拠りどころなのだ。それを変わらない良さと取るか、新しいものを生み出せない限界と取るか・・・



 エクステリア



 試乗グレードであるタイプSはBBS製鍛造アルミホイールに大型ウイングを備えるところが識別点。基本的にインプレッサやレヴォーグと共通イメージ。




 小さく見えるホイールは18インチ。




 大型リアウイングはこう見えてあまり視界に支障しない。



 視界・扱いやすさ



 原則としてインプレッサやレヴォーグと同じインパネ。赤く光るメーターパネルが「リアルスポーツ」の証。ハンドルはご覧のとおり太いグリップでゴツいがエアバッグをコンパクトにまとめてあって余計な慣性がかからない操舵感。チルトとテレスコピックの調整が可能。ダイアル式の空調コントロールは一撃で操作できたいへんよろしい。6段マニュアルのシフトは短く確実な印象。パワーウインドウは全席ワンタッチ。




 Aピラーは細めでブラックアウトされているのがいい。



 インテリア・ラゲッジ



 凝ったデザインではないが厭味のないすっきりとした印象のダッシュボード。黒系しかないのはちょっと物足りない。




 運転席は電動調整で好みのポジションを得られる。ランバーサポートと体圧の分散が優れ、快適かつホールド感も良好。インプレッサもレヴォーグも全車このシートにしてほしいくらい。

・前席頭上空間/こぶし1つ半




 後席もおざなりでなく、硬めだがきちんと身体を支えてくれる。前方視界も良好。

・後席頭上空間/手のひら1枚
・後席膝前空間/こぶし1つ半




 AWDで、かつダブルウイッシュボーンサスを持ちながらラゲッジスペースへの侵食は少なく、広い。



 エンジン・トランスミッション



 じつはこのWRXのマニュアル車、エンジン形式は「古き良き」”EJ20”である。マニュアルギアボックスとのマッチングを新型エンジンにおいてはまだ行なっていないとのことで、このエンジンが再登用された。以前よりもフレキシブル性は高くなっていて、交差点を3速で曲がれるくらいの粘りに、高回転でのシャープさや爆発力もそのままと、このクルマの性格に相応しいだけのものにはなっている。しかもそこそこ踏み込んで走った市街地燃費もそんなに悪くない。6段マニュアルは軽快なシフトを可能とするが、ひとつだけ注文があるとしたら、それはクラッチのトラベルがやや長いことだろうか。ボンネットはダンパーで支える。





 試乗中の燃費は7.3Km/L。



 足廻り



 BBS製鍛造アルミホイールにビルシュタインという王道の組み合わせ。硬いというより良く引き締められており無駄な動きが排除されているだけでなく、当然のように高い剛性と動作精度の高いダンパーのおかげで振動も少なく快適ですらある乗り心地。ハンドルのギア比はクイックになっていて中立からの反応も素早いが切り増しなんか屁でもないという余裕。



 結論

 このクルマを屈伏させるような走りが出来るシーンはそうそうないし、そんな腕を持っている人はほんの一握りだからチャレンジなどしないほうがいい。しかし、オーバースペックとは即ち貯金であり、それは気持ちのゆとりにつながる。







 実用的な条件を満たしていればそれでいい、という考え方はある。それはじつに合理的なことだが、一方で動力性能やハンドリング、ブレーキに大きな余裕を蓄えた上で走るというのは、ある意味で贅沢なことだ。贅沢とはなにも豪奢なインテリアばかりではない。過剰なる性能を所有する満足感は高級車の条件の一つになるのではないだろうか。





 10項目採点評価

ポリシー >>> 8
スタイル・インテリア >>> 6
エンジン・トランスミッション >>> 9
NVH >>> 8
ドライバビリティ >>> 8
スペース >>> 8
気配り度 >>> 8
先見性 >>> 6
完成度 >>> 9
バリューフォーマネー >>> 8




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 試乗データ

試乗日:2014年9月14日
試乗車:スバル WRX STi Type S (車輌本体価格:4,179,600円/OP含む)
型式:CBA-VAB
エンジン:EJ20(水平対抗4気筒1994ccターボ)
トランスミッション:3ペダル6段マニュアル
駆動方式:AWD
全長×全幅×全高:4595×1795×1475mm
ホイールベース:2650mm
車輌重量:1490kg
最小回転半径:5.6m
タイア:245/40R18
JC08モード燃費:9.4km/L
燃料タンク容量:60L(無鉛プレミアムガソリン)
ボディタイプ:4ドアセダン
ボディ色:クリスタルホワイト・パール(32,400円高)
内装色/素材/:ブラック/アルカンターラ・本革
装着されていたオプション:
     ウエルカムライティング&サテンメッキドアミラー
     運転席パワーシート
     フロアマット





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 メーカーサイト

http://www.subaru.jp/wrx/sti/




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ご留意ください
この試乗記はあなたの試乗を代行するものではありません。
感じ方や考え方には個人差があります。
また、製品は予告なく改良される場合があり、
文中にある仕様や評価がそのまま当てはまらない場合もあります。
購入前にはぜひご自分で試乗をして、よくお確かめください。











前田恵祐



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