「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

Zには本当に3.7リッターも必要なのか



腑に落ちない大排気量政策(2012.7)



 クルマにはそれぞれのサイズや重さに見合ったエンジンというものがあると思う。カローラに3リッターは必要ないだろうし、現実的でない。釣り合いのとれたエンジン、また、今はエコカー減税という項目もあるからそれに則したものとする必要もある。だからエンジンチョイスはかなりシビアになってくるはずなのだ。


 しかし、こと大型車に眼を転ずれば、2.5を過ぎるとその次は殆ど3.5かそれ以上という設定になっている。これはどうしてなのか。たとえば3リッターではダメなのか。3.2だっていいじゃないか。大排気量車の中でも比較的小さく軽い方のフェアレディZに3.7リッターものビッグエンジンというのは、どうも解せない。スポーツカーだって時代の要請に応えねば成るまい。Zくらいならあと1割がたシェイプアップして2.5リッターあたりで成立させる、という考えがあって不思議はない。ちょっと気を利かせて2.4までスケールダウンし、いにしえの240ZGの復刻だって面白いだろう。今のZはMTでも動き出しからモッサリしていてMTのありがたみが極めて薄い。ま、それはむかしからそうだったかもしれないが、Zは良く出来た7段オートマで乗るのがよろしい。









 フーガにしても、2.5で充分良く走る。ならばあとはハイブリッドでいいじゃないか。3.7のガソリンなんて燃料をバカ喰いするエンジンを今この時代になんのためらいもなく載せているのはおかしい。それはクラウンにしても同様。あちらは3.5に留めているあたりが「良識」だとは思うけれど。そのかわりマークXは現行になって2.5と3.5でクラウンと同じ、変わらない車になってしまった。車両価格はちょっと安いけれど。

 排気量が上がって今時なんのメリットがあるというのか。パワーはもう充分以上。むしろ重量増や価格の上昇、そしてさらにいうと支払う税金がドンと跳ね上がるというデメリットが大きい。じつは、大排気量政策の最大の目的はこの税金の部分なのだと私は思う。


 エコカー減税、または免税で、実は自動車からの税収はかなり減額しているという現実があるのだと思う、未確認だが。その分を排気量の大きいクルマから吸い取ろう、あるいは、お上はメーカーにお触れを出して「より排気量の大きいクルマで税収減を補うように」という追い込みをかけているのではないか。でなければ、あからさまな時代逆行の排気量増大傾向の説明がつかない。


 そう考え始めると、RX-8が消えたタイミングにあわせるように、86/BRZが登場してきたのもなにやらきな臭い。お上はスポーツカーに対してもある種の抑制をかけてきているのではないか。大衆が購入できる本格スポーツカーは世の中に1台まで、というふうに。値段にしても、本来もっと買いやすい値段で行きたかったところが、そうはならなかった。それは企業努力というより、そのようにせよ、というやはりお触れだったんではないか。いや、ここまで来るともう完全に私の推理でしかなく、何の根拠もないのだけれど。


 今の自動車業界を見渡すと、これに限らず腑に落ちない、腹に入らない、どうもモヤモヤする事柄がいくらでも出てくる。おかしいと思ったことはきちんと言っておいたほうがいいだろう。日本国民はとにかく従順すぎる。与えられたものを素直に受け入れすぎる。重箱の隅をつつくような小さな批判をしろというのではない。全体を見渡して歴史経緯もきちんと踏まえた上で監視するという仕組みが弱すぎるのだ。








前田恵祐


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