「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

End Talk 2014




 やれやれ今年もなんとか一年、終えられそうです・・・


 ところで、貴方は「やりたかった仕事」に今就けているだろうか。学校教育では目標や夢を持てと刷り込まれ続け、その挙句、結局学力や就職事情その他で今の仕事になんとか折り合いをつけている、というのが、おおかたの実情ではないだろうか。それが悪いと言っているのではなく、むしろそうであることが職業に対して弛緩せず、相応の緊張感を持って臨める根拠になるのではないか、と私は思う。思い通りの反対、ままならない職業事情に不服を抱くのは誰しも同じ。やりたかったことではない仕事、即ち不得意分野でヒト様に奉仕するという姿勢やその結果こそが人間を磨く、みたいなことを言っておきましょうか。


 ままならぬ就職事情ゆえに、「やりたかったことをやれる」ということがいかに貴重な状態であるかがまさしく浮き彫りになる。逆に、「やりたかったことをやれている」その状態しか知らないことの危うさを見いだせたなら、ままならぬ人生もまた悪いもんじゃないと気がつけるはずだ。


 大学を卒業してちょっと出版社に勤め、三十代も半ばを待たずに時が来るとフリーランス。その「時が来る」というのは、会社に所属せずとも仕事が途切れない人脈、即ちそれとは、顔を売るということと、メーカーの広報部長に媚びへつらってタダでサンプルを貸出してもらえる権利を取得することを意味する・・・フリーランスでしかもメシを食えている自動車関連の物書きの実情とはおおかたこんなものだろう。


 自動車関連の物書きが書き出せているモノの内容は、個人的に「自己満足」であり「自己完結」に終わっているものばかりだと感じている。そこには読者に対する誠意や読者の利益を最大限追求しようという心構えのようなものがない。クルマという商品を通じて読者にどれだけの利益を与えられるか、あるいは、メーカーに対してどのような態度をとれば読者への利益を最大限抽出し続けられるのか、といったたぐいの気概が今ひとつ感じられない。じつにもってぬるま湯い原稿。ままならぬ人生に身をよじりながらヒト様へ奉仕するという苦労を知れば、あんなもので脱稿できるとはとうてい思えない。自戒の念も込めつつ。


 いつからか日本人はある種の「思考停止状態」に陥っていると思う。広告宣伝や報道を鵜呑みにしてしまい、メディアの誘導や洗脳を簡単に受けやすくなってしまった。ま、もともと日本人の国民性の根幹は農耕民族だから、保守的だし事を荒立てず平穏であるところに美徳がある。故に思考回路はあくまで受け身であるし、他人と違う考えを持つことや他人を疑うということをしにくい。その意味では、「自己検証」という概念が存在しない国民性であるということは出来ると思う。だから、誘導や洗脳を受けやすい。そしてその性質をうまく利用した「商法」も横行する。


 今年試乗してきたクルマの中にも「つくる側の検証が不十分」と思わせるものが数多存在したことは事実だ。妥協して諦めているのか、こんなところを直してもユーザーはわかりゃしない、とナメてかかっているのか、あるいは本当に気がつけていないのか。Aピラーやダッシュボードの反射やドアミラーが阻害する視界などは端的なところだと常々思っているし、先日も書いたブッシュ依存による小手先の振動処理とそれによる眠さを許すドライブフィールなども該当する。むろんそれだけではない。しかしこうしたあたり外車に乗るとびっくりするくらいちゃんとしている。


 それでいいのか、間違っていないか、あるいはそれが本当の意味でユーザーに利益をもたらしうるのか、という視点が完全に抜けているとしか思えない。ここでいう「利益」とはなにも下取り条件のことでは必ずしもないことはおわかりだろう。そうした観点で造る側が「検証」をし続けることが製品の「成長」を証するものであると思うし、また検証を促せないユーザーやマスコミの責任も小さくないと私は思う。メーカーの利益ではなく、本来ユーザーの利益を第一にクルマは作られるべきだ。それにしては誤魔化し、欺いているような商品が多すぎやしないか。それに対して何も言えない、指摘できないマスコミ、気が付けない、逆らわないユーザーも共々無能の極みだ。





 ・・・と、言いたいこと言ったところで、年末恒例今年乗ったクルマの中から乗り逃げしたくなったクルマをピックアップ。






マツダ・アクセラ ハイブリッド


 はっきり言ってデザインは好きじゃないし、マツダの宣伝ポリシーもアザトくて鼻に突くけれど、借り物のハイブリッドシステムをうまくモノにして、なにより走行フィーリングが良かった。良く手を入れて「調律」されていると思ったし、それはトヨタのハイブリッドとはちょっと比べ物にならないくらい洗練されたモノになっていた。パワーユニットも、アシもいい。値段だってプリウスと同レベルなのだから、プリウスの走りに我慢ならない人にはこれしかない、という存在になりおおせていると思う。満点は与えられないが、なんならガソリンやディーゼルよりこちらをオススメすることもやぶさかでない。出たのは去年のクルマだけど。




 おめでとう、アクセラ・ハイブリッド、とてもいいクルマでした!




 また、次点級としては・・・





メルセデス・ベンツC200アバンギャルド


 次点というか、これ、今年の中で一番カンドーしたクルマだったのだが、なにぶん高価いし庶民には手が出ないクルマをおいそれと褒めたくはない一心で、次点。エアサス、すごくイイ。フェザータッチ。耐久信頼性はわからないけれど。でもそれに目をつむっても、本文にも書きましたが、金があったら真っ先に候補。




 あるいは・・・




1993年式 日産・プリメーラ


 というか、今年最大級のドラマはまさにこのクルマが運んできてくれたといっても過言ではない。ソリッドな走りがズンズンとしかも心地よく身体に響いて、脳細胞を刺激し、前向きにクルマを駆る、操る、楽しむ、という行為を思い出させてくれたばかりか、批評者としてどうあるべきかというところにまで突っ込んで迫ってくるクルマだった。鈑金屋のボロい代車が混沌とした行く手を明るく照らし導いてもくれた。ちょっと忘れられない、これもカンドー的な出会いだった。





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 今年もこれまでお付き合いいただき、誠にありがとうございました。来年も良いクルマとの出会いに恵まれますように。読者の皆様におかれましては良き一年となりますよう、特に交通安全をお祈りして今年は筆を置こうと思います。それでは良いお年を。













前田恵祐


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