「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

思い起こせば礎か



RCカーに興じた子供の頃...

.
 タミヤRCカーグランプリのナレーションは今や司会者の大御所となった小倉智昭さん、アシスタントはのちにタッチの浅倉南の声を務める日高のり子さんで、司会者は・・・清水国明さんだったと記憶しているがちょっと曖昧。そんな頃に少年時代を過ごした僕にとって、四輪車とのファーストコンタクトはミニ四駆ではなく、スティック操作のプロポで指にタコを作るRCカーだった。小学校の友人がやっていて、試しに操縦させてもらったらこれ楽しくて、親にねだってねだってねばってねばって、やっと買ってもらった代物。



 最初はリア固定軸二輪駆動のホーネット、しかしこれのトラクションの悪さとトリッキーなハンドリングが気に入らなくて、当時フルタイム四駆のベーシック版だったブーメランを買った。神戸にあるショップオリジナルのフルベア、フタバのアンプ付ホイラーのプロポセット、テクニゴールドもつけて通販で確か35,000円ほどだったか。その年のお年玉ははたいた。



 友人のホットショット(ブーメランのちょっと上級版)のフロントサスは独立のダブルウィッシュボーンだが、ショックはモノショックで、しかも強めのスタビまでついていたから前から逃げる、四駆特有のプッシュアンダーの特性を知っていた。そして自分のブーメランも同じ構成だから、同じ操縦特性になることは明らかだった。だから購入時にオプションの左右独立ショックアブソーバを同時注文するのも忘れなかったわけだ。



 問題はこだわった四本ダンパーのセッティングだ。オフロードカーだが、走らせる場所はほぼコンクリートのオンロード。オフロードだと滑ってある程度セッティング不良でも腕でなんとかできてしまうところがあるが、オンロードはその辺シビア。しかしプッシュアンダーを避けるために選択したフロント独立ダンパーは僕の予想通りしっかりとグリップしてくれて、概ねニュートラルステアの素直な特性を示してくれた。読みが当たってちょっと嬉しかった。



 ニュートラルステアが四駆ではなかなか得られないことは自動車雑誌を読んでよく知っていた。モノサスに強いスタビで固められた前足を独立ダンパーでしなやかにし、良く路面を捉えるセッティング。前後のグリップバランスを変更したマイマシーン・ブーメランは快調だった。ホットショットをもつRCの先輩、友人のSも僕のブーメランの素直な操縦性に感心していた。シメシメ後出しジャンケンだが勝ってやったぞ。



 ところがそんな満足感も長くは続かない。素直なニュートラルステアに満足していたものの、そこからツブしが効かないことに不満を抱くわけである。挙動変化を楽しめない。オンザレールだがそれ以上のブレイクを誘発してコントロールする楽しみがない。今度はリアをなんとかしてやろうと思ったわけだ。



 一番手っ取り早いのは社外のスタビを与えて動きを規制してしまうことだが、お年玉の残りはもうない。しかたがないから純正の硬めのダンパーオイルを使うことにした。スプリングはそのまま。すると、ステアリングで切欠を作ってあげれば穏やかにリアが流れるようになってくれた。流れたらその分だけ静かにカウンターステアを与えればいい。オツリを食らわないようにスロットル操作にも気を使う。とはいえ充分にコントローラブルだ。



 しかしここでもまた不満が。カタくなったダンパーのせいでハッキリとリアが跳ねるようになった。それまで概ねフラットでうまくサスペンションが凹凸を吸収してくれていたものが・・・やはりサスペンションセッティングというのは難しいんだな・・・1986年、小学五年ハナ垂れ小僧、幼き自分の偽らざるツブヤキ。この頃、授業中もRCのシャシセッティングのことでもう頭がいっぱい。



 これ以上硬くしてしまうとせっかくのトラクションの良さは失われてしまうし、かといって元に戻したらツマラナイだろう。どうしたものか・・・考えあぐねた結果、僕の取った行動はリアを一気に柔らかくしてしまうことだった。ダンパーオイルはソフト側に、スプリングカラーも外してバネも柔らかくした。おかげで底突きしてしまうくらい柔らかいリアサスになってしまったが、いちおう路面はキチン捉えるし凹凸の吸収もいい。そしてもう一つ得たものといえば、ちょっと大袈裟になった姿勢の変化だった。加速時にはニューソアラ(当時)のエアサス車のように大きくリアを沈める。



 普通に走らせる分にはやはりニュートラルステアで、柔らかくなった分ロールをするようになる。そしてそこにスロットルオフが重なるとリアの荷重変化が起き、結果ブレークを誘発しリバースに転じるという、なかなか痛快な特性に変化したのである。しかも固めた時のブレークと違って過渡特性を予測できるから対処も簡単だし、また誘発も収束も思いのまま。しかし柔らかくしすぎて底突きが増えた結果ABS樹脂製モノコックシャシはガサガサになってしまったが。



 これらはすべて良し悪しではない。あくまでも僕が個人的にいろいろと試して、一台の"クルマ"の操縦特性を楽しんだ結果を書いたに過ぎない。でも楽しめるでしょう?RC。



 こうした体験は、たしかに実車に対する疑似体験のようなものだけれど、確実に実車の足廻りに対する見識の一部を形成していると思うわけですね。充分、今の礎にはなっている。四つの車輪がついた車輌に様々な力、それは、人がコントロールする力、遠心力、路面からの入力、場合によっては空力もあるだろうし、それ以前に車輌の前後重量バランスだってある。そうしたものが、車輌にどんな影響を及ぼすか、そして車輌のセットアップでどのような変化を生んで行くのか、の、基礎的な知識は身についたんではないかと・・・



 あ~ラジコンやりたいぞ!!




 タミヤ 1/10RC ブーメラン







前田恵祐


.

拍手[0回]