「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

メンテナンスフリー時代の盲信



中央道笹子TN天井崩落事故について(2012.12)



 クルマが錆びにくくなったのは平成に入ってからだ。詳しいことは知らないが、鉄の質が良くなったことと防錆処理のレベルが高くなったからだろう。それ以前のクルマはとにかく錆びる。あるいは、劣化する。劣化といえば、人間も劣化しなくなった。最近女優復帰した鈴木保奈美の美しさはちょっとしたものだし、黒木瞳の若々しさを保った容姿も大したものだ。四十をこえて五十がらみだというのにだ。


 そういうわけで、この二十年、人はモノが劣化する、錆びるという心配をうんとしなくなった。子供の頃父はクルマで海岸沿いを走っただけで下回りの錆び止めをした。その感覚は確実に廃れた。


 今回の笹子トンネルの事故も、まさしくこうした盲信に原因があったように思える。落成後30年以上の建築物、あるいはその構造物の例えば金属に疲労、劣化、腐食が起こると考えない方が不自然だ。ましてや「万が一」を想定するなら、安全に安全策を重ね然るべきだっただろう。しかし今回Vの字の落下した天井部材はおろか、それを吊っている金具の交換、更新の記録はなかった。その必要を感じていなかった盲信にこそ問題の根源が潜んでいると思う。


 クルマは手入れをサボっても動いてくれる代物になり果せた。クルマだけではない、あらゆる製品、商品がメンテナンスフリーという時代だ。そういう意味では、そうなる少し前に建造された道路建築物にはメンテナンスという行為が必要なのだと思う。首都高の老朽化しかり、新幹線の橋脚補強しかりである。メンテナンスフリー時代に生きる我々だが、メンテナンスを欠かしてはならないものもある。


 鈴木保奈美や黒木瞳は、きちんと美しさを保つようにメンテナンスをきっちりしているんだろう。メンテナンスフリーで、ああはならない。








前田恵祐


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