「新車試乗インプレッション」と「自動車批評」を主とするBLOGですが、ここに記されているレポートは鵜呑みにせず、ご自身で何事も検証してください。自己検証が大事だ、と言い続けたいブログなのです。 キミたちはもっと利口にならなければ、利口になろうと思わなければならない!

大衆車の車窓から


カネとクルマ



 湾岸線の右車線を、それこそこの世のものとは思えないような速度でカッ飛んでいく高価な自動車、それを大衆車の運転席で眺めながらどこかその視線は一昔前と違って冷淡なものになっていることに気がつく。最初はやっかみかもしれないと思ったが、それもちょっとちがう。「こんな時代にあんなクルマで飛ばして」・・・


 そう、今は「こんな時代」、そして「あんなクルマ」なのである。


 ボクのように貧乏暮らしをしていると、いっときまでは「いつかは・・・」という妄想を膨らませているが、ある瞬間にその妄想の風船はパチンと弾ける。ま、身体が健康で食べることに困らず、生き甲斐があり、良好な人間関係があれば、ともあれ、まぁ、ね・・・というふうになっていく自分に気がつく。ここ数年、急速にボクの金持ち願望ははっきりとシュリンクした。そうなるとクルマは10年オチのヴィッツでもう充分。








 大衆感覚と言うものがある。しかしそれはあまりに大雑把だ。ボクのシュリンクした金持ち願望は、ある意味大衆感覚に近いと思っているけれど、でも、近所の家なんか、ボロッちい集合住宅に住みながらクルマはピカピカのアルファードの新車だ。ま、何を買おうが勝手だが、これも大衆感覚。庶民感情。チッポケな欲望や見栄を捨てたり捨てられなかったりする、その狭間でもがきながら生きているのが庶民ということかもしれない。









 軽自動車が売れているというのは、この日本においては軽自動車の性能を持って充分であり、価格、維持費、また世間における軽自動車の立ち位置が買う側の感覚に近くしかも合理的だからである。そもそもクルマという道具は合理的なものなのだ。今時クルマなんかで見栄を張ろうなんて思っている人は相当に遅れていると言わざるをえまい。




 となると、湾岸線をカッ飛んでいく高性能で高価な自動車の肩身はどんどん狭くなる。ポルシェもフェラーリも頑張って今からハイブリッドをやろうとしているが、それも遅きにして失した観がある。本来ならこうしたメーカーが率先して次世代技術を提唱し、そのことを「見栄の道具」にしていくことはできただろうに、その先見性は、彼らにはなかった。その時点でもはや失墜。今の世の中では完全にヒール役となってしまった・・・と思う、にしておこうか。









 ま、それでも何を好もうが買おうが勝手だ、とは言っておこう。しかし、世の中これだけ貧しくなって困っている、あるいは見栄やカネへの執着を自ら捨てられる人がたくさん増えている中で、自分のクルマに、過剰にカネをかけるのは、まぁ百歩譲った言い方をして、どうなんだろうね。税金対策だ何だという人はいるかも知れないが・・・




 でも、どうせ見栄を張るならもっと格好のつくカネの使い道というものがあるといいたい。






前田恵祐


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