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前田恵祐は2018年5月18日、闘病の末この世を去りました。 故人の意思を尊重し、ブロクは閉じずにそのまま残すこととしました。 以前からの読者の方、初めてブログに訪れてくださった方もこれまでの記事をご覧にっていただけるとありがたく存じます。(遺族一同) 当ブログのURLリンク、内容、文章等を、他のwebサイト、SNS、掲示板等へ貼り付け拡散する行為、印字して配布する行為は、いかなる場合も禁止事項として固くお断りいたします。

#138 多用途、多目的にして多魅力?


ホンダ ヴェゼル HYBRID X FF 試乗インプレッション (2014.4)

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この試乗記は個人的な印象記です
捉え方や感じ方には個人差があります
ご自身で乗ってお確かめください



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 ヴェゼルの姿かたちはヨーロッパ案を採用したという。日本人よりヨーロッパ人のほうがこうした車型のデザインはうまいということか。日本人はそもそも勤勉すぎて遊び心というものがない。ヴェゼルのようなクルマは心に余裕のある人が選ぶクルマなのである。



 エクステリア



 小山のような大きさだがドレッシーなシェイプで仕上がっている。ジュークがちょっと若すぎて、という人にちょうどいい感じ。




 Cピラーにリアドアのノブが備わる。テールに向かって下がっているように見えて上手く頭上高を稼いでいるあたりは後述。




 制動灯は面積で判別できるようになっている。実際の寸法よりずっと小さく見える。



 視界・扱いやすさ



 メーカーオプションナビ装着。シフトレバーはプリウス式。駐車ブレーキはシフトレバー後部に電気式スイッチとして備える。エアコン操作パネルは例のタッチパネルで、ブラインド操作はほぼ不可能。パワーウインドウは運転席のみワンタッチだが、上級グレードでは全席ワンタッチに。ケチケチするな。




 オートライトを備えるが、スイッチポジションはOFF→車幅灯→AUTOの順。個人的に好ましい。




 Aピラーはフロントガラスに映りこむがむやみに太くはない。運転視界の良さが1770mmの全幅を感じさせない。




 運転席から目視したCピラーはこんな感じ。



 インテリア・ラゲッジ



 全グレード、ダッシュボード前面、センターコンソール、ドアアームレストがソフトレザー張りで触り心地が良い。センターコンソールは二階建てで下階にはシートヒーター(オプション)などの操作スイッチが備わる。試乗グレードは黒一色だが上位グレードには茶系もあり。




 運転席はラチェット式高さ調整を備えるが、最も下にセットしても後傾角が満足に得られない。背もたれとの密着度を求めるタイプのドライバーにはやや不満だろう。その背もたれそのものはサイドサポートも有効で横方向のサポートは理想的。ドア内張りは最近のものとしては珍しく、シートと同じファブリックが張られている。

・前席頭上空間/こぶし1つ+アルファ




 後席は十分な広さと視界をもつ。やはり座面はもう少し後ろに傾いていた方が、長距離長時間乗車時に楽な思いができるはずだ。シェイプされた外観に対して例えば頭上空間が犠牲になっているかというとそんなことはなく、余裕でこぶしを縦に一つ入れることが出来た。こうでなくちゃ。

・後席頭上空間/こぶし1つ
・後席膝前空間/こぶし2つ以上




 やはりシェイプされた外観デザインから想像する以上の空間をもつラゲッジスペース。こうでなくちゃ。



 エンジン・トランスミッション



 見た目は殺風景だが静かでスムーズなパワーユニット。もう一歩エンジン作動時のショックが少なくなるとなおよい。EVスタート時などモーターらしくトルクも太く7段の変速機が本当に必要なのかと思えるほど。本来ならガソリンエンジンにDCT、ハイブリッドにCVTという組み合わせの方がよかったのではないだろうか。




 試乗中の平均燃費は渋滞を含んだにもかかわらず21km/Lを上回った。エアコンコンプレッサーの電動化などの施策で停車時に不必要なエンジン始動を防いでいるため、停車したまま平均燃費値がジリジリと「上昇」するという現象も見られた。



 足廻り



 試乗車はオプションのV規格55扁平17インチタイアを備える。標準は16インチロクマルのH規格。全体的に硬めだが引き締まっていて華奢な印象がない。ブッシュ類もソリッドな印象。ハンドルは中立がはっきりとしていて直進性も高い。個人的にはもうすこしアシをゆったりと動かせる方向にまとめた方がいいかなとも思ったが好みの範疇。ブッシュで逃げていない分、とくに前方からの振動をやや正直に伝えてくる傾向あり。タイアチョイスで緩和できそうな気もする。



 結論

 実用一辺倒がクルマの用途ではない。遊び心は気持ちを開放させドライブ旅行にいざなってくれるだろう。その観点から見れば充分以上のラゲッジスペースや運転視界の良さ、トルクフルなパワーユニットは長距離ドライブにも好適と思える。オンとオフの切り替えをはっきりさせたい人、フィットの実用一辺倒に食傷気味の人へ。







 10項目採点評価

ポリシー >>> 8
スタイル・インテリア >>> 8
エンジン・トランスミッション >>> 8
NVH >>> 7
ドライバビリティ >>> 8
スペース >>> 8
気配り度 >>> 8
先見性 >>> 7
完成度 >>> 8
バリューフォーマネー >>> 7




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 試乗データ

試乗日:2014年4月12日
試乗車:ホンダ ヴェゼル HYBRID X FF (車輌本体価格:2,350,000円/OP別)
型式:DAA-RU3
エンジン:LEB-H1(直列4気筒1496cc+モーター)
トランスミッション:7段デュアルクラッチAT
駆動方式:FF
全長×全幅×全高:4295×1770×1605mm
ホイールベース:2610mm
車輌重量:1280kg
最小回転半径5.3m
タイア:215/55R17 94V
JC08モード燃費:24.2km/L(アルミパッケージ)
ボディタイプ:5ドアハッチバック
ボディ色:ルーセブラック・メタリック
内装色/素材:ブラック/ファブリック
装着オプション:
     ルーセブラック・メタリック色(37,800円)
     Hondaインターナビ+リンクアップフリーETC(226,000円)
     17インチアルミホイール+ルーフレール(86,400円)
     コンフォートビューパッケージ+運転席助手席シートヒーター(54,000円)
     




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 メーカーサイト

http://www.honda.co.jp/VEZEL/




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ご留意ください
この試乗記は貴方の試乗を代行するものではありません。
感じ方や考え方には個人差があります。
また、製品は予告なく改良される場合があり、
文中にある仕様や評価がそのまま当てはまらない場合もあります。
購入前にはぜひご自分で試乗をして、よくお確かめください。










前田恵祐



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