ダイハツ タントカスタム RS ~ 試乗インプレッション(2012.7)
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この試乗記は個人的な印象記です
捉え方や感じ方には個人差があります
ご自身で乗ってお確かめください
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日本のファミリーカーはもはや軽自動車である。軽自動車と言う一つの定型のなかで工夫を凝らしオリジナリティを生み出そうという動きは、それは盛んにあるのだが、コストとの兼ね合い、あるいは法規とのせめぎあい、場合によっては創造力の限界などで、現状としてはドングリの背比べ状態である。タントは助手席側をスライドドアとし、センターピラーを取り去って、特に小さな子供の居るユーザーにとって扱いやすいクルマというコンセプト。箱庭状態の軽自動車の世界の中では明快なコンセプトではあると思う。
■ エクステリア
決まったサイズの中では、もはやイジりようはない。どこのどんな模様が好きか、という小さな好みの問題である。選択の余地は少ない。
センターピラーはドアに内蔵。だから安全性には問題ない、らしいが、心情的に結合されているかいないかでの強度の差はゼロとはいえないんじゃないか、と言う気もする。
センターピラーがないと無理な体勢を強いられず、例えば後席にチャイルドシートを設置したりそこに子供を坐らせたり、がしやすいわけだ。
後姿を見ても、もうどこの誰なんだか。
■ 視界・扱いやすさ
四角いデザインでガラスも広く見晴らし良好。ノーズも短く小回りも効くから、これ以上運転しやすいクルマを作れというほうが難題かもしれない。ダイハツ式のインパネシフトで操作感はコラムシフトと同じ。駐車ブレーキは足踏み式で解除は二度踏み。パワーウインドウは運転席のみオート。スライドドアはこのグレードでは電動である。
出窓式であかりが採れ、視野も広がる。
■ インテリア・ラゲッジ
大きな箱の中にポツネンと坐っているかのような広さ。シートも広く大きく、肘掛もあって、仰け反り運転推奨型である。個人的には運転席は運転という「業務」を行なう場所であるから、自分の部屋の延長という感覚には同意できない。適度な緊張感も運転には必要である。
前席ヘッドルーム:こぶし2つ
大きくスライドもし、フラットにも成る。大人が乗ると言うより、やはりチャイルドシートをくくりつける為のスペースという解釈のほうが自然だろう。
後席ヘッドルーム:こぶし2つ/膝前:こぶし2つ以上
後席をもっとも後ろまでスライドした状態。
■ エンジン・トランスミッション
試乗車は最上級のターボつきエンジン。しかし過給はマイルドで、言われなければターボ付とは思えないくらいスムーズ。1t近い車重に馬力は必要充分。すくなくともこれくらいはないと、いざというときの余力がない。やはり660ccではそろそろ限界が見えている。ターボ付だがアイドリングストップを備える。
■ 足廻り
例によってアッパーマウントの位置が相対的に低く、ロールセンターが低い為、クルマが様々な動作をするときに乗員は頭を揺すられる格好となる。軽自動車のとくにハイトワゴンは室内スペースを多少犠牲にしても、この問題をクリアしなければ、例えば操縦安定性を小型車と同じ土俵で語ることはできないだろうし、いつまでも妥協を抱えたままである。車種によっては真面目に取り組んでいるものもあるから、そこは設計側の認識一つなのだろう。
タイアはけっこう頑張った薄いタイアを履いているが乗り心地そのものはアタリが優しい。
■ 結論
センターピラーを取っ払って乗り降りをし易くしたのは、個人的にいいアイデアだと思う。限られた大きさ、スペースを最大限便利に有効にと考えれば理にかなっている。タントは現行モデルになってかなりの時間が経つが、便利車としての値打ちは色あせていない。例えばN-BOXがこれ以上のものになっているかといえば、そうとはいえないし、パレットにいたっては旧タントに照準を合わせているほどで土俵にも乗っていない。それはダイハツにとってラッキーなことかもしれないが、このクルマがカローラアクシオとほぼ同じ値段であると言うことを少し冷静に考えねばならないと私は思う。あれもこれもと欲張り見栄を張るのは潔くない、格好悪い。
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■ 5段階評価/★★★☆☆
・足廻り(-1)
・値段(-1)
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■ 試乗データ
試乗日:2012年7月5日
試乗車:タント カスタム RS(車両本体価格:1,630,000円)
型式:DBA-L375S
エンジン:KF型3気筒DOHC12バルブターボ
トランスミッション:CVT
駆動方式:FF
全長×全幅×全高:3395×1475×1750mm
ホイールベース:2490mm
最小回転半径:4.7m
車両重量:960kg
JC08モード:22.2km/L
ボディタイプ:ハイトワゴン
ボディ色:ブロンズオリーブパールメタリック<G52>
内装色:ブラック/ファブリック
装着されていたオプション:
メーカーオプション色<G52>
フロアマット
アクリルバイザー
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■ メーカーサイト
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ご留意ください
この試乗記は貴方の試乗を代行するものではありません。
感じ方や考え方には個人差があります。
また、製品は予告なく改良される場合があり、
文中にある評価がそのまま当てはまらない場合もあります。
購入前にはぜひご自分で試乗をしてよくお確かめください。
前田恵祐
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