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#015 ベイビーアルファ

ALFA MiTo 1.4T Sport 試乗インプレッション(2009.7)

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この試乗記は個人的な印象記です
捉え方や感じ方には個人差があります
ご自身で乗ってお確かめください



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 アルファロメオ待望の最小単位がこのMiToである。最小単位といっても全幅で日本の5ナンバー枠を超えているあたりは現代っ子という感じだろうか。



 概観



 歩行者との衝突を考慮して前後は丸くなり乗員保護のためピラーは太くなりウエストライン(窓の下端)は上昇する。これらのためにどうしても見た目に緩慢な印象となってしまいがち。昨今の自動車デザインはこの問題と直面しており、即ち、いかにこの緩慢さを打破し独自性とクルマらしい俊敏な印象を与えるかに尽きる。




 このクルマのデザインもまた同様で、ただし幸いにというか昨今のイタ車は古きを訪ねて何とやら・・・という心持ちらしく、クラシックなモチーフで独自性を打ち出すという手法を用いている。また前後のデザインにはあの8Cのデザインを頂いてきた。ベイビー・アルファだから許されるヤンチャではないだろうか。




 日本仕様のボディカラーは、ロッソ、ビアンコ、ネロの3色。ネロはメタリックで陰影によって違った色味の輝きを放つ。



インテリア

 全長4070ミリ足らずにしては後席も充分なスペースがあるし、それにしても前席優先の3ドアのみであるから前席のスペースは充分以上。やはりスカットル(ダッシュボードの上端)が高めで閉塞感がある。ましてやダッシュボードもけっこう視界に迫ってくるデザイン。スポーツカーのようだ。




 シートはバケット形状でサイドサポートも充分だが腰や尻もしっかりと支えてくれるタイプで長距離も苦にならないと想像できる。ややアップライト気味に座らせるにはイタ車ならでは。それでもポジションの調整幅はかつての比ではないから心配無用。




 ドア内張りはダッシュボードと併せてカーボンのような柄の「ビニール」。カラーは、日本仕様では標準の黒か黒に赤のアクセントの入ったファブリック。レザーは黒、赤、ナチュラル(ベージュ系)。ポルトローナ・フラウである。小さくて愛らしいクルマであり、注目も集める。だからボディカラーも含めてもっとバリエーションが増えるといいなと思う。




 二人分の2泊3日旅行用くらいなら、という容量?



動力性能

 D.N.A.システムと呼ばれるエンジンのマッピングや横滑り防止装置などを協調制御するシステムが与えられているのが新しい。エンジンは1.4のターボで現行のランチア・デルタと基本的に同じものと考えてよさそうだ。




 通常「N」の位置で走る。感じるのはスロットルのツキがよろしくないことで、かったるい。踏み込むとやっとブーストがついてきて満足できるが、まるで昔のターボラグのよう。「D」のポジションに長押しすると「ダイナミック・モード」に切り替わる。長押しもまたかったるい。しかしこれだとスロットルにシンクロしてパワーが発揮され、また俊敏性も取り戻し、低速から高速域まで気持ちよく走る。これが「ノーマル」なんではないかな、という気がする。




 イタ車のターボカーをここへきて久しぶりにいくつか試しているが、やはりどこかターボを「待つ時間」があって、そして彼が目覚めて仕事をし始めた時のしぐさは独特である。それはまるで追い風に優しく後押しされるような心地よさと、そののち気がつけば圧倒的なスピードを得ているというもので、これはイタ車のターボカーならではだ。ちなみに音はターボエンジンだけにややマイルド。6段マニュアルのギアレシオはクロスしていて扱いやすく、そのシフトタッチもアルファ特有の「あの」タッチである。とはいえ入りにくさとは無縁だからご安心を。



足回り

 全長の絶対値も短く、そしてイタリアの小型車の常でピッチングするが、それはあくまで彼がリズムを取って身体を揺すっている動作に過ぎないと思ったほうがいい。その実ステアリングへの入力には絶妙にレスポンスし、リズミカルに、アップテンポにアスファルトダンスを披露してくれる。それでいて常に地に足が着いていていて姿勢を乱さず思い通りのアクション。まるでストリートダンサーのように走り、同時に腰高ではあるが直進安定性も高い。




 215/45/17というタイアサイズにして乗り心地がマイルドで快適ですらあるのは恐らくタイアの銘柄に拠っているところも大きいはずだ。



まとめ

 確かによく出来ている。しかしどうにも蛇の毒が弱まったのか、コーラの炭酸が抜けてしまったか、乗って覚醒させられるものが何もなかった。よく出来ているのに、積極的に「買いたい」と思わせない。今その理由を探している。それは筆者くらいの年代にはややファンシーすぎるデザインが一因かもしれないし、そのわりには暗い内装も一因かもしれない。


 走り味もどこかで味わっている味だし(フィアットやランチアでも)、そうなるとあのデザインも見慣れてしまうとイマサラな感も否めない。あの顔は確かにアイキャッチとして有効かもしれないがこのクルマ独自のモチーフではなく、あの顔である必然性がない。となるとやはり目立ちたいがためのデザインなんではないのかな...






 あるいは、単に筆者の身体には既に毒が回りきってしまっていて、感覚が麻痺しているに過ぎない...



 とか...?



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ご留意ください
この試乗記は貴方の試乗を代行するものではありません。
感じ方や考え方には個人差があります。
また、製品は予告なく改良される場合があり、
文中にある評価がそのまま当てはまらない場合もあります。
購入前にはぜひご自分で試乗をしてよくお確かめください。









前田恵祐


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