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#021 三菱の核となる一台

三菱・デリカ D:5 試乗インプレッション(2007試乗、2009再上梓)

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この試乗記は個人的な印象記です
捉え方や感じ方には個人差があります
ご自身で乗ってお確かめください



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 歴代デリカのモデルライフは長い。94年デビューだった「スペースギア」は10年以上作った。ミニバンというよりワンボックスであり、乗用車というよりオフロードカー的な健脚をもった行動派といった印象が強い。かつてはパジェロと共通性が高く、今回のD:5はSUVのアウトランダーをベースに作られている。



 概観

 四角いデザインはいまや個性派の部類。サイズは無用に大きすぎず後述する室内スペースもたと比べて特別秀ているわけでもないが、視界がよく幅もつかみやすいため小柄な女性にも易しいのではないだろうか。はっきりと2世代前の「デリカ・スターワゴン」を思い起こさせる。根強いファンも多いクルマだ。




 05年東京モーターショーにコンセプトカーを出展していたが、当時経営難で混迷を極めていた三菱にあって、彼らも恐らく自らの本分をこのクルマのコンセプトカーに見出したはずだ。機動力のあるアクティブな雰囲気のワゴン車というのは三菱がつくった分野といっていい。




 ホイールは大きく、ロードクリアランスも大きく取られているものの、重心が高く絶対重量もかさむこのクルマがオフローダーとしての資質に長けているわけではない。上述のとおり、行動派であること、アクティブであることを旨とするそのスタンスや心持ちがこのクルマの大事なところなのだ。





インテリア



 他のスペース重視型ミニバンに慣れた目には、特別な広さを感じる室内でもないということは前述のとおりだ。デザインは現代的洗練というより機能重視生活重視の色が濃い。低められたとはいえ床は高めで相対的に天井が低い。今の時代なら、さらなる低床化は不可能ではないはずだが、堅牢なフレームや4輪駆動のシャフトやデフを収めるために高くなってしまっていたかつての名残り、そこがまたデリカのDNAというものだろう。




 2列目は後傾角などの調整ができ、快適に長時間を過ごすための工夫があるが、フルフラットやアレンジの側面からバックレストのサイズを折半しているように見受けられるのは他車と同じ。





エンジン/トランスミッション

 2.4リッター4気筒にCVTの組み合わせはベースとなったアウトランダーと同じ。おおむね1.7tはある重量に対して余裕のあるパワーユニットとは言えず、はっきりと遅い。しかしそれでいいと思う。高い見晴らしから鷹揚に構えゆったりと長距離ドライブを楽しむにはちょうどいい。2.4リッターエンジンはゆったりと回り、CVTにも不自然なところがないから人をイライラさせない。トバしたければ別のクルマがある。ちなみに試乗時点では、エンジンルームに余裕がなくV6は載らないと聞いた。



足回り

 説明によれば、フロアは低くなっているが最低地上高は上がっているという。即ち駆動系やフレームがスリム化されたということになる。重心が高く着座位置も敢えて低くはしていないから姿勢変化も感じるし、ノッシノッシと歩く。一言で言うとノッポなクルマに乗っている印象が強い。




 各ピラーは車体を囲むように骨組みのような構造になっていて、剛性アップに貢献している。ついでに乗り心地の仕立ても敢えてオフロードカー的な腰下のしっかり感を残しているように思う。重厚な印象。しかし昔からデリカを知っている人にとっては、「そうそう、これこれ」と感じるだろう。「敢えて」そうしているのだと思う。スペースギアは意固地に(?)5ナンバー枠を守った全幅やトレッドから不安定感がつきまとったが、このクルマはそれを改善している。



まとめ

 作る側も買う側も好きだったあの頃のデリカを思い出すようなクルマである。しかしただ古いということではなく、使い勝手向上や技術的進化や工夫やらがそこここにちりばめられ、きっと使って使い心地もいいであろうなと思えた。三菱らしく仕上げが丁寧なのもいい。






 現代のクルマとして最新のモードではない。しかしそのことが、右に倣えとばかりに個性の薄まりつつあるミニバンラインナップの中では非常に強い個性となっていて、異彩を放っている。このクルマを買った人は「敢えて」これにしたのだなと思わせるものがあり、そのことはオーナーにとって密かな喜びになっていくはずだ。
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ご留意ください
この試乗記は貴方の試乗を代行するものではありません。
感じ方や考え方には個人差があります。
また、製品は予告なく改良される場合があり、
文中にある評価がそのまま当てはまらない場合もあります。
購入前にはぜひご自分で試乗をしてよくお確かめください。




前田恵祐


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