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#069 子供に人気でもけっこう硬派

日産セレナ・ハイウェイスター 試乗インプレッション(2011.2)

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この試乗記は個人的な印象記です
捉え方や感じ方には個人差があります
ご自身で乗ってお確かめください



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 もはやファミリーカーの決定版と言っていいほど知れ渡ったブランド。ルーツはバネットコーチといい、これもワンボックス型として多くの家族に愛用された。昨今のセレナは、パブリシティにも子役を登用し、常に子供と共にあるというブランドイメージが出来上がってしまった。こうしたセグメント、銘柄として「テッパン」なやりかたなのだろう。



エクステリア



 特徴は出窓のようになったフロントサイドウインドウ。フロントガラス上辺も上のほうにある。




 ハイウェイスターは人気グレードで、控え目なエアロや独自のカラリング、少し径の大きいアルミホイールを備える。




 この種のクルマは皆類似系。良し悪しはともかく、筆者にもいちおうセレナと識別できる。



視界・扱いやすさ



 前席、2列目からとも視野は開ける。しかし今の子供たちはこのプライバシーガラスで景色が薄暗いことをどう思っているのだろう。筆者はガラスは透明に近く、眩しければカーテンなりロールブラインドなりを閉めればいいと思う。移ろう景色はドライブ旅行の最大の楽しみだ。




 特徴的なメーター。視認性はあまり良いとは思わない。面白いカタチではある。



インテリア・ラゲッジ

 ハイウェイスターのインテリアは黒基調。黒=スポーティ、の、固定観念からなかなか日本車な抜け出せない。これ以外のグレードには、汚れが目立ちそうな明るいグレーと、凡庸なダークグレーをそれぞれグレードごとに設定。しかし全体的にちょっと地味な気もする。




 前席は見た目のわりに優しい、柔らかいかけ心地。昨今の日産の方程式に沿っている。ということは、ハンドリングも…




 2列目。中央部分を1列目までスライドさせることができ、ごらんのように。シートサイズもしっかり取られ、いわゆる「シートアレンジのための妥協」をあまり感じない。ちなみにこれはセンター部分を前席にずらした様子で、キャプテンシートの図。中央席のシートベルトは2点式であり、明らかに2名がけ前提。法律上、いちおうは3名座れるにすぎない。




 この車型の強みで、3列目もきちんと座れる。2名がけとしてならば。


 3列目の折り畳みは、オーソドックスな跳ね上げ式。



エンジン・トランスミッション

 MR20型の直噴仕様。ロングストロークらしく静かでトルクがあり、粛々と回る。機敏でこそないがこの大柄にも過不足ない馬力。CVT制御もゆったりとしており、そう心得て乗れば鷹揚とした立ち振舞い。洗練されている。アイドルストップも有効で、レスポンスは充分だし、例によってブレーキの微妙な踏力に応じてエンジンスタートを任意コントロールできるのもいい。




 その昔バネットコーチのさらに兄貴分のバネット・ラルゴというクルマがあった。このラルゴにはシルビアと同じ1.8リッター、ガソリンターボエンジンの設定があった。筆者の子供時代に父が乗っていた愛車だったのだが、これがじつに痛快至極。外装にはリアに小さくTURBOのバッジがあるだけ。同じものはディーゼルターボ車にもつく。だから一見見分けが付かない。ところがヘタなスポーツカーならカルく追い回せる、バネット・ラルゴ・クルージングサルーンとはそういうワゴン車だった。セレナにもそういうグレードがあってもいいのにと思う。ジュークのMR16ターボがあるじゃないか。「ウチのクルマ、速いんだぜ」・・・子供も鼻が高い。



足廻り

 この点でもセレナはトップセールスを打つだけのことはある。ハンドルは鋭敏でこそないが、ギアレシオと回頭性、またロールの調和が取れており挙動がスムーズ。アシはしなやかにストロークし、しっとりとした印象。振動や騒音も抑えられこの点も走りの質感を高める助けとなっている。同時にロールセンター高もきっちり適切なところにあるようで、カーブでは、ありがちなオットットではなくジワッと全体が沈んでタイアが食いつくような感覚。注意深く仕上げられライバルより一枚上手。一貫した考え方で仕立てられておりチグハグなところがない。言い方を変えれば、オトナ。




 このハイウェイスターのタイアは1インチ径が大きくハイトの低い専用サイズ。特にハーシュネスが気になるわけではないが、タイア踏面の硬さは多少感じる。標準グレードの65タイアの方が合っているんではないかな。



結論

 クルマを操縦する楽しみこそあまりないが、操縦性の仕立てやエンジン、トランスミッションの洗練度など、総合力の高さを見せ付けてくれた。さすがは日産という仕上がり、力を入れるべきところをきちんと心得ている信頼感も大きい。






 この種のクルマを、ファミリーカーとしてはもちろん、最小単位の世帯が、たとえばこれ一台で旅行をしたり、そのときに車内で休憩できることを良しとして選択されることもあるだろう。そもそも居住空間の容積が大きいというのはそれだけでリラックスできるものだ。日ごろ狭苦しいのに乗っている筆者だから言う。それはともかく、トルキーなエンジンに、それをゆとりをもって使わせるCVT、注意深く設定されたアシなど、長距離ドライブにも好適と思える性質も多々伺える。わかる人が乗ればわかる、じつはそういうタイプ。セレナは子役の力を借りなくても充分にやっていけるクルマである。


 先入観を捨てて接すれば違った面が見えてくる。そのお手本のような試乗だった。




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5段階評価/★★★★★
仕立てがちょっと凡庸なこと(-1)
意外にも玄人好みの足腰心臓(+1)



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試乗データ

試乗日:2010年2月5日
試乗車:セレナ・ハイウェイスター(車両本体価格:2,499,000円)
型式:DBA-FC26
駆動方式:FF
全長×全幅×全高:4685×1735×1865mm
ホイールベース:2860mm
最小回転半径:5.7m
車両重量:1630kg
トランスミッション:エクストロニックCVT
ボディタイプ:1.5ボックスワゴン
ボディ色:オーロモーヴ(RP)<#LAE>
内装色:ブラック<G>
装着されていたオプション:
 特別塗装色(42,000円)
 純正HDDナビゲーションHC510D-W(282,432円)




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メーカーサイト
http://www.nissan.co.jp/SERENA/





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ご留意ください
この試乗記は貴方の試乗を代行するものではありません。
感じ方や考え方には個人差があります。
また、製品は予告なく改良される場合があり、
文中にある評価がそのまま当てはまらない場合もあります。
購入前にはぜひご自分で試乗をしてよくお確かめください。










前田恵祐



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