この試乗記は個人的な印象記です
捉え方や感じ方には個人差があります
ご自身で乗ってお確かめください
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■ エクステリア
ダイハツとしては、軽自動車のエコカーを売り出すに当たって、まずはオーソドックスなところから行きたいと考えたらしい。その結果がこの地味すぎるくらいのスタイリングなのだろう。なにしろ、従前のミラ(併売)より"薄い"感じ。ブルースや綿引さんのほうが目立つ。
いわゆる、ミラですね。
この角度も。
でも、これでいいんです。
■ 視界・扱いやすさ
ミラは軽自動車のベーシックラインだから、とにかく自然に扱えると言うことが大事。メーターもシンプルにデジタルにしてある。エアコンも機能は最低限で操作も簡単。
■ インテリア・ラゲッジ
ベージュ系の、いつもの無難な色。前席のサイズはこの種類のクルマとしては充分で、坐り心地はしっかりとしている。他社のものと比べてもはっきりと手を抜いていない。こうした基本的なところの出来、作りに、メーカーとしての姿勢が出る。
しかし、後席へッドレストは用意してください。
■ エンジン・トランスミッション
気になる燃費をたったの数十分の間だけ、メーター内の燃費計で計測。最後に止まってアイドリングしている間に見る見る値は悪化し、止まった時は20.5km/Lだったのに、シャッターを切った時には20.2km/Lまで悪化した・・・それくらいシビアにモニターしているということ。しかしふつうに市街地を走って20キロ台は平気でマークすることは確かめた。車体の軽量化、エンジン・トランスミッションのリファイン、アイドルストップの賜物だが、その気になればまだまだ電気に頼らずともやれることはありそうだ。こうした方向の競争はより激しくなるだろう。
アイドルストップのシステムは更新され、時速7km/hを下回るとエンジンが停止するというものになった。こうした機器の更新は既存車種にも順次適用されるようだ。
走った印象は、いたってふつう。ふつうに加速、減速をする。ただ、エンジンの振動などがやや他より大きいかもしれないが、それは軽量設計によるもの、CVTが低回転を選んで走らせるから、という理由が挙げられる。気にするほどではない。
■ 足廻り
車体からして設計をしなおして、軽量にして高剛性、高効率を目指す。これまでのクルマと違って、はっきりとギリギリのせめぎあいをしているとわかる。余裕綽々とはいえないまでも辛うじてしっかりとした車体、あるいはハーシュネスや振動の抑制のバランスなど、かなりシビアにやっているなと感じさせた。それでも、走ってみればふつうに、ミラ。小さくて快活に走るエッセにこのエンジンが載ればもっとよかったのに。
■ 結論
こんなに地味でいいのか、こんなにふつうでいいのか。しかし冷静に考えてみればエコカーだからといってこれ見よがしである必要はない。目的は省エネなのであって、同時に普及させる為の値付けも必要だったわけだから、これは様々な点で大人の判断があったと考えていいだろう。きわめて冷静に軽自動車のエコカーをまっとうに仕立ててきた、という印象に繋がっていく。
ミラと言うクルマは国産車の最小単位を担う、それでいて賢く庶民の生活を支え寄り添う、本当の意味での大衆車だ。乗った印象はなんども言うようだけれど、いたってふつう。しかし主張が過ぎず、あれこれと求めない結果、それはきわめて自然で、いうなれば履き心地良く長持ちする靴のような存在だ。ミラには、もしかすると日本車の真髄があるのかもしれない。
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■ 5段階評価/★★★★☆
にしても、やっぱり地味なスタイル(-1)
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■ 試乗データ
試乗日:2011年11月10日
試乗車:ミラ e:S "X"(車輌本体価格:995,000円)
型式:DBA-LA300S
エンジン:KF-VE
トランスミッション:CVT
駆動方式:FF
全長×全幅×全高:3395×1475×1500mm
ホイールベース:2455mm
最小回転半径:4.4m
車両重量:730kg
ボディタイプ:5ドアハッチバック
ボディ色:シェルローズ #T28
内装色:ベージュ
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■ メーカーサイト
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ご留意ください
この試乗記は貴方の試乗を代行するものではありません。
感じ方や考え方には個人差があります。
また、製品は予告なく改良される場合があり、
文中にある評価がそのまま当てはまらない場合もあります。
購入前にはぜひご自分で試乗をしてよくお確かめください。
前田恵祐
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